第八話 というわけで、アイスとプリンの会開催 2
「いやー。大変だったっすねぇ!!!!」
上機嫌のミヤが、満面の笑みで鼻歌を歌っている。キンキンに冷え切った鍋を、手袋をはめた手で持ち上げ、鼻と頬を真っ赤にして笑っている姿は、微笑ましいを通り越して、うらやましい。こんな風に無邪気に何かを心から楽しめることが。
そう。この、氷点下の、しかも降りしきる雪の中であっても。
さっっっっっっっむ!!
「いやもう、大変だったって言うけど、一番は寒かった、だろ」
店と外の往復プラス雪遊びで、完全に体温調整能力がおかしくなった体で、とんでもなくドデカい雪だるまに圧倒されつつ、つっこむ。この雪だるまは、はしゃいでいるミヤとカシメルを喜ばせようと、バリスとマミルが作り上げた。なんつうの。バリスの狼男の力と、マミルの大きくなる魔力を合わせると、こんなにバカデカい雪だるまができるんだな……。これ、怒られないかな。
城壁の高さよりは低いけれど、一般人が作ったにしてはスケールのデカすぎる雪だるまを、抱えた鍋ごと見上げる。今は、鍋を回収しに来ただけなので、俺たち二人きりだ。
アイスを作るには、数時間かかった。バニラアイスは固まり始めてからはちょくちょくかき混ぜ、シャーベットは様子を見て、時々かき混ぜる。
最初は液体状だったのでかき混ぜるのも簡単だったけれど、固まってくると段々重くなっていく。鍋にたっぷり作ってあったので、最後の方は二人一組でかき混ぜた。
あまりにも時間がかかるものだから、途中で店に戻り、薪ストーブで温まってからかき混ぜに戻る、そしてまた雪遊びをする、と繰り返して数時間。戻るたびに雪だるま状態になっているミヤに、アスカさんが呆れ顔でたくさん手拭いを用意してくれた。
「寒いっすけど、動いてるとあったかいっすもん。それより、ちゃんとできて、よかったっす!」
城門へ歩きつつ、ミヤが歌うように言った。巨大雪だるまは放置していくらしい。まあ、城壁の外側だし、悪さするようなモンでもないしな。
ミヤの言う通り、アイスは時間もかかったし大変だったけど、ちゃんとできた。やっぱり、こまめにかき混ぜるのがポイントなんだろうな。それから、この氷点下の気温。と塩。
「この世界の乳製品美味いから、このアイスも美味いんだろうな」
「うっす!!絶対美味しいっす!!」
嬉しそうなミヤを眺めつつ、ふと一昨年のバンガローでの出来事を思い出す。雪だるまでなんか引っかかるなーって思ってたら、アレだ。俺を助けてくれた雪だるま。あれ、なんで動いたんだろうな。
「そういえばさ、遊技場での雪だるまって、なんで動いたんだろうな?」
理由が分かってなかった。今日作った巨大雪だるまが動いたら、完全に特撮の世界だ。
「あ、アレって、リウの力だったみたいっすよ」
「え?!」
「町歩きの時、青龍さんが言ってたっす。リウは、バンガローをこっそり出ていくイールに気付いてたらしいっすよ。ただ、自分ではどうにもできないから、代わりに雪だるまをボディガードとしてつけたみたいっす」
「そうだったのか」
リウ、そんなことできたんだなぁ。知らなかったけど、眷属としての力は、当時も多少は使えたんだな。
普段、メンテナンスの時も寡黙な眷属を思い出す。眷属とは、四神がきちんと復活する前の方が交流があった気がする。
「眷属って、お土産一緒に食べてんのかな」
「うっす。一緒に食べてるどころか、一緒に話し聞いて、盛り上がってるらしいっすよ」
そっか。メンテナンスって、眷属にしてみれば仕事だもんな。寡黙にもなるよな、考えてみると。普段は、もっと自然に過ごしてるんだな。
「それはいいな。眷属も、それぞれの土地にいたんだもんな」
「そうっすよね」
神には神の決まり事があるだろう。けれど、せめて、思い出話くらいは、したっていいよな。みんなで。
「着いたっす!!みんなで食べるっす!!」
カランコロン。
ご機嫌のミヤが扉を開けると、明らかに俺たちが出る前よりも薪ストーブの火が強くなっている。
「なんですか?!どうしてこんなに部屋が暖かいんですか?」
ちょっと薪、焚きすぎじゃない?!
