表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/150

61 姉妹戦

「さて、それでは皆さんお待ちかねの姉妹対決!2年、紫月風華さんと、1年、紫月稜華さんの試合です!」


全然お待ちかねでも何でもないんですけど。


「それでは、始めっ!」


ねぇ、ちょっと待ってくれます!?急すぎなんですけど!

だけど、風華が待ってくれるわけもなく。


「逆回復!」


つまり、回復の逆でダメージを与えられてしまっているのだ。大変ですよ、ホント。バリバリ体力と魔力を削られて行っている。

ここはサクサク進む方がいい。じゃないと大変なことになりますね、はい。ぶっ倒れてしまいます。

早いところ、転移させていきましょう。


「情報対象、紫月風華。移動対象、紫月風華。移動座標位置、コート外。契約精霊、アルジェント・ヴォルペの名において、魔法発動。マージア・イニーツィオ!」


うぅ、ごっそりと魔力を持っていかれるぅ……。

だけど、問題なくコートの外にいた。


「勝者、1年、紫月稜華!」


はい、とにかく勝ちました。お昼食べて、次。


「1年、紫月陽華さんと1年、紫月稜華さんの試合です!それでは、始め!」

「防御~!」


本日2戦目は陽華が相手。早々に、陽華は盾を張ってくる。流石ですね。

ですが、しっかり対策法は考えてきたんですよ。私もあまり労力を掛けたくないし。


「情報操作」


全方位防御の陽華の盾に僅かな穴を開け、そこから盾の内部に干渉する。

空気よ、薄くなれ〜、と。やっていることは、美華の時と同じだ。

そして、ひと工夫加えて、空気が入れ替わらないように陽華の盾の外側に私が盾を張っている。

……だけど、ここまでは、準備段階。


「ヴォルペ、マージア・イニーツィオ」

「おっけー!出でよ、我がともっ!」


ヴォルペは姿を隠したまま、お友達とやらを召喚する。

すると、ボン、と謎の黒い生物が現れた。メチャクチャデカいわけでもないけど、なんとなく威圧感がある。身長?全長は2メートル弱ほどだ。

ヴォルペ……この生物が友達なの……?

ギャップがヤバいんですけど。


「えっとね、ネラ・エニグマ・アニマーレっていうんだよ。……アニ、協力してくれないかな?お願いっ!」


アニはきっと愛称かな?アニマーレからとって。

ヴォルペのウルウル瞳の上目遣い攻撃!私は陥落しました。いや、私は陥落しちゃダメだよ。

黒い生物はコクリと頷いた、ように見えた。多分、了解の意だと思う。


「えっとね、くわしい指示はいつかから聞いてね!」


打ち合わせしてないんかい!


「えへへ。時間がなくてきょうりょくをお願いするだけになっちゃった」


……可愛いから許そう。

だけど、今回だけ、今回だけ……!


「じゃあ、その……陽華、そこで盾を張っている人なんですけど、その人に攻撃していただけると……あ、ある程度のところで私が魔法を使うので、そうしたら攻撃はやめてください」


