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72 私達は人形じゃない。

ハッピーハロウィン!(^○^)

※本編とは全く関係ありません

「情報爆破っ!!」

「炎爆っ!!」


運悪く、似たような魔法だ。

私は刀という情報を、飛華は炎を爆発させて。

……最低でも相殺ぐらいの魔法がベストだったんだけどなぁ。

これだと威力が2倍、爆発に巻き込まれたら大事故。

風華がつら〜い思いを……って今はそれどころじゃないっ!


「奇襲っ! 情報増加、情報操作!」

「了解っ!みんな、行くよっ!」


魔法により、爆発した時に発生した煙が、増えて、飛華の方へ流れていく。

薄暗い煙は、美華とは違って無害だ。ただ、飛華の視界はかなり悪いはず。


「切り裂きっ!」


だけど、一瞬にして煙は跡形もなく消されてしまう。


「失敗!戻って!」

「分かった!」


次。次は、何が来るの?

飛華はこれだけじゃ終わらない。

絶対、絶対何かを仕掛けてくるはずだ。


「……ぇ?」


シュ、と何かが軽く、しかし深く、右の頬をかすった。

バン、と何かが背後で爆発する。


冷たくて、暖かい何かが、頬を伝う。

そして、数瞬遅れて、ジンジンとした痛みが襲ってきた。

あつくて、いたい。


「……じょうほう、そこう」


痛くて、熱いのに、どこか、冷たかった。

私の頬を掠った攻撃が、背後で爆発した何かが、巻き戻される。

まるで、映像を逆再生していくようだ。

そして、飛華にあたる。

私と同じ頬に。

飛華の背後で、炎が爆発した。


だけど、私の頬の傷は、戻らない。流石に傷は、元には戻せなかった。

……次。次を、撃たないと。

魔法を、放とうとする。
















「……終了っ! そこまでっ!!」


審判の声が響き、私はあげていた腕を下ろした。

……終わった。終わったんだ。

飛華には勝てなかったけど、負けはしなかった。


「……ヴォルペ、ありがとね」


私はそういい、もふもふタイプのヴォルペをひと撫でする。


「……魔法、解除」


私は展開していた召喚魔法を解除し、ネラさん達を帰した。

……後でお礼しておこう。そして協力的になってもらおう。うん、そうしよう。


あとは溜め込んでいた魔法も全部解除された。ずっと溜め込んだままだと危険だしね。

何かの拍子で発動しまう場合もあるし、時間が経つと扱いにくくなるし。


「制限時間内に勝負がつかなかったため、引き分けとする」


審判の先生が、そう宣言した。

そのことによって、勝負の終わりが、明確になる。


「ありがとうございました」


審判の先生と飛華に向かって、お礼を言う。

ほんとーにありがとうございました。感謝してます。

怪我はお互い、最後に頬を掠めた攻撃だけ。


「飛華、稜華、その怪我、どうする?」


風華がコートに入ってきて言う。


「私は止血だけでいいわよ」

「分かった。稜華は?」

「……私も、飛華と同じで」


余裕があるときは魔法より自然治癒の方がいいからね。

風華に止血処置だけしてもらった頃には、観客席からは不満を表すブーイングが広がっていた。

一体、何が不満なのだろうか。

私が不正をしたって言うことが証明されていないから?

勝負がつかなかったから?

飛華が勝たなかったから?

飛華と私が互角だから?


だけど、今ここに見えているのが、現実だ。

飛華と私は互角で、勝負はつかなかった。

それが、残った結果だ。


「……この勝負は、ここにいる稜華の提案により、行われたものです」


飛華が、観客席に向かい、語り始めた。

騒めいていた会場は、飛華の声で徐々に静かになっていく。

飛華の声がある程度通るようになってから、飛華は再び口を開く。


「生徒会選任祭が終わってから、稜華に関する、根も葉もない噂が飛び交いました。……そのことを知ってしまった稜華は、傷ついた。この勝負を提案する数日前からの状態は、目に当てられないほど痛々しかった。絶対に寝てないだろうっていう、そんな疲れ切った顔をしていた。傷ついた顔をしていた」


