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公道最速少女  作者: oroto
17/50

16話「どんなチューンするの?」


 改めて見ても普通の女子にしかみえんのだが……

 見た目はセミロングの髪をツインテールのように結んだ一応美少女。

 相手は俺がジーっと見ていたら恥ずかしそうにうつむいてしまった。

「タコ、あのは隣の隣のクラスの大林春実おおばやしななみさんだよ」

 と藤原。

「よく知ってるなぁ」

「ってシオが」

「涼宮が情報源かよっ!」


 と言い合っていたら。

「ん? VTECの音だ」

「誰だろ?」

 ……………………………………………………………誰か忘れていたような……?

 記憶力がいい読者なら気付いたかもしれないがな。ハハハ


 数分後、頂上に来たのはFD2 シビック。

「なんでみんなあたしのこと忘れてるの――――――――――――――――――!!」

 ドライバーは横川春奈。我が自動車研究部のメンバーである。

 読者の皆さん。前回を読み直してください、一人ほど空気を超えて存在ごと消えていませんか?

 ああ、『忘れてた』なんて言えないよなぁ……

 他の自動車研究部の面々をそう思ってるらしく、俺にアイコンタクトで『フォローしろ』と言っている。

「(何故だ?)」

 と小声で訊くと斉藤が。

「(横つながりでだ)」

 といわれてしまった。まぁ、仕方ないか……

「どうしたの春奈。遅かったね」

「絶対忘れてたよねっ!」

「春奈。落ち着いて」

 と手を出すが。

「いやいや、瞳が普通に乙女を演じてる時点でおかしいよ。誤魔化してる感がバリバリ出てるよ!!」

「オマエ、自分の遅れのツケを、自動車研究部に回してるんじゃねぇよ。なんだよ、忘れてたってよォ。俺達はな、いくら待ってもこないから、いずれくると思って頂上で待っていたんだよ」

 おお、俺説教できるんじゃね?

「なのに、オマエはどうなんだよ? それで来たと思ったら、『忘れてた』だと? ふざけるんじゃねえよ……」

 と俺がノリノリになってきたところで。

「いやいや、そんな某上条さん並の説教されたって困るし」

「チッ、乗ってきたのに」

「タコっ!」

 と藤原が横から。

「禁○目録ネタは禁止って決めたでしょ!」

「すっかり忘れてたぁぁあああああああああああああああああああああああああああ!!」

「今はそっちじゃないでしょぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 なんだが、横川の怒りメーターがレッドゾーンを吹っ切って一回転しそうだったので自動車研究部全員で土下座。

「「「「「本気で忘れててすみませんでしたっ!!!」」」」」


 ……その後、なんとか解決しました。なにがあったかは、ご想像にお任せします。


「で、あの子はなに?」

「さぁ」

 いったいなにをしに来たんだ?


 ――――――――――大林視点――――――――――


 大林の目的は目の前で騒いでいる自動車研究部にバトルを挑むことだった。

 自分でもよくできるなと思うのだが、バカ正直にエースの瞳に挑もうとはしない。

 なので、自分と張り合えそうなのを雰囲気で選ぶつもりだったのだ。

(で、ど、どうしよう……)

 無駄にどいつもこいうも速そうだったが。

(FZに乗ってる人が張り合えそう)

 という結論に至って。


 ―――――――――瞳視点―――――――――――


 と、相手――大林さんはなにかを決めた様子で、俺ではなく。

「あの……」

 と涼宮のほうを見て。

「私とバトルをしてくだはいぃ!!」

 噛んだ……

 一方涼宮は。

「……へ?」

 まさかの、涼宮に申し込みだと……?