「なんでって、冬にコタツに入って食べるアイスって、最高じゃない?この世界にコタツないから」
アスカさんが鍋を受け取りつつ言う。コタツないけど、火鉢みたいのはあるでしょ!!ミニストーブみたいな役割する。いやでも、そんなんよりも、やっぱり薪ストーブガンガンに焚いた方が暖まるのか。やり過ぎると危険だけど。
「最高のシチュエーションっすね!!アスカさん、ありがとうございますっす!」
「でっしょ。アイス、上手にできたわねぇ。とりあえず食べる分を取り分けるから、残った分は溶けないように表の雪に鍋、突っ込んできなさいな」
「うっす!!」
「俺が突っ込んでくるよ。ミヤはアイスの準備しなよ」
防寒具を脱いだり着たりする手間もあるし、ここはどう考えても、ミヤがアイスの準備側にいた方がいい。
「お願いしまっす!」
「うん」
二人がアイスを取り分けるのを待ってる間、奥に視線をやると、なんだかものすごく盛り上がっている。近づいてみると、クズセバマケヨをやっていた。
「うう……ここ、抜きたいのよね」
「そこ、危なくない?」
「うん。狙うとこ間違えてる」
「いいの、ここ、いけるとおもっ……ああああああ!」
木のタワーが無残に崩れ、ティルが声を上げる。周りでみんなが笑う。
「だから言ったのに」
「いいのっ!!」
「ティル、結構、無謀なとこに挑戦するよね」
「だって、いけると思うんだもの。いけそうじゃない?!今のとこ」
「いや無理」
「ええー!!」
みんなでワイワイと盛り上がっている姿を見ていると、なんだか不思議な気持ちになる。社会人になってから、こういう遊びってしたことなかったなぁ。みんなで集まって雪遊びとか、ゲームとか。アイスを作るのだって、ある意味、遊びみたいなもんだよなぁ。実験っぽくもあるけど。
あれ。クズセバマケヨで盛り上がっている更に奥で、バリスとマミルが話し込んでる。いつもなら一緒にはしゃいでいそうなのに、どうしたんだろう?
もう一度やろうと、負けたティルが木のタワーを組み直している横を通り過ぎて、声をかける。
「二人とも、一緒にやらないのか?」
「ああ、カツミさん。おかえりなさい」
「ただいま……マミル。それ、誰が着せたの?」
近寄ってよくよく見てみると、マミルはなぜかショッキングピンクのエプロンをしていた。
「アスカさんです!!」
満面の笑みで言うな。
アスカさん……例の生地屋か?カンナか?!いや、そんなことは今はどうでもいいか。どっちにせよ、出どころはそこだ。聞かなくても分かる。
知らず眉間に皺が寄ったらしい。マミルがちょっとしょんぼり気味でエプロンをつまんだ。
「似合わないですか?」
そういう問題じゃない。そこじゃない。
「いや、似合う、似合うよ。……ところで、どうしたの?二人とも。隅っこで」
「あ、ええ。ちょっと気になることがありまして」
「気になること?」
「はい。実はですね。今度の集会の時に、村でも確認して来ようと思っていたんですが、狼男の満月時のパワーが、以前よりも強くなっている気がしまして」
「そうなのか?」
「はい。そんな話をしましたら、マミルさんも同じようなことを感じていたということで」
「マミル、魔力強くなったのか?」
「強くなった、というほど明確じゃないんですけど。前よりは強くなってる気がするんです」
そんなことがあるのか。いや、あるというよりも、世界が修正された影響なのかも。
「それって、良くないことなのか?」
「初めてのことなので、判断はつかないです。しかも、そこまで明確に強力になった、というわけではないですし」
マミルも隣で頷いている。
「ただ、口に出すほどでもないかな、と思う程度のことだったのですが、マミルさんも感じているということだったので。種族は違いますが、個人的なものではなさそうなので、調べてみようかと」
「俺も、家族や友達に聞いてみます」