またしてもコクリ。

ご協力ありがとうございます。

そして陽華のほうに行くと盾をコツコツ叩いたりしている。一応、傷つけないように加減はしていただいているようです。ありがとうございます。

暫くすると、陽華の顔に必死さが浮かんできた。

……魔法維持だけで精一杯かな。

そろそろ頃合いだろう。


「情報対象、紫月陽華。移動対象、紫月陽華。移動座標位置、コート外。精霊、アルジェント・ヴォルペの名において、魔法発動」


ここまで詠唱を終えておけば、後はタイミングだ。

盾に、少しひびが入ったときに、言えばいい。

……陽華、すごいなぁ。

空気が薄くて、体力が奪われて、そのうえ魔法行使によって魔力も奪われているのに。

……そのうち半分近くは私のせいです。すみません。

陽華も人だ。人には、限界がある。どんな時でも。

その限界が、訪れた。

陽華の盾に、ひびが入る。

これで、外部からの干渉ができるようになる。私は外側を覆っていた盾を解除し、素早く詠唱する。


「マージア・イニーツィオ!」


陽華は、コートの外に、転移した。


「勝者、1年、紫月稜華!」

「ヴォルペ、ありがと。あと、ネラさんも」

「だって。アニ、帰ろう?」


三度コクリと頷き、2人(?)は、どこかへ帰っていった。

ホント、ヴォルペっていつもどこに帰っているんだろう?異空間、なのかなぁ。

そもそも、帰るという表現は正しいのか?という疑問がでてくる。

というか、それはともかく。


「転移」


コートの外にいた陽華のところに行く。ネラさん(陽華から見たら得体のしれない黒い生物)に攻撃されたら流石に怖いだろうし、フォローはするつもりだ。


「……陽華」

「稜華~、私、悔しい~」


本当に泣いているようです。

そして悔しかったんですね。




「なんで稜華はあんなかわいい子、知っているの~?」


……は?かわいい、子?

もしかして、ヴォルペのこと!?


「……可愛いって、どんな?」

「さっきの黒い子~」


あ、ヴォルペじゃなかった。

魔法がしっかりかかっていたことに安堵する。

それにしても、ネラさんが可愛いって……。


「私もあんな子と暮らしてみたい~」


……そうか。

そうですか。

陽華の新たに一面が見えた日でした。

はい、次。


「またしても姉妹対決!1年紫月稜華さんと夢華さんの試合です!それでは、始めっ!」


なんか、実況解説もテキトーになってない?審判が始まりの合図をしていないし。

まぁ、別にいいんですけど。


「情報対象、紫月夢華。移動対象、紫月夢華。情報拘束」


これで、夢華の動きは封じられた。

もう、動けないはずだ。攻撃される恐れもないだろう。


「移動座標位置、コート外。契約精霊、アルジェント・ヴォルペの名において、魔法発動。マージア・イニーツィオ!」


もう、めんどくさくなってきました。

なのでもう最初から転移魔法を使います。

これで私の勝ち……。




「……って、あれ?」


夢華が、転移していない。


「フフフっ!転移対抗魔法!どう?稜華ちゃん!」


なんと。夢華が対抗魔法を作り上げてしまったとは。まぁ、仕方がない。かなりの頻度、と言うかほとんど転移魔法で終わらせていたもんね。

夢華のセンスなら、魔法式の一つや二つ、組み立てることなど苦ではないだろう。

……失敗したね。油断が出てしまった。

真面目にやりますか。と言っても、夢華には弱点がないからやりにくいんだけど。

それにしても、どうやってコート外に出そうか。転移を塞がれちゃったから、他の手を考えないといけないんだけど、思いつかない……。

情報系魔法と、転移系魔法。

転移はもう無理だと考えていい。そうしたら、情報。情報系魔法で、コート外に出せる魔法……。


「水圧!」

「情報分解」


わ、凄い。

水がすんごい押し寄せてきた。


「突風!」

「情報分解」


続いては風。こちらもかなりの威力です。

それよりも、早く夢華をコート外に出す方法……。


「突進!」


あ、これはっ!




「情報強化!」


予選の人と一緒だ。

私がよければ、そのまま、自分からコートを出る。


「勝者、1年、紫月稜華!」


と言うわけで、勝ちました、はい。

これまでは全勝、かな?

本戦では6戦6勝。

うん、あと半分だ。頑張ろう。


「3日目、第6コート、第2試合~、4年、風瀬(まこと)さんと、1年、紫月稜華さんの試合です。始め~」


だんだん実況の人もネタ切れになってきたかな?疲れますよね。

お疲れの様です。それ以上につかれているのは生徒会メンバー(姉妹以外)だと思いますけど。

だって、皆はのんびり過ごしているのに、見世物とばかりに試合を続けているんだよ?

体力も精神も疲弊しますって。


「突風!」

「情報分解」


あ、夢華と同じ魔法だ。

だけど、若干、こっちの方が威力が高い。

夢華もかなり努力しているようです。

というか、夢華がこのままだと本当にスキなしの人になってしまう……。


「疾風!」


風属性、なのかな?

恐ろしい速さです。


「情報強化」


だけど、問題はなかったですね、はい。

夢華と同じ方法で。


「勝者、1年、紫月稜華!」


終了~。

本戦のみでも7戦7勝。

油断しまくっている人、それこそが稜華。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