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熱暴走気味?

作者: 透瞳佑月

感傷を疼かせるその透き通った街並みと空は、あなたを苛んだ爆弾低気圧が産み出した情景でした。


透明に手を伸ばそうと外に出れば地球の殺意を感じる暑さ。

汗が乾かない加害妄想気味悪臭のする季節。 


もう透明なんてどうでもよくて、あなたは死にたくて死にたくてしかたなくなる。


22度の冷房。35度の外。


22度の冷房。40度の外。


22度の冷房。35度の外。


そのリズムは躁鬱のリズム。

夕立を引き金に狂気があなたを襲いにくる。


心は子供の頃に餓死していて、意思で蠢く僕は道徳への冒涜とニューロンへの強姦で痙攣するように生活のフリを続けている。


それは冷却機能を持たない脳が熱暴走を起こす季節。

狂った人達が透明に手を伸ばし欠落に感を傷つけられる哀しい季節。


才能ないから家に帰って忘れよう。アニメ見て、ツイッターで馬鹿吐いて、睡眠薬飲んで寝よう。


透明なだけの夏はなかった。

透明なだけの夏は死んでいる。

僕らの夏は。

僕らの向日葵は、麦わら帽子は、トトロは、海は、神社は、不思議な女の子は、卒業式に死んだから。


だから、もう無駄な夜のおさんぽはやめにしな。

路地裏には誰もいないから。僕らの中にしかいないから。


熱病の季節。

アスファルトの陽炎が躁鬱のリズムを刻む季節。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩的でいいですね! 暑くなってきたこの頃の絶望感があります。
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