「なんで、私に……?」

「なんででもです!」

「……いいよ」


 ということで涼宮VS大林が決定した。


                       *


「じゃあ、バトルは来週の土曜で」

 と斉藤が相手と話をつけている。

 その間にも、俺達は。


「涼宮、どうするんだ?」

 と訊く。

「なにを?」

 と可愛らしく首をかしげて訊きかえされた。

「いや、だってお前のFZはノーマルだろ。あっちはいくら古いZ32とはいえ、チューニングしてあるんだぞ」

「問題ないって」

「そうかぁ……?」


ものすごい不安です。


 で、次の日の部室にて。


「で、シオのFZをどこからイジるかよ」

 と藤原がホワイトボードに車の絵を描いて説明している。

「足回りじゃない。パワーはそこそこあるし」

「いや、エキゾースト関係よ」

「なんでだ?」

 と斉藤。

「単に最初に発売されたのがエキゾーストだからよ」

「いやいや、このショップにはサスも売ってるよ」

 と横川が言ったら――――


「まずは、ホイール、マフラー、サスが基本よねぇ?」

 おい。

「でも、涼宮。金はあるのか?」

 と訊いたら涼宮は自分の身体を見てから。

「多分大丈夫よ」

「絶対汚い金だよね!?」

「ちょっと脂ぎったおじさんからもらってるだけよ」

「それダメでしょ!?」

「冗談よ。まったくタコったら」

 ふふふ、と笑っている。……ウソだと信じよう。


「そういえば、FCはどうするんだ?」

 なんとなく気になっている。

「大丈夫よ、直登さんが5万で買い取ってくれるって」

「あれ? もっと高くならないか、とかって言わなかったの?」

 こいつのことだから7万程度にならないとダメとかいいそうだと思ったが。

「それがね……どこで査定しても4万が限界だったの。だから5万で直登さんに引き取ってもらったほうがいからぁ」

 といつもの癒しボイスで言う涼宮。


 まぁ、本人がいいならいいか。


 とにもかくにも、来週の土曜日、バトルなのである。


「まぁ、パワーはいいとして、問題は足回りだよな」

 と俺が言ったら。

「いや、ここはあえてタービン交換で――」

 と藤原。

「やっぱりダンパーだけでも換えたいね」

 強引に遮って藤原はスルーする。

「あたしの意見スルー!?」

「あのねぇ、峠を走るんだからタービンはいいだろ……」

「タコ、世界にはパワー命の人がいるんだよ」

「だったら峠で600馬力とか出していいのかよ……」

「……首都高なら?」

「「走るのは峠だ(よ)!!」」

 と涼宮と一緒にツッコム。

「大体、FRで600馬力も出すならボディ、足回りとかをやんないと真っ直ぐも走るかわからないぞ」

 と工藤の的確なツッコミ。

「まぁ、GT-Rやランエボ、インプならそれなりでもいけるだろうけど。まぁ、インプで600馬力は難しいけど」

 と斉藤。

「そもそも、600馬力のFRを峠で踏むって発想もないよね」

 と横川。


 みんなからツッコミを受けてまんま、『ズーン』というSEが出てきそうな様子で凹んでいる藤原。


 俺が藤原の後を引き継いでホワイトボードに書き込む。

「じゃあ、涼宮のFZはサスからイジればいいな?」

「そうだね。あとはホイールも換えたいなぁ」

「FZならRAYSってとこのCE28がいいかな」

「工藤……俺はわかるけど他の人はわかってない顔をしてるよ……」

「そういうホイールがあるんだよ。……多分」

 多分ってなんだ、多分って!

 ちなみに、そういうホイールは実在しています。


 その後、涼宮のFZは、ダンパーとホイール、タイヤを交換することに。


 家に帰るとき。

「そういえば涼宮」

「なに?」

「いつ兄貴にFCを渡すんだ?」

「今日なの」

「唐突だなおい!」

 いきなりすぎるだろ。

「で、タコの家で引き渡すの」

「しかも俺の家でかっ!?」

 もう唐突を超えたよ!


