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49 攻略

「……マージア・イニーツィオ」






魔法、発動。


詠唱と共に、私は石碑の奥にある大きな扉に触れた。

すると、魔法陣が回転し始める。

くるくるくる。

より一層、強く発色しながら。


そして、一瞬、とても激しく光って。

ガコン、という音とともに、魔法陣は消えた。


「稜華が、魔法陣を利用した……?」


呆然としたような、放心したような飛華の声が響いた。

きっと、先ほどの音は、鍵が外れた音だろう。

そしてギイィという音と共に扉がひとりでに開いた。

……凄い。『ジドウドア』、だね。


「本当に稜華、魔法陣を使ったよ?」

「そうだね、風華。じゃあ、先に進もう」


双子はマイペースに扉へ近づく、


「え〜?行くの?行くの?行っちゃうの?」

「じゃあ、飛華、ここで待っている〜?」

「ヤダ」


あ、それは即答なんだ。

じゃあ、先に進みましょうかね。


「……何これ」


1つ先の部屋に入った瞬間、後ろの扉がガシャンと閉まり、閉じ込められた感じになった。

……うん、これはもう後戻りできないね。


「今度は、何?」


目の前にはすっごく大きなペンみたいなのが置いてある。その側には先ほどと同じように、石碑があって。

……床には、2重まるが書かれていて。


「……魔法陣を書けっていうことなの?」


頭のどこかで否定してと思うけど。

やっぱり、そういうことだろう。

石碑を読んでも、魔法陣を書いてこの部屋から脱出しろって書いてあるし。

ここは迷路か何かですかねぇ?

私、謎解きをしにきたつもりは一切ないんですけど。


「というか、美華、どうするわけ?」

「わかる訳ない。無茶言わないでよ、風華」


双子はどんな時も平常運転ですね〜。

ある意味その図太い神経を尊敬します。


「とりあえず、石碑を見てみる〜?」


そうですね、そうしましょう。陽華の言う通り、そうしましょう。

うん、陽華が多分、1番常識的だよね。


「……これ、古語だよ。稜華ちゃん」


古語……。

わざわざ古語を使ったと言うことは、その時代に作られたか、もしくは何か意図して古語で書いたか、だよね。

古語は必修科目に入っていないし、習得している人は少ない。

研究者か、趣味で習得しているか……その程度だ。

古語と言っても、大きく分けて数種類ある。

まぁ、時代と共に言葉は変化していくものだし、当然だろう。


「稜華ちゃんは解読、できるの?」

「……できます」


古語は解読できます。古語()、ね。

一応、現存している全時代分の古語は読めるはず……だ。

まぁ、現存していない種類だったり、パターンだったりしたら無理だけど。

石碑を覗き込み、削られた文字を読み取る。

室内(?)、しかも無風、適温、適湿度、だから、破損はほぼ見受けられない。

完璧と言っていいほどの保存状態だ。持って帰りたい。

いや、そんなことはできないし、外部に出すと一気に風化〜とかあり得そうだ。やめとこう。


「……魔法陣、爆発……」

「飛華みたい〜」

「私は爆発狂じゃないっ!」


うるさいですね。

こっちはせっせと古語の解読しているんですけど。


「床に、魔法陣……原始の魔法陣を描いて……次の言葉を……詠唱、すること。そうすれば、自ずと道は開かれる、だろう」


この文の下には、1つの詠唱文が書かれている。




「……火よ、燃え上がれ。全てのものを焼き尽くすように。風よ、吹き荒れろ。全てのものを破壊するために。……水よ、渦巻け。全てのものを飲み込むように。土よ、地を響かせろ。全てのものを無にするために」




