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43 花パ!?

ここは異世界です。地球ではありません。日本ではありません。

現実的なことはツッコまず、お読みください。

もう1度言います。


ここは異世界です!

「ほら、オ……先輩も、早く来てください」




……え?

先輩?

先生が、先輩って言った?

先生が先輩っていう人って……。


「トランクイリタ先生……?」


夢華が放心したように言う。

な、なんで……?

まさか、万年引き籠もり研究者のヘリコニア先生がトランクイリタ先生と来ていたとは。

これって……。


「デート……?」


陽華に、同意、です。

というか、この場面は見てもよいのだろうか……?


「ち、違いますよっ!」


じゃあ、なんなのだろうか。


「ど、同僚旅行です!」

「じゃあ、他の先生はどちらに?」

「……いません」


風華、その質問は……。

もう、私にはこの先に疲労しかない気がする。

予想じゃなくて、確信だ。

ヘリコニア先生が絡むと大体、疲れるんだよね。

ペースに飲まれて、余計に疲れる。


「じゃあ、デートじゃないですか」


美華も悪乗りしすぎ。

というか、ここまで気にしてどうするんだろう?

というか、花火はどうなるの?


「だから、違いますっ!」

「そうですか。じゃあ、花火しながらお話でもします?……そうですね、花パなんてどうでしょう?」


飛華まで何を言っているの!?

笑顔が怖い!

というか、君たちホントに15歳以下!?

いや、私も12歳だけど!

というか、花パってなんですか!?

花火パーティーの略称ですか!?

略すの、ホントに好きですよね!若い人は!


……さて、話を戻して。

私は12歳だ。

もうすぐ13歳になるけど。

ちなみに私達3つ子、と言うか姉妹は全員夏生まれ。

だけど、誕生日まではよく分からないんだよね。夏生まれ、8の月の可能性が高いっていうこと以外。

あ、みんな8の月生まれの可能性が高いよ。

だから、誕生日は8の月31日、と言うことになっている。

わざわざ分けても大変だし、みんな一斉に、ということでみんな同じ誕生日だ。

暦は『チキュウ』と同じだ。

1年は365日、4年に1度、366日になる。1日はもちろん、24時間。


「ほらほら、稜華ちゃんは固まっていないで複製を進めて」


夢華までっ!

なんなんですか?

私、花火量産機じゃないんですけど。

そもそも機械じゃないし、量産用の魔法も持っていないよ!

ただ、【情報】を自由にできるだけだよっ!


「早くたくさん作ればもっと楽しめるよ~」


……そうですか。

陽華さん、貴女まで、そちら側に回るのですか。

なら、私は容赦、しませんよ?


「なら、少なくとも美華と夢華は私の支援と補助に回ってくれます?」


その方が効率的ですよね~?

だって、花火を複製できるのは私しかいないんだもの。

私の魔力が底をついたらそこでお終い。

だけど、たくさん花火をやりたい。なら、支援をつければいいんです。ついでに、補助も。

という訳で、美華と夢華を巻き込みました!

パチパチパチ〜!

いや、全然嬉しくもなんともないんだけどね。

魔法の主軸を担うのは私ってことに変わりないし。


「あ、あとは風華。回復のほう、お願いできますか?」

「ヤバッ!稜華が本気になっちゃってる。姉を使っているよ!風華、頑張って!」


風華に魔力回復を頼んだら飛華に恐れられた。

というか、いつもと変わらないよね。特に、転移魔法を使うときとか、こんな感じだよね?

それに、飛華にだけは言われたくないです。

素で爆発を連呼する人には。

迷ったら火をつけろっていう人には言われたくないです。

って、これじゃあ放火魔か。

飛華は放火魔じゃないけど。


「じゃあ、これから多量複製するから。情報複製と同時に、多重展開の魔法を使って、千個単位の複製をするから、できるだけ魔法速度について来てね。それじゃあ、行くよ」


飛華達、待機組から少し離れたところで私達、複製組は花火を前にする。

情報複製は、高ランク魔法だ。

だけど、複製自体はそんなに難しくないし、使用魔力も少ないほうだ。使う魔力はDランク魔法、多く見積もってCランク魔法。だが、その危険さを見て、高ランクと位置づけされる。

