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公道最速少女  作者: oroto
10/50

9話「アルファード」

テスト期間でしたので投稿できませんでした。待ってくれていた皆さんすみません……



 久々の全開走行に入る直登。

 それでも全開走行用セッティングのときとは違うので8割程度なのだが、普通から見れば本気で走っているとしか思えない。

 直登はバックミラーとサイドミラーを交互に見て後ろを確認する。

(くそ……デカイ車体しかわからん)

 と視線を前に戻す。

(しかし、デカそうな割にはやけに軽そうに動く車だな。1.2トン台か?)

 そして、街灯が多い区間に入る。そして―――――


「ミニバン!?」

 そうにしか見えなかった。

(少なくともミニバンかもっとデカイ……アルファードあたりか?)

 と推測を立てる。

(負けるわけにはいかない)

 さらにペースを上げる直登。


 最低限のアクセルで加速していくGT-R。


 直登がNSXのに乗っていたとき身に付けたアクセルワークの延長線である。

(にしても、みればみるほどアルファードに見えるな……)

 相手の車両がわかってからみると、ライトの形などはアルファードそのものである。


 右ヘアピンの侵入。

 最大限のブレーキングで引き離そうとする。

 ―――だが。

(ッ!? 突っ込みで追い付かれた)

 久しぶりに驚愕する直登。


 だが、立ち上がりで離れる。

(トラクション? パワーか? それとも車重か)

 と相手の車を解析していく直登。


 間もなく峠も終わる。

(さて、どんな奴が乗っているのかな)

 と愛車を減速させながら。

(まぁ、俺に絡んでくるのでこんなことをするのはアイツしかないか―――それとも、新参戦か?)

 とりあえず、降りてみなければ始まらない。


 直登がGT-Rを降りるとアルファードのドライバーも降りてきた。

「やっぱり、お前だったか―――」

 二人とも、ニヤリと笑う。

荒畑あらはた 勝二しょうじ

「久しぶりだな。横谷直登」

「なんの用だ。そんなバカでかい車に乗りやがって―――」

 直登は一瞬溜めながら思い返す。

 荒畑と直登は2,3年前に首都高などでライバルだった二人だ。

 荒畑は80スープラ。直登はNSX。

 湾岸では荒畑が勝ち、C1では直登。横羽では同等。

 そして回想をしながら。

「―――結婚して降りたんじゃないか?」

 と直登はこのリア充め、と思いながら荒畑を見る。

「フッ」

 荒畑は親が医者で日本で有名な財閥の一つで、実家の財力を頼って車をチューン。湾岸仕様に80スープラを仕上げたら1000馬力にも届いたと言われている。

「……離婚したんだよ」

「何故?」

「……スープラを売るか売らないかで、な」

 と泣いているように見える荒畑。

「で、愛想尽かされたと? 車好きが理解を得られないままやった典型的なオチだな」

「それを言うなぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「キレた! 現代の若者怖ぇ!」

「人をイジってそれかっ!」

「いや、俺は冷静に―――」

「俺だってな、アルファード買ってなだめようとしたんだよっ! でも『あなたの車好きに付いていけない』って!」

「そうか」

「三文字で片付けるなぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!」

「落ち着け、まさか俺に八つ当たりするために煽ったのか?」

 と、荒畑は一気に冷静さを取り戻して。

「違う。お前は相手ではない」

「じゃあ誰だ?」

「お前の妹だ」

 やはりな、と思う直登。

「だが、あのスープラで勝てるのか……」

 お世辞にも軽い車とは言えなかった。どちらかと言うとパワーをものに言わせていた。

「違う。このアルファードでだ」

「……正気か?」

「俺はいつでも正気だ」

 さっき、離婚のことに触れた時の叫びはなんだったんだ? と思う直登。

「このアルファードをナメるな。ボディはフルカーボン、ウィンドウもアクリル化。駆動方式をMR化――――」

「おいまて、軽くGT300クラスのマシンでも買えそうだな」

 ぶっちゃけ、スポーツカーを買って同じ値段をかければレーシングカーが出来てもおかしくなさそうな勢いだった。

「だからどうした」

(これが、貧富の差か……)

