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公道最速少女  作者: oroto
14/50

13話「FZ3S」


 で、あの後結局やることもなくなり下校した俺達。

 

「タコ~」

 と帰りがけに寄ったスーパーで藤原。

 ……涼宮のことだろうな、親友だし―――――

「今日のご飯なに~?」

「……」

「どうしたのタコ? 口をパクパクして」

「テメェはイン○ックスかぁぁぁああああああああああああああ!!!」

「ひゃぁああああああああああああ!?!?」

 と小規模な争いをしていると。


「あ、二人とも」

「「ッ!?」」

 とそこにいたのは涼宮ではなくクラスメイトの女子だった。

 正直、涼宮より厄介だ。

「ど、どうも……」

 だって、通常の男子モードから学校用の女子モードに変えなきゃいけないんだから。

「やっほー」

 と藤原。こいつの口調を分けて欲しい。

「あれ、瞳ちゃん、顔が赤くなってきてるよ」

 と指摘。確かに自分でもわかるほど赤くなってきているんだろう―――

「タコのほっぺた柔らかいよ~~」

 と俺の頬をいじり始めた藤原。

「はにふんだ~~(なにすんだ~)」

「あははははは~~」

「あはははは! 瞳ちゃんおかしい~!」

 助けてくれぇ……

 

 このままでは|男口調(本性)が出てしまう……

 あ、そういえばこの後家に帰って晩御飯を作らないといけないからそれを口実に―――――

「あ、そうそう、これからカラオケに行くんだけど二人ともいく?」

 と聞かれたがもちろん―――

「いくいくー!」

 と藤原。

「ちっと来いよォ……」

 と俺は藤原を引きずり。

「なァ? 俺はなァ、これ以上クラスメイトといるとボロをだしそうなんだよなァ……だから今日はご飯を作らないとっていって帰るぞォ」

 と言ったら藤原は意識が飛んだように呆然としてから。

「あ、うん。あたし……ボケてた……」

「よし、わかったならいい」

「というか、そんな視線だけで戦闘機が二機落とせそうな目で言われたら覚醒もするわ」

 と藤原。どんな目だよ……

「ごめんごめーん」

 と藤原がクラスメイトの元に向かっていくのを眺める。

 その後、藤原がすまなそうにクラスメイトになにかを言ってこちらに向かってくる。


 で、戻ってきた藤原は。

「ふぅ……つかれるわ」

「あんたのせいでな!」

 ということでまた買い物。


 と、唐突に藤原が。

「ねぇ……?」

「なんだ?」

 いつになく真剣な藤原。

「シオって……」

 と肩が震えている。

「シオって、なんであんなに胸が大きいのかな……!」

 それを聞いた俺は藤原の肩に手を置きながら。

「大丈夫だ、俺達もいずれ―――」

「香織さんに聞こうか……」

「やめろ、姉貴に聞いたら。『ふふふ、それはね、エロゲをやっていればね―――』となるのが目に見えている」

「なんだか、将来がぁ……」

「牛乳でも飲むか」

 と俺が牛乳を手にとりながら言う。今日は安いな。

「タコ! 真面目に考えてっ!」

「藤原……」

 と俺は藤原の胸部を見る。

「なぁ、自動車研究部の胸部の大きさを不等号であらわすとな。涼宮>藤原=横川>俺。なんだよ」

「た、タコ……」

「じゃあ……帰るよ……」

 フラフラ~~

「タコぉ~~あたしが悪かったぁ~~~!!」


 そして、帰宅。


「ここが3.5で……」

 と姉貴がPCに向かってなにか数式を解いていた。

 まぁ、大学生だからな。

「あ、瞳おかえり」

 と振り返ったときに見えたPCの画面には計算のソフトなどというものはなく、一枚の写真が―――

「なぁ姉貴?」

「なに?」

「なんで人の写真を見て計算をしているのかなぁ?」

「ふふふ、これはね、瞳がニーソを履いてたときに黄金比が出来ていたか調べていたのよ」

「黄金比?」

「ふふ、知らないの?」

 なんだか、最近デビューした注目新人歌手のことを言うような口調で語ってほしくない気がするのは俺だけか?

