幸せな男の子の話
ある村に、とても幸せな男の子がいました。
男の子はあなたの町からずっと離れたところに住んでいますが、
あなたのように笑ったり泣いたりする、とても可愛らしい子どもでした。
男の子は毎朝、鶏の世話をしたり、井戸から家へ水を運んだりします。
あなたが町を歩いているとき、男の子も歩いています。
今は雨季で、村の道がぬかるんでいて、少し歩きにくそうです。
男の子は、学校に行くことが大好きでした。
友達に会えるし、勉強は面白いし、ときどき給食も食べられます。
先週、ビニール袋を何重にも重ねた、大きな新しいボールを作ったばかりです。
太陽が真上にくると、家に帰って、お母さんの手伝いをします。
今日はお姉さんと一緒に薪を拾ってから、畑の雑草を抜くようです。
男の子は、2歳上の優しいお姉さんが大好きでした。
あなたがご飯を食べているとき、男の子もご飯を食べています。
家族みんなで夕飯の準備をして、家族みんなでご飯を食べます。
お父さんはいつも、
「家があって、ご飯を食べられて、家族がいる。これは本当に幸せなことなんだよ」
と言いながら、スープをすするのでした。
男の子もお姉さんもお母さんも、お父さんの言葉に頷いていていました。
ある日、男の子の村にあなた達がやってきました。
みんな、四角い箱を男の子たちに向けて笑っています。
箱を見せてもらうと、それは鏡のようでした。
その箱は、男の子にとって非常に面白い箱でした。
あなたは、男の子にたくさんの映像を見せました。
あなたの町には、大きな家がたくさんあって、道には土がありません。
学校には机と椅子と電気があって、子どもの半分くらいは女の子です。
みんな綺麗な服を着ています。
その映像は男の子を魅了し、同時にショックを与えました。
男の子の村には、コンクリートでできた家がありません。
道はぬかるんでいて、ゴミもたくさん落ちています。
机と椅子は少なくて、服はボロボロで、女の子はあまり学校に来ていません。
男の子は深く考え込んでしまいました。
その日の夜、お父さんはまた
「家があって、ご飯を食べられて、家族がいる。これは本当に幸せなことなんだよ」
と言いながら、スープをすすりました。
男の子は、黙って俯くばかりでした。
何日かすると、あなた達は自分の町に帰っていきました。
村の学校の机と椅子、それからノートが、いつの間にか増えていました。