「そして、エンジンもターボ化で600馬力前後。車重は1200kgだ。これでも勝てないというのか?」

「あぁ、あいつはそんな性能差すら覆してしまう通り名の通り、『高性能車殺しハイスペックキラー』なんだ」

「そんなこともあろうかと。ちゃんと調べたさ」

「なんだと……」

 ストーカーかと本気で思った直登。

「名前は……横谷沙織? バランス悪……」

「それはダチの名前だっ!」

 藤原の名前を間違える。

「あぁ、横谷詩織か?」

「それもダチだ!」

「横谷香織だっけ?」

「それは一個上の妹だぁぁあああああああああ!」

「まさか、瞳という名前か?」

「それだし!」

「お前の妹ということは……ブスなんだろうな……」

「テメェには言われたくねぇぇぇええええええええええ!!」


 そんな箱根での変な小競り合いを知らない美少女、横谷瞳は―――――


                            *


 俺、横谷瞳はベランダに干してある黒くて長細い布を居候の藤原と眺めていた。

「最近の雨でタコのニーソのストックが底を尽きてきたね……」

「あぁ、脚の露出を減らしたい俺には辛いものだ……」

「というか、2本くらい穴が空いてるよ」

「あれは俺が性転換したときから履いてたやつだからな。工藤には3万ほどで売れる。売る気はないが……」

 あんなのを売ったら毎日背筋が凍りそうだ。

「で、それが最後の――」

「最後のだ。明日でストックは無くなり。穴が空いてるのは捨てるか」

「それによって、かなりの数がなくなるね……」

「あぁ、俺の絶対領域が……」

「いや、いい加減見飽きたと思うよっ!」

 と藤原にツッコマれる。

「だといってもねぇ……夏以外は履かないと決めていたのだが……」

「もう十分暑いでしょ……」

 確かに、梅雨も抜ければ夏だ。

「タコの生脚……綺麗なのにぃ」

「そんなことを言っても……なんかねぇ……」

「脚だけ取り換えてほしい……」

「そんな便利なものじゃないから」

「タコはね。無駄に車の運転で脚を使ってるから引き締まって綺麗なの! それを見せないなんてクラスの女子が見たがるのっ!」

「むしろ男子かと……」

「大体、見てる方も暑苦しくなるの!」

「理不尽だ」

「今思ったんだけど……干してある靴下を見ながらあたし達はなにやってんだろ……」

「知らん」

「ということでタコはニーソ禁止」

「おい、意味不明急展開すぎるぞ―――って、最後のをどこに持ってぅぅぅぅぅうううううううう!?」

 最後のニーソ、行方不明。

 ちなみに、干してあったのは姉貴に没収されました。


 ということで、ハイソックスで登校。涼しいぃー。


 特に問題も無く過ぎると思っていたら……


 最後の最後で体育。


 で、終わった後の女子更衣室での着替え。

「タコ、無駄に体力にあるねぇ」

 と藤原に抱き付けれる。暑いぞ。

「藤原、暑いんだけど……」

「うりゃー」

「スカートを上げるなぁぁあああああああああああああ!」

 ただいま、男性には見せられないとんでもない格好に。


 俺のほうを見た横川が。

「ッ!? タコ、遂にストライ○ウィッチーズに出るの?」

「出ない! それに『遂に』ってなんだよ!?」

「え? そのキャラならいろんなアニメに出てそうじゃん。主に『電○文庫』系の」

「出てたまるかぁぁああああああああああああああああああ!!」

 もちろん、出てません。

「タコ、口調がっ!」

 危ねぇ……もうちょいで男口調になるとこだった。

 って。

「お前らのせいだろぉぉおおおおおおおおおお!!」

「落ち着いてぇぇええええ!!」

「ぜぇ……はぁ……体育の後で……はぁ……疲れてるのに……」

 体力の無駄遣いにもほどがある。


『横谷の悲鳴。これは助けにいかねば!』

 と外から本気で突っ込もうとする工藤の声。

 まぁ、周りの奴が止めるだろ。

『工藤待て! 落ち着くんだ――――』

 そうそう、常識人で助かる。

『――――まずは踏みとどまれ! このまま一人で飛び込んだら生きては帰れぬぞ』

 だいたいあってる。

『大人数でいけば安全だ』

「へ?」

 と藤原。

『突撃前の作戦会議だ! やる奴は集まれ!』

 えぇぇええええええええええええ!?