「ニーソとミニスカの間にできる『絶対領域』の黄金比はねぇ、『ミニスカ:絶対領域:ニーソ=4:1:2.5』なのよ」

 と、得意げに言われても困る。

「で、だからどうした?」

 大体想像できますが。

「だから、瞳がちゃんと黄金比を守れているか調べているのよ」

 だと思った。

「で、どうだんですか?」

 と藤原。

「残念ながら、スカートの面積が大きくて、素肌の部分が少ないのよ……」

 悪かったな。

「だから瞳、月曜からは見えるか見えないくらいに短くしなさい!」

 こんなことかと思った。

「ああ、やだ」

「なんか簡単にスルーされた!?」

「大体、そんなに短くしたら男子に迷惑だし」

「見えたっていいじゃない」

「男子みたいなこというな!」

「某ストパンの登場人物は普通にしてるじゃない」

「あれはズボンってことだからねっ!」

 とんでもない誤解である。

「まったく、わがままなんだからぁ……」

 お前のほうがだ。


 珍しく姉貴は引き下がったので安心して夕食の準備に入れる。

「タコ、今日はなんなの?」

 と藤原。

「今日はから揚げ」

「よしっ」

 とガッツポーズをしながら出て行く藤原。なんなんだ?

 だが、そんなこともすぐに忘れて目の前でジュージューいっている油を見つめる。まだ、いい温度じゃないかな……


 俺が油に集中していたところ、俺の部屋のほうから。

『おお、瞳のパソコンに三次元のエロ画像が―――』

「んなもん入れてねぇよ!!」

『そうよねぇ、瞳は二次元専門だもんねぇ』

「そうそう……ってなにを言わすんだぁ――――――――――――!!」

 てかなんでこんな大声で話しているんだ……

『よし、瞳のパソコンのCドライブを見てみよう♪』

「それはやめてぇぇええええええええええええええええええええええええ!!」

 なにがあるかは内緒だよ♪


 全力で止めに行く前にしっかり火を止めてから行く。

 よし、火事フラグは折ったぞ。


「姉貴ぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

「瞳!?」

 さすが急で驚いたのだろう。

「見せるかぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

「そんなにムキになると余計に―――あ」

「なにをみたぁぁああああああああああああああ!!??」

「瞳の秘蔵写真!」

「んなもん入れてあるかぁぁああああああああああああああ!!」

 最大級のツッコミ。

「ウソよウソ」

 と姉貴は俺のPCの前からどいた。

 よ……よかったぁ。

「ちゃんと外付けHDDに入れてあるもんね♪」

 ……俺のなにかが終わった。


「タコ、大丈夫……?」

「……ああ、多分」

「大丈夫だよ、あたしはタコがどんな趣味を持っていても―――」

「頼むからそこで黙らないで!」

 そこで黙られると悲しすぎるっ!

「―――タコ、そろそろ揚がってきてるよ」

「くそぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!」

 異様に悔しい!