「また、この件でお話しましょう、マミルさん」
「はい」
「カツミさーん、お願いしますっす!」
二人が頷き合ったとき、カマド部屋から呼ばれた。アイスを受け取って外へ出て、蓋をした鍋を雪に埋め込む。扉の横の雪山に埋めたので、通行人の邪魔になることもないだろう。
防寒具の雪を丁寧に払いのけ、急いで店に入る。
「お待たせしましたっす!!」
ちょうど、ミヤがアスカさんと共にカマド部屋から出て来たところだった。二人とも、大きなお盆を抱えている。
わぁ、と華やかな歓声が女性陣から上がり、ゲームをしていたテーブルから、予めセッティングしておいたテーブルへ集まってくる。
「カツミ。保冷庫に色々入ってるから、持って来て」
「はい」
保冷庫を開けると、生クリームと何種類かのジャムが、それぞれ器に入れて準備されていた。カウンターの内側には、チョコレートソースやハチミツも置いてある。
準備されていたそれを、スプーンと一緒にテーブルへ運ぶ。
プリンは蒸した容器ごと、アイスは皿に二種類、盛り合わせてある。
「早く早く。溶けちゃうわっ」
「いただきますっす!!トッピングは、好きなものを乗せてくださいっす!」
「そのまま食べてもいいし、プリンは生クリームをのせてもいいわ。バニラアイスは、チョコもハチミツも、果物のジャムも合うわね。ヨーグルトシャーベットは、そのままか、ジャムを乗せてもいいかも」
アスカさんの説明を聞きつつ、みんながまずはトッピングなしで、それぞれの品にスプーンを入れる。
一口食べて、笑顔が広がる。視線を合わせ、頷きながらみんなが次の一口を食べる。
「ど、どうっすかね?」
「美味しいわ……!」
珍しくエンが真っ先に答えた。片手で頬を押さえて、感動しているようだ。
エンの感想を皮切りに、次々に感想が上がる。それは手放しの称賛だった。そして、みんな、思い思いにトッピングをしていく。
「バニラアイス、なめらかに出来たわねぇ。よくできてるわ。シャーベットも、イイ感じだし」
「うっす。プリンも、完璧な蒸し加減っすね!!」
「フフフ。まぁね!」
軽く顎を上げて、アスカさんが嬉しそうにスプーンを運ぶ。
「暑い季節だと、いろんなフルーツが手に入るから、フルーツと生クリームたっぷりで、プリンアラモードなんて豪勢でいいわよねぇ」
そういえば、今回はケバブ屋のメニュー候補の試作も兼ねているんだった。並んで座っているケバブ屋の三人に視線を移すと、ジンが据わった目で何かを呟いているし、ティルも真剣な顔で何かを考えつつ食べている。カシメルだけは、のんびりとした表情でプリンとアイスを堪能していた。
「カシメル、どう?」
「うん。初めて食べたけど、とても美味しい。真冬に薪ストーブをこんなに焚いて、冷たい物を食べるなんて、すごく贅沢だな」
贅沢。考えたことなかったけど、そうかもしれない。
「コウジさんが来られなかったのが残念っすねぇ」
「仕方ないさ。雪が降っちゃうとな。コウジのとこからは遠いから」
「うっす」
「俺は約束通り、食べられたなぁ。確かに美味い。ただ俺、これ、再現できるかな。アイツ、大喜びしそうだから、作ってやりたいけどな」
「レシピ、教えてあげるわよ。ポイントも。一回で上手くいかなくても、何回か作ってるうちに、できるようになってくるわ」
「そうだな。うん。やってみよう」
ロムはチャナのこと、すごく大事にしてるよなぁ。多くは語らないけど、端々でそう感じる。作り方を覚えてきて、って頼まれたって言ってたけど、この様子だと、作ってあげるんだろうな。
「ロム、チャナと仲いいよな」
「俺、あんまり家にいられないからな。家にいるときくらいはな」
あ、そうか。職業柄、ロムは家にいることはほとんどないもんな。逆に言うと、ジンとカシメルはいつも一緒なんだな。仕事も住処も一緒だしな。夫婦や家族ったって、いろんな形があるんだよなぁ。
……ん?