あたりが、シン、と静まり返った。


「怖っ。恐ろしいことを考えるね、昔の人は」

「そうだね、風華。私達、平和な時代でよかった」


今が平和な時代なのかわからないけど、とりあえず私も、恐ろしい詠唱文だと言うことはわかった。


「……これって、基本属性?」


飛華の声がなぜが無性に響いた。


「私が火」

「私は風」

「私は、水で」

「……私は土〜」

「……無属性」

「複合属性だよ」


希少属性である夢華と私はともかく。


「基本属性で、間違いない……?」


夢華の言う通りだ。

この詠唱は、基本属性、だ。おそらく、間違いない。

だって、魔法で火・風・水・土が出てきたら、たとえ順序が違えども、属性をイメージする。

凄く基本的なことで、常識的なことだから。


「魔法陣は基本属性を……いや、魔法陣()基本属性を意識した……?」


となると、昔は魔法陣と言うものすらなかったのかもしれない。

もちろん、魔法式も。


「……ねぇ、魔法陣、書かない?」


あ、書きます。

すっかり忘れかけていましたけど。


「……というか、魔法陣の書き方、分からないんだけど」


肝心な魔法陣の書き方が分からない。

これは大問題だよ。


「やっぱり、法則性を見つけ出さないと、ってこと?美華」

「そうだよ、風華。でも、実際に書かないといけないし、ってこと」


……ですよね~。

法則性を導き出して、理解して、書かないといけないんですよね~。


「……とりあえず、解読、皆で進める~?」

「そうだね。じゃあ、3人ずつで分かれて、今までの魔法陣を見てみる?」


そうしましょう。

というわけで、私は魔法陣を複製します。


「いつも通り……いや、やっぱりここは気分を変えていつもと違う組み合わせにしない?」


飛華さん?

どういうことですか?


「ほら、いつもと同じメンバーだと考えが固まっちゃているだろうし……」


なるほど。

そういうことでしたか。

私は別に構いませんが。


「じゃあ、同室同士で1と2を決めて、同じ数字同士で、ということでどう?」


私は別に構い……ますね。

飛華とバラバラになることは必然……。

べ、別に飛華がいないと寂しいっていうわけでもないし、大体、学園ではバラバラだし、問題ないっ。

早速、姉妹はどっちにするかを決めている。


「稜華、どっちがいい?」

「どっちでもいいよ」

「じゃあ、私が1で」


おおぅ。

飛華らしいです、1番って。


「じゃあ、メンバー発表!1番の人~」


飛華、風華、夢華が手を挙げる。

となると、2番チームは美華、陽華、私か。


「じゃあ、解読開始っ!」


そういえば、いつの間にか、いつものテンションに戻っているね、飛華。

もう怖くなくなったのか、怖さを通り越して吹っ切れているのか。

果たしてどっちだろうね?


「稜華、早く始めるよ?」


あ、はい。


「これまでの状況をまとめると、というか、今まで私達が見てきた魔法陣は転移の魔法陣1、転移の魔法陣2、解錠の魔法陣」


そうですね。


「で、そのうち、転移の魔法陣1と転移の魔法陣2は対になっていて、1部だけが違う。ここまでは大丈夫?」

「大丈夫〜」


美華は私をチラリとみると、再び話し始めた。


「魔法陣を解読する上で……って、稜華、文字そのものが表す意味は分かるの?」

「……難しいかな」


魔法陣を解読すると言っても、1つ1つの原理とかを理解するわけじゃない。

ただ、大まかなものを読み取り、大体の意味を理解するだけだ。


「となると、全て、までは言わないけど、ほとんどの文字の意味を、現代語にあてまめる必要がある」

「つまり、魔法陣から文字を全て取り出すってこと〜?」

「そう。……やること、分かるよね?」


はい。分かりました。

とても分かりやすかったです。

魔法陣にある文字を全て取り出して、表にして、使われるところを確認して、意味を考えて、現代語に翻訳する、ってことですよね。

了解です。早速作業に取り掛かります。

ペンを手に持った私の手を、誰がバシッと止めた。


「稜華は待機」


え?

なんで?

なんでなんですか、美華さん。


「貴女は書き写すって言うより、解読の方に役に立ってもらわないと困るから、集中力を温存して。あと、体力も。……魔法で補っているだけで、元の体力はあまりないでしょう?」


う。

あまりの正論……。

いや、正しいことを言っているのはわかるよ?でも、胸に刺さる……。


「じゃあ、私が書き写していくね〜」


陽華よ……。

あとは頼んだ……。

って私、何言ってん!?


「稜華、1人で突っ込まないの」


……はい。すみません。

と言うわけで、私は陽華が書き写してくれた文字をせっせと魔法陣と当てはめて解読しています。


でも、大体の法則も見えてきた。

陽華が多分無意識に分類分けしているんだよね。だから。

ほんと、天才肌ってすごいよ。

尊敬します。

お読みくださり、ありがとうございました。

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