 明日の弁当に詰め込むものも夕飯で決定して、平和な食卓になった。



 なんだなにもないのかよ、と思う人もいるだろうが、これが日常だ。

 てか、そうそう事件とかが起きてたら俺の身が持たん。


 明日は土曜で休みだからゆっくり寝て……と。



                              *


 で、ゆっくり寝ようと思っていても7時から8時には起きてしまった。

 仕方ないのでうるさくならない程度に趣味をする。

 しかし、そろそろハチロクもオーバーホールしないとな……

 もうなにかといって10万キロ、かなりのハイチューンだしやったほうがいいだろう。

 けど資金はどうするか……

 などと考えながらブログのコメント返信をする。


 てか、よくこんなに働いて倒れないか、自分でもわからんよ。

 まぁ、いろいろな意味で病気な姉貴や、居候の藤原――――

 あ。


 俺は藤原が寝ている部屋に向かって走る。

 そして、藤原の部屋を開け放って。

「ふぅぅぅぅぅぅじぃぃぃぃぃぃぃぃわらぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」

「なんか覚醒したタコが飛び込んできた!?」

「テメー居候なのになんにも働いてねぇよなぁ!!」

「いやぁ、香織さんに相談したんだけど、『瞳はお人よしで頼まれたら嫌でもやっちゃうような人だから放っておいて大丈夫よ』って言われてぇ~」

「そんなんで姉貴の言葉に甘えたのか!」

「テヘッ☆」

「少しは働けぇぇええええええええええええええ!!」

 せめて藤原が手伝ってくれれば効率も上がるしなにより俺の負担が減る。

 なので。

「よし、今日の昼ごはんを作れ!」

「えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~」

「うるせぇ! お前は女だろ!」

「タコ、女だからって家事とかできないほうがおかしいって、差別だよ」

「誰だ! 俺が性転換したときに『せっかく乙女になったんだから家事とかを覚えようね』って言った奴!」

「おそらく香織さん」

「テメェらもいったろ!」

「今日はいい天気だね」

「誤魔化すな!」

「まったく、朝はコンビニで過ごそうとしている怠け者なタコには……」

「悪いの!? いつも毎朝弁当とごはんを作ってるのに!」

「はいはい、なにを作ればいいの?」

 やっとその気になったか。

「えっと……冷やし中華」

「そういえば、今日は暑くなるんだよね……」

「そうそう、だからだよ」

「ねぇ」

 と藤原が真剣な顔から―――

「錦糸卵ってどうやって作るの?」

 ―――子供がなにかをねだるようにニコォと笑って言った。

 冷やし中華、危うし。


 その後、コンビニで朝ごはんを買うついでに冷やし中華の材料を買ってきた。

「まったく……コンビニの冷やし中華を買う準備をするなよ……」

「いいじゃない。で、どうするの?」

「まずは朝ごはんを食ってから考えような……」

 俺は姉貴を起こしに姉貴の部屋に向かう。

「姉貴ー……」

 とドアをノック。

 ……返答無し。

「姉貴~」

 反応無し。

「入るぞ~」

 入ってみると、姉貴がPCに向かってなにかをしていた。

 画面には、美少女が重なり合っている絵が―――

「ひひひひっひひ、瞳! なにかしらぁ~~?」

 と冷や汗をかきながら言う姉貴。

 ……また、エロゲか

「……朝ごはんだよ」

「あ、ああそう!」

 といってそそくさといってしまった後。俺は姉貴の部屋にあったある箱を見つけた。

『オンナノコ同士でっ えくすたしー』

 と、ファンシーな絵で書いてあった。内容、百合エロゲー。


 まぁ、そんなのにいちいち気を使ったりしていたら先はないのでスルーする。

「タコ、なにしてたの?」

 と藤原。

「いや、ちょっと荷物の整理を」

 といったらイスに座っていた姉貴がビクゥ! と体を震わせた。

「さ、さぁ! 早く食べましょう!」

 と姉貴、わかりやすいぞ。


 テレビを見ていると涼宮が予約しにいったFZ3SのCMが入っていた。

「シオ、予約できたのかなぁ……」

 と藤原。

「できたんじゃないか」

 と俺が適当に言ったら。

「詩織ちゃん、FZに乗るかえるの?」

 と姉貴。

「じゃないの、予約しに行ったし」

「じゃあ、楽しみだなぁー」

「なんでですか?」

「だって、新車に乗せて貰えるかのしれないのよ」

「まぁ、それは……」

 楽しみじゃないといったら、嘘になる。

「あ、そういえば詩織ちゃん、今のFCはどうするの?」

「売るんじゃないか?」

「でも、大した値段にはならないんじゃない?」

「だろうな。けどパーツくらいは買えるだろ」

「そういえば、兄さんが『程度がいいFCがないかな』とか言ってたよ」

 兄さんとは、俺が兄貴と呼んでいる姉貴と俺の実の兄、横谷直登のことだ。

「なにに使うんだか」

「多分、兄さんが編集者をやってる雑誌にでも使うんじゃない?」

「なるほど、どんな感じで引き取ってもらうか訊いてみるか」


 まだ涼宮がFCをどうするとも言ってないのに、自分でもお節介だと思いながら兄貴に電話する。


少し間が開いてしまいすみませんでした、ちょっと忙しかったので……


とりあえずFZ3S編は当分続くと思います。


あと、ブログで頭文字Sの人気キャラ投票をしていますのでよろしければ。

http://orotot.blog47.fc2.com/

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