『工藤隊長、教師はいません』

『了解だ。ふふっ』

 ここは……『アレ』を使うか……

「うりゃぁっ!」

 ドンドンドンッ! ズドドドドドドッ!

『『『『ぎゃぁぁぁああああああああああああああああああ!!』』』』

 変態どもが倒れる音がするぞ。

「うん、今のうちに脱出」

 と俺が指示を出した直後。

『横谷……俺がその程度で……やられると思ったかっっっ!!』

 と工藤。おかしいなぁ、さっきの喰らえばただでは済まないのに……ゴキブリか?

「タコ……ゴキブリがいるよ……」

 と涼宮。これは確実に仕留めないとな。


 ということで、

「そりゃぁぁああああああああああああ!!」

 女子っぽい(?)叫び声で特攻する。

 まずはドアの前に立っていた工藤の顔をキャッチ、そして握力全開。

「こ、この程度で!」

 と工藤は言うが、メリメリ食いこんでいく。

「ぬごごごごご! ほほはにっ!(横谷!)ふふひへふ!(許してくれ!)」

「なんていってるのかなぁ?」

 メキメキメキメキ、ズズズズズズ。

「ぬがぁああああああ!!(ガクッ)」

「あれ、抵抗しなくなった」

「ゴキブリでもタコの握力に耐えきれなかったか」

 と横川。

 工藤は倒れていた男子に投げつけておいた。


 また、親友をボコしてしまったか……


 ちなみに工藤は部活が終わるまで抜け殻でした。


 俺と藤原が家に帰ると。

「ありゃ、兄貴のGT-R」

「直登さんきてるの?」

「みたいだな」

 とりあえず合いカギを渡したから家のなかにいるのかな?


 そして中には―――

「何故俺の顔=瞳がブスなんだ……おのれ荒畑め……荒畑コロス……」

 などとぶつぶつ言っている兄貴が居た。

「兄貴……?」

「瞳、勝手に上がってすまないな」

「別にいいよ、カギも渡してあったし」

「ところで瞳……」

 なんだか言いずらそうだ。

「…………さっき、靴下が落ちてきたから戻そうとしたけど、なんかたくさんぶら下がってて近づきづらかったからあそこにおいてあるぞ」

 と椅子の上を指差す。そこに俺が干していたニーソが……

 それで話づらそうなのか?

「それで瞳……」

「ん?」

「クソッ、こんな可愛いやつをあの変態とバトルさせるなんて色々腐る!」

「どうしたの?」

「瞳、お前に挑戦状だ」

 そんなことすか……

「誰から?」

「俺の昔の走りの仲間の荒畑勝二と言うやつだ」

「車はなんなんですか?」

 それが一番気になるな。

「アルファードだ……」

 ………………

「「アルファード!?」」

「そうだ」

「ちょっと待ってください! どう考えても相手になんないですよ!」

 と藤原。アルファードだと俺が弱い者いじめになるぞ?

「ところが、あいつは財閥の息子だから、レーシングカーをつくる勢いでチューンしてある。全身カーボン、MR化、ターボ化――――」

「待ってください、MRになんてできるんですか!?」

 と藤原。兄貴は疲れているようなので俺が解説をする。

「案外と、FF車のエンジンと駆動系パーツ、エンジン、ミッション、デフなどを後ろに持っていけばMRになるんだ。そもそも、MRの元祖だってそれと同じような感じなんだから」

 実はNSXもそうだったりする。元々はレジェンドかなにかから小型なMRを作ろうとしてMR2に先を越されてあんなになったからな。

 そうでなきゃスポーツカーで横置きエンジンはない。

「それって、色々とおかしくありませんか?」

 という藤原に兄貴は。

「ああ、だがあいつはバカだからな。そんくらいはやるだろうな」

 そんなバカなのか……

「ともかく、明後日くらいにはこっちにくる。瞳、勝てるよな?」

「もちろん、榛名山では俺に勝てるのは兄貴くらいだよ」

「わかった。了解したと相手に連絡しよう」


 こうして、新たなライバルとのバトルが決定した――――

 



別に脚フェチとかじゃないですよ。なんとなくです。

ちなみに瞳はシャナの見た目が高校生verだと思っていただければ。

そのうちブログにも書いてみようかなと思っています。

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