本来、使用魔力が多いほど危険とされる。魔法力が大きくなるから。

そんななか、使用法によって高ランク位置づけされる魔法は、珍しいだろう。

……まぁ、魔法庁に報告したわけじゃないけど。

砂浜に魔法式を書き、欠陥がないことを確認すると魔法発動に入る。

砂浜って、結構文字が消えやすいからね。


「……情報複製」


魔法の、多重展開。

元貴族くんのお屋敷の時より、パワーアップしている。

魔法式を書くことで効率が上がるっていうことが分かったんだよね。


普段は魔法式を1度見て理解したら魔法発動をするだけでいいんだけど。魔法式を思い浮かべたり、書いたりすると魔法力が落ちちゃうから。

最も、他の人は私とは真逆のやり方らしい。いや、私達、か。私達姉妹は、魔法式を書くと効率が落ちてしまうのだ。だけど、魔法式を書かない分、発動スピードが上がるから、問題はなし。

だけど、多重展開の場合は、魔法式を書かないとかえって効率が落ちる。

だから、魔法式を書いた。


「……できたよ」


はい、ここにはおよそ1000本の花火が。

全力でやった訳じゃないし、姉妹の支援、補助、回復もあったから魔力はまだ半分以上、残っている。

それにしても、作り過ぎた、というか、複製し過ぎたかもしれない。

でも、しょうがないじゃん。

多重展開の魔法も使っているもん。だから、数の桁が半端ないんだよ。

最低単位が100で、これはかなり集中しないと無理なのだ。だから、どうしても1000個単位になっちゃって。パワーアップした副作用だ。

うん、仕方ないよ。


「これだけあれば足りる?」


待機組のところに持って行くと、コイツ正気?という目で見られた。

……ひどいよ。

せっかく頑張ったのに。

その証拠に複製組の私を除く3人はそこそこ疲れている。

そうだなぁ、食材がなくて店まで走って買いに行ったくらいに。

あ、それはかなり疲れているか。

だけど、それは私の場合だし。

みんな、私より体力あるし、運動神経もあるから、問題ないよね。この基準で。

まぁ、いいや。

花火は複製したし。多量に、ね。

私もお役御免、だ。

これからは思いっきり遊ぶ側。

運営より遊ぶ方が気が楽で楽しいよね。


「うん!稜華、ありがとう!風華、美華、夢華もお疲れ様!……というわけで、花パ、花火パーティーを開始しますっ!」


イェ〜イ!

あれ、これで合っているのか?

私、花火複製をさせられたんだけど。しかも損をしてまで。

素材は高級素材10個とはいえ、ヘリコニア先生からの提案だし……。だから、飛華って実質的に得、しているよね?


「……ん?どうしたの?」


飛華をジーッと見るとニコニコの笑顔で言われる。

妙に圧があって怖い。

そこで私、損しているよね?飛華、得しているよね?なんて言える度胸、私にはまだなかった。

イエ、なんでもないですよ。

とにかく、こうなった飛華に突っかかるのは悪手でしかない。

今日のところは見逃すか。

飲み物や軽食、おつまみなんかも置かれていて、それぞれが楽しみ始めている。

多分、飲み物や軽食類は先生達からだ。

私達、持ってきてないもんね。コーヒーなんて。


飛華が積まれていた流木に火をつけると、派手に燃え始めた。

……『きゃんぷふぁいやー』みたい。

バチバチと火の粉が飛び、煙が上がる。

そこから少し離れた場所に飛華は小さな火を灯した。


「こっちが花火用。いいですか?間違ってもこっちの派手な方で花火を始めないでくださいよ?風華が可哀想ですから」


確かに。

派手な方で始めたら火傷して、それを風華が治さないといけないもんね。

しかも爛れた皮膚って、結構痛そうだし……。風華は直視するだろうし。


「花火は火から少し遠いところに置いておくので。蹴ったり踏んだりしないようにしてください。あと、全部一斉に火に焚べるのもやめてくださいね」


よくそんなことを思いつくなぁ。

流石は火を扱う飛華、っていうところか。

花火置き場で花火を選ぶと、小さな火の近くまで行った。

ソッと火に近づけると、バチバチと燃え始める。

記念すべき1本目はド派手な花火みたいだ。

炎を吹き出しながらコロコロと色が変わっていく。

しばらくしたら、消えた。


「燃え殻はこっちね〜」


了解。

水を入れたバケツの中に花火を入れ、1本目の花火が終わった。

そう、花火は水に突っ込むまでが花火!

私達は次々と花火に火をつけ、眺め、水に突っ込むという動作をしていく。

時々、飲み物を飲んだり、おつまみを食べたりする。

姉妹達も遠慮なくボリボリ食べているよ。


花火が足りなくなった時用に各種類1つずつは残しているから、まだまだ大丈夫だ。

まぁ、私、全種類尽きるまでやらないと、新たに複製はしないけどね。

でも、1000本もあるし、絶