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公道最速少女  作者: oroto
23/50

22話「最速のバトルの前哨」

更新遅れてすみませんでした……

 藤原に作業を始めさせたのだが……

「ピーラーで大体いけるでしょ!」

 と詰め寄ってくる。

「あのなぁ……それだとニンジンを大きく切れないでしょ?」

「そのまま入れればいいのよ」

 と普通に言う藤原の精神は大丈夫なのだろうか。


「さぁ、切るわよっ!」

 と包丁を握る藤原。


 流石に指を切りそうな様子ではなかったので俺はちょっと席を外した。


 数分後、戻ってみると。

「ふふふふふふ、うふふふふふふふふふふふ」

 と笑いながらニンジンなどを切る藤原が居た。


「藤原さん! 怖いから笑いながら切るのはやめて!!」

「ふへへへへへへへ……」

「もぉ怖いよ! なにがあったの!?」

 そう言った直後、切り終わったのか、笑うのと同時に包丁を動かす手を止めて藤原が振り返り。

「タコ……手ぇ切っちゃった」

「今更!?」


 俺が藤原に絆創膏を貼ってやっていると。

「なんで、笑ってたんだろ……」

 とつぶやく藤原。

 ……もう知らない。


 気を取り直して肉じゃがを作る。


 で、細かいとこはカットするが、思ったより藤原は出来ていたので少しの間放置することに。


                                 *


 瞳が藤原から目を離して別のところに行ったあと。

(あれ、なにを作るんだっけ? ニンジンとか切ってて忘れちゃった……)

 と、とんでもないボケをする藤原、

(ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも……カレーかな……)


 と思い、心辺りを探すも、カレールーは見つからず。

(買い忘れたのかな)

 と思い。

「タコー、買い忘れがあるから買ってくるよ~」

「あ、うん。けど、俺が行くのに」

「いいのいいの、いつもタコに作ってもらってるし」

 と手を振って自分の愛車、FDのところに向かう藤原。スーパーまでいくには、車でいくのが一番速いのだ。


                                 *


 俺はふと、なんの材料が足りないか、疑問に思った。

 全部買ってきたんだけどな……


 一応確認してみると、みりんが無くなっていた。

 ……そういや、みりんが切れそうだったの忘れてたな。


 十数分後、藤原が若干上機嫌で帰宅して料理を再開する。


 それから数分後、ぐつぐつ煮込んでいるような音が聞こえてきたので、藤原もしっかりやってる、と俺は確信を持っていた。


 それからまた数分後、だんだんスパイシーなカレーのいい匂いが……


 ………………………………………………?


 ………カレー?


 ……ってなんでカレー作ってんだ!?


「藤原、なんでカレーを作ってるんだよ!?」

「えー、カレーじゃないの?」


 ……とんでもないボケをされた。


「いや、だって。ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモがあったらカレーでしょ」

「こんにゃくが目に入らないのか!?」

「こんにゃくカレーじゃないの?」

「んなわけあるかぁぁあああああああああああああああああ!!」


 それからまた数分後、こんにゃくが入ったカレーが食卓に並ぶ。


「藤原……あんたは、天性のバカだよ」

「なんでそんなこと言うの!?」

「だってそうだろ! どうなったら肉じゃががカレーになんだよ!」

「肉じゃがは日本のカレーっていうじゃん!」

「それはシチューだ!!」

 と言い争っていたら、姉貴が。

「おいしいからいいのよ」

 と幸せそうな顔で言ってきた。

 くそ、なんだか反論できない……


                           *


 話は戻って、首都高の直登達。


「直登、そのNSXって排気量アップボアアップとかしてるのか?」

 と荒畑。

「あぁ、C32B改3.5リッターだ」

「元でも倍の排気量があるのにな……お前の妹も可哀そうだ」

 と本気で瞳を心配するようにいう荒畑。

「速い相手には本気で挑む、これが俺のやり方だ」

 と言いきる直登。

「そもそも俺は、車自体にこだわりはないからな」

 と話題を変える直登。

 煙草に火を付けて、荒畑が。

「ホンダ好きが聞いたら『お前、ホンダ好きじゃないのかよ……』と言われそうだな」

 と呆れながら言う荒畑。

「まぁ、旋回性のある車を探してて、GT-Rはあれだし、FDもトラクションとかがな。で、NSXがちょうどよかったんだ」

「なるほどな。お前らしいと言えばお前らしい」

 と返しつつ、荒畑は思う。

「けど、そのNSXって筑波で57秒出したやつだろ? ショップのデモカーレベルのNSXでバトル……大人げ無さ過ぎだろ」

「なにを言う、チート並みの速さのあいつに勝つにはこれくらい必要なんだ!!」

「落ち着け……」

 と直登をなだめる荒畑。

「あ、あぁ……そうだな」

 と一瞬で落ち着いた直登。

「はいはい、そんなにお前がシスコンなのはわかったから」

 と冗談で言った瞬間、直登がゆっくり顔を上げて。

「シスコン……だと?」

 その目は天敵を見る様なもの――

「やべぇ、本気マジだ!!」

 と言ってスープラに乗り込み、逃げるように――のような比喩ではなく、逃げるために走りだす。

 それを無言で追いかけだす直登。


 それをミラー越しで見る荒畑。

「くそ! 何故シスコンでキレるんだぁぁあああああああああああああああああああ!?」

 と叫びつつ湾岸線方面に逃げる。


                           *


 話はまたまた戻って俺、横谷瞳。

「じゃあ……皿洗いくらいはしっかりやってくれよ……」

 と俺は藤原に言う。

「あたしを誰だと思っているの?」

 肉じゃが作るはずがカレーを作るバカだと思っています。

「まったく、少しは信頼してよ!」

 しつこいようだが、肉じゃがを作るはずが、カレーを作ったアホのどこを信頼しろと?