「今日のこれって、全部、原材料乳製品ですよね」
テーブルを改めて見て、気付く。もっと別のお菓子も作ればよかっただろうか。いや、俺は作れないけど。
「言われてみると、そうよね」
「おもしろいな。材料は一緒なのに、形も味も違うのって」
「だよねぇ」
「アイスもプリンも、すごく美味しいです。俺も、また食べたいけど、そんなに気軽に作れないですもんね」
マミルが目を輝かせて言いつつ、しょんぼりしていく。本人よりも、ショッキングピンクが目に痛くて、そっちに視線がもっていかれる。
「アイスやシャーベットのコツは混ぜ方くらいだけど、塩もいるし、何より、氷か雪が絶対に必要よね」
「なら、アレっすよ!!年に一回、みんなで集まって、アイス大会するのはどうっすか?」
おお、とその場がざわつく。もちろん、いい意味で。
「あ、ジンさんたちが商品にしないのなら、っすけど」
話しをふられ、ジンが考えつつ頷く。
「うん。アイスもシャーベットも美味しいけど、商品として一定の量を、夏にケバブを作りながら作るのは、現実的じゃない気がする。ティル、どうだい?」
「私もそう思う。夏は雪がないから、ウチで作るとなると、その分の氷が絶対に必要になるし、そもそも気温が高いから、こんな風に固まるかどうか」
クーラーもハンドミキサーもないしな。
「とてもとても美味しいけど、商品としてはウチでは厳しい。ごめんね。ミヤ君」
「いいんっす!こうして、みんなで食べられただけでも、俺、メッチャ嬉しいっすよ!」
アハハと、ほんとうに心底嬉しそうにミヤが笑う。イチカもいたらよかったな。
「なら、みんなで年一回のお楽しみってことにしましょうよ。私も、また食べたい。来年は、トッピングも、考えてみるわ」
鈴の音を転がすような声を弾ませて、エンが張り切って言う。彼女がこんな風に言うのって、珍しいな。大体は、ツッコミ役だからな。毒舌の。アイス、よっぽど気に入ったのかな。
「うっす!!賛成の人!!」
そこでみんなが手を上げた。
「思うのですが、カツミさんたちがいた世界は、食文化が豊かですね。同じような調味料や材料で、いろんな料理を作るといいますか」
「日本人って、こねくり回すの好きなのよね。いい意味での魔改造っていうか」
アスカさんが頷きつつ言ったセリフに吹きだす。
「言えてますね!」
「でしょ」
いい意味での魔改造。うん。食べ物に限らず、日本人って、改造とか改良とか、好きだよな。よりよく、どうやったらいいかなって考えて、作るのが好きなんだよな。
「話しは逸れたけど、プリンはちょっと難しいかもね。蒸し加減が。失敗すると、鬆が入っちゃうのよね」
「す?酢ですか?すっぱくなるんですか?」
「ううん。なんていうのかしら。ブツブツみたいな。これ、スプーンですくうと、滑らかな断面でしょ?ここがブツブツになっちゃうの」
食べているうちににじみ出て来たカラメルソースごとプリンをすくう。うん。すごく滑らかだ。カラメルもほろ苦くて、すごくいい。
「俺が一人で作るのは、難しいですよね?」
同じようにプリンをスプーンですくったマミルがその断面を見つつ、質問する。