……心配かけてすみません。


「1番簡単そうなことほど、難しい。魔法の基礎で躓く人なんて、数多にいます。簡単なことほど、守るのが、難しい」


いつの間にか、飛華の姿は試合前に大きな文字を映し出した装置によって、立体的に大きく映し出されていた。


「傷つけるのは簡単です。だけど、1度傷ついたものを元通りにするのには、とてつもない時間と労力がかかる。私達は魔法を使えるけど、すぐに元通りにできる魔法を使える人なんて、限られている」


飛華はそこで一拍置き、力強く言い切った。



「私は、紫月飛華は国立魔法学園王都校に通う1学生として、また生徒会長として、全校生徒のみなさんに、他人を侮辱する行為を、やめていただきたいと思っています」



静寂の後、パチ、と拍手がなる。そこから、小さな、まばらな拍手は、大きな拍手へとなっていく。

なお、この飛華のスピーチはヴォルペによって全校に配信されている。

ありとあらゆる教室、りょう、寮室、研究室。

画像を流すのが難しそうな場所は、音声だけでも。






「そんなの、極論だっ!」



その声とともに、飛華に向かって魔法が放たれた。

わ。放送事故放送事故。

配信中止。配信、中止〜!

その思いはヴォルペにも通じたらしく、配信は止まったみたいだ。

ヴォルペ、グッジョブ。


「情報分解」


私は飛華の前に立ち、放たれた魔法を分解する。

……そんなに強い魔法じゃないよね。だけど、ランクだけで見たらAランク魔法だ。

というか、公衆の面前でこんな魔法を使ったら、退学にならない?大丈夫なの?

私は配信を中止したけど、中止していなかったら全校、下手したら国中に広がっていたと思うよ?私の魔法が傍受されていた場合。


「そもそも、おかしいんだよ!姉妹揃って、バケモンみたいな魔法力持ちやがって!お前達さえいなければっ……!」

「情報分解」


放たれた魔法を、分解する。

発動は遅いし、鋭くもないし、強くもない。

ボロボロな魔法だ。

再び、魔法が放たれる。


「情報分解」


私は飛華の1歩前に立つと、そういった人に向かって言った。


「極論でも、なんでもいい。世の中は、予測できないことが当たり前に起こるのだから。私達がどんな魔法力を持っていようと、それは私達がそれだけの能力を持っていると言うことにすぎない。……例え、偽物だったとしても」


だけど。


「だけど、私は……飛華を、姉妹を貶めることを言うことは、看過できない」


私は、私達は、作りものだ。

ミアの【研究成果】で、十中八九、ミアに調整されてできたものだ。

属性、適正魔法、魔法力、魔力、魔力貯蓄量。


こんなにも均等に。

希少属性持ちがいて。

魔法力まで高いなんて、通常ではあり得ないのだから。


「私達は、心を持っているから。感情があるから。考えることができるから」


私達は人形じゃない。

何かの言いなりになる、都合のいい道具じゃない。

作りものだけど、人間で、人間じゃないから。

……ミアしかわからない仕組みで、私もよく分かっていないけど。


「私は、私達は、一方的に罵る者を、見過ごすことはできない」

「そんなのっ!」


そんなのが、なんだ。またしても、魔法……しかも、Sランク相当の魔法が放たれる。

だけど、雑で粗ばっかり。

魔法に集中できていないからだ。


「情報分解」


その一言で、魔法は霧散した。あっけないほど、すぐに。

魔法発動者が。へなへなと座り込む。

……そんなすぐへこたれるんだったら喧嘩なんか売らなきゃいいのになぁ。


「これ以上、危害を加えると言うならば、私は容赦しません」


紫月稜華の名において、ですよ。

さて、ヴォルペさん?

放送事故も終わりましたし、そろそろ配信を再開しません?

配信を再開したことを確認すると、私は観客に向かって、深く一礼をした。




「本日は、お集まりいただき、ご覧いただき、誠にありがとうございました」

波乱(?)だった第5章 ミアと人形編、終了です。

……実はこの第5章、今までで1番章タイトルに悩んだのです。

ミアと人形編の意味は分かっていただけたでしょうか?


次回からは


第6章 魔法学園合同文化祭編


となります。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

これからもどうぞ、よろしくお願いします。

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