「だからいつまでも男口調なんだよ……」

「それを言うなぁぁあああああああああああああああああああああ!!」

 というか、関係あるのか!?


 その後「はいはいー、しっかりやりますよー」と言いながら台所に入って行った藤原を見る。


 藤原が台所に入ってほんの数分後、俺の携帯電話が着信音を発し始めた。

 発信者は、―――兄貴だ。


 一気に緊張が走る。


「もしもし?」

 兄貴は無理やり落ち着いているような声で。

『瞳、わかっているよな?』

 もちろんわかっている。

「今週のバトルだよね……」

『そうだ。11時すぎに榛名山の頂上で待っているからな』

「わかったよ。ところでなんで無理やり落ち着いてるような声をしてるの?」

『別に、シスコンとか言われてキレてたわけではないぞ』

 言われていたんですね、わかります。

「わかったから」

『なにがわかったんだ?』

「うん、じゃあね」

『ちょっ、まだ言い訳を―――』


 俺は携帯から耳を離して、閉じて手元に置く。


 そして、台所から。

『あっ、おっとっとっとっとと……』

 と、なにか落としそうになって必死に拾っている声が聞こえる。

 一体なにをしているんだ……


 さらに数分後。


『これって、どこに置くんだっけ?』

「一人で出来るって言っときながら俺に訊くなぁぁあああああああああああああ!!」


 数分後。

「ふぅ……まったく、配置くらい覚えろよ……」

「てへっ☆」

「可愛く言っても無駄だ」

「酷い……」

「なにを言うんだ……て、なんか皿が一枚足りない気がするんだが……?」

 と言ったとき、藤原はサ―ッと距離を取っている。

「ふふ、沙織ちゃん♪」

 ダッ、と俺は追いかけ始める。

「いやぁああああああああああああああああ!!」

「待てぇえええええええええええええええええええ!」


 被害、お皿一枚でした。


                              *



 バトル当日、榛名山頂上で自動車研究部部員――ようは俺の仲間達が集まっている。

「今日は伝説のバトルになりそうだな」

 と斉藤。

「まぁ、はっきり言って負けるかもしれない」

 と言うと。

「そんなこと言わないでよー……」

 と横川。

「そんなこと言われても……今回ばっかりは本気の兄貴だよ、勝てる気がしないよ……」

「とか言いつつ勝つのが横谷クオリティー」

 と自信ありげに工藤。……他人ひとごとだと思って。

「そろそろ、時間だよ」

 と涼宮。


 すでにたくさんの観戦客ギャラリーが集まっていて、いつもの静かな榛名山とは違う場所に見える。

 そんな中、V6エンジンの音を轟かせてマシンが登ってくるのがわかる。



 数分後、登ってきたマシンは当たり前だが、兄貴のNSXだった。

 斉藤が調べた話では筑波サーキットで57秒台を出したことで有名なマシンらしい。

 ちなみに、筑波サーキットでは1分台を切れば速い方だ。


 3.2リッターのC32Bを搭載したマシン、NSXの後期型、通称NA2型のタイプRがベースらしい。

 だが――

「3.2リッターの音じゃないな」

 とレースモード(レース中と前後の真面目なとき)の工藤が言う。

「うん、音的には3.5はありそう」

 実際に3.5リッターにするパーツは出ているから不可能ではない。


 そのホンダ車のいいとこの一つの、NAのいい音を響かせて俺達の前に止まった真っ白のNSX。


「久しぶりだな、瞳」

 と言う兄貴。

「だね」

 となにを思いつかず、適当に返してしまった。

 ちょっと気まずくなるな、と思った直後、また別のエンジン音が鳴り響く。

「直6、あいつか……」

 と兄貴がつぶやく。


 登ってきたのはNSXとは対照的な真っ黒な80スープラ。

「バトルには間に合ったか……」

 と降りてきたドライバーは言う。そのドライバーの顔を知っている。

「荒畑さん、久しぶりです」

 と言うと。

「……やっぱ直登、お前とは違って素直でいいな」

「うるせぇ……」


 やっぱ、この二人は仲いいな。多分。


「まぁ、気を取り直して、じゃあ、そろそろバトルを始めるか」

「いいよ、タイヤもエンジンも準備できてるし」

「じゃあ、始めるか……」


 二台がスタートラインに並ぶ。


    

本当に更新遅れてすみませんでした……なんとうか、スランプでした。


当分こんな調子になるかもしれませんがお許しください。

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