「そんなことないわよ。今日だって、手伝ってくれたじゃない。それに、何度も作るうちに火加減が分かってくるし、できると思うわよ。鬆が入っちゃっても、舌触りが変わるだけで、食べるのに支障はないし」
「あの、プリンは商品化してもいい?ウチで」
アスカさんとマミルの会話に、ジンが優しい口調で入る。
「あら、もちろんよ!」
「アスカさんの言うように、暑い季節になればフルーツもたくさん出回るし、生クリームは常に手に入るし。いいなと思ってね」
俺、実は、黙ってたけどクレープどうかな、って考えてた。でも、ケバブが主力なんだから、鉄板、肉の匂いついてるよな、と思って言わずにいたんだよな。それに、クレープ焼きつつケバブ焼くってなると、ケバブの邪魔になっちゃうし。うん。黙ってて正解だったな。
プリンだと、調理器具もケバブとバッティングしないし、デザートにもいい。そのままでも美味しいし、上にトッピングをするなら、豪華にもなる。なによりも、開店前に仕込んでおける。忙しい時間帯でも、注文に対応できるもんな。
「あ、じゃあ俺、食べに行きます!!やったぁ!!」
マミルが嬉しそうに真っ先に言う。
「よかったな、マミル」
「はい!!楽しみが増えて、嬉しいです」
「私も一族へのお土産にしたいですね」
「私も、家族や友達に宣伝するわ。きっと人気が出るわよ」
「どういう形で売り出すかはもうちょっと考えるけど、みんな、よろしく」
和やかな空気の中で、みんなが頷き合う。ああー。もうほんと、平和だ。いいなぁ。こういうの。
「あの、ジン君、肉まんっていつから売り出すんですか?」
前のめりになったマミルがジンの方へ傾く。そういえばマミル、試作品もらってたな。
「来月から売り出そうと思ってるんだ。こちらも、よろしく」
わぁっと大きな拍手でその場が盛り上がった。ジンのところのプリンも肉まんも、期間限定になるだろうし、この町の季節の風物詩になるといいなぁ。
「肉まんは、俺じゃなくてカシメルとティルが主力でやる予定なんだ。カシメルが、皮を作るのが上手でね。外注じゃなくて、自作でやってみようかと思ってるんだ」
おおっと声が上がる。照れたようにカシメルがはにかんで下を向いた。よかったなぁ、カシメル。いろんなことができるのに、掃除以外の家事が苦手なの、ずっと気にしてたもんな。何か一つでも自信が持てたら、すごく嬉しいよな。しかも、店のことだし。嬉しさ倍増だな。
ティルもニコニコと嬉しそうに笑っている。仲いいな。一応、義理の姉妹ってことになるんだろうけど。
そう思いつつテーブルの上の食べ終わった皿に視線を移すと、カランコロン、と扉の音がした。
振り向くと、鍋を抱えたミヤが立っている。
「残りのアイスも、みんなで食べちゃいましょうっす!!」
「ならアタシ、コーヒー淹れてくるわっ」
アスカさんがそう言って立ち上がり、素早くカマド部屋へ消えた。
大人が集まって、こんなことに真面目に取り組んで楽しいって、なんかもう、ほんと。あの頃は、想像もしなかった。ただただ、ボロボロになりながら働いていた時には。
こんな日がずっと続いたらいい。穏やかで幸せな毎日が。自然と笑みを作る口元に気付き、心の底から思った。
そして次の日、はしゃぎ過ぎたミヤは、珍しく高熱を出して寝込んだのだった。