「大丈夫大丈夫、少し上がっていくだけだから」

「大丈夫……といえば大丈夫だけど……」

「早く言おうと思ってたんだけど、忘れたの」

 と言われた。……若干天然が入ってるな。


                      *


 で、俺の家の前。

「兄貴……ちょっと大げさじゃない」

「だからといって歩いてくるには遠いだろ」

 何故、兄貴の横谷直登とこんな話をしているかといえば。


 目の前に駐車してあるデカイ車載用のトラックが俺の家にあることについてだ。


「まぁ、仕方ないよ」

 と藤原。

「てか、兄貴。大型車の免許持ってたんだ……」

「車の運転のためならな。それに持っておくといいことはあるしな。今回みたいに」

 なんだか兄貴がいうと説得力がありすぎる。

「ま、あとはFCが来るのを待つだけだ」


 と兄貴が言ってから数分後。

「あ、着たみたい」

 と俺が言うと、それを見計らったように涼宮の白いFCが表れた。


 俺らの前に止まると。

「すみません、最後なんで洗ってきたんで」

「いいよ。じゃあ載せるよ」

「はい」

 といった後、涼宮はトラックの真後ろにFCを持っていく涼宮。


 その後、兄貴の指示で車を降りた涼宮。

 無人となったFCにワイヤーを引っ掛けて車を手際よく載せていく兄貴。

「じゃあ、これが約束の5万円」

 と涼宮に渡す。

「ありがとうございます」

「じゃ、大事に乗るからな」

「ねぇ、兄貴?」

「なんだ?」

「そのFC、どんなことに使うの?」

 と訊いたら、兄貴は。

「最高速仕様だ。そのうち雑誌に載せるから、読んでくれよ」

 といって兄貴は帰っていった。


「じゃ、涼宮。ウチに上がってく?」

「いいの?」

「大丈夫だよ。どうせ、うるさいのが二人いるから一人増えたところで変わらないよ」


 ということでただいま涼宮がいるのだが――


「さぁ、FZの所有者がいるからチューニングの内容を話し合うわよ」

 と藤原。

「「「おー」」」

 と棒読みの俺ら。


「じゃあ、まずはタービン――」

「サスペンションだな」

「「うんうん」」

「なんであたしの意見は聞かないでタコのは聞くのよ!?」

「いや、また『タービン交換をしよう!』って言いそうだったから」

「……ッ!」

「じゃあ、まずは足回りってことで」

 と、男性陣の意見も入れたつもりで決定。


 数日後。俺の家のガレージで届いたパーツ類を眺めながら。

「うん、やっぱりサスからだね」

「お前、タービンタービン言ってたくせに……」

「細かいことは気にしちゃダメよ」

「いやいや、タービンとサスだと全然――」

 と俺と藤原がヒートアップする前に涼宮が。

「まぁまぁ、その前に誰がパーツを交換するの?」

「俺か……」

 そういうことができるのは俺しかいないからな。

「いや、横谷。俺に任せろっ!」

 と工藤。

「お前にやらせるとフロントとリアを間違えそうだ」

「ふっ、こんな時のためにちゃんと勉強していたんだぞ」

「じゃ、任せるよ」


 といって工藤に任せて俺達は作業を眺めることに。


 タイヤやブレーキ類などををテキパキ外してそしてサス。

 と、工藤が少し手を止める。

「なぁ、横谷――」

「なぁに?」

「ここにはどのスパナを使うんだ?」

「「「「「はぁ……」」」」」

「みんな一斉にため息はやめてくれる!!」

「やっぱ工藤だな……」

 とあきれ顔で斉藤。

「工藤だもん……」

 こちらは諦めきった顔で横川。


 仕方ないので使う工具や、使い方とかを教えた。



 それからかなりの時間を使って、サスとマフラーを変えた。

「こ、これで終了か!?」

 と工藤。

「そうそう」

 結局一晩置いて、作業時間なら5時間程度かかった。

「早速慣らしを含めた走行か……」

 と疲れた顔で工藤。

「よし、工藤を少し休ませたら慣らし走行だ」


 といって俺達は工藤を雑巾のように引きずって一旦家の中に撤退する。


 今日の夜からテスト走行開始だ。

ブログにうpしましたが、瞳の絵を描いてて遅くなってしまいました。

しかも内容……もうすみません。


夏休みなので次回は早めに投稿しようと思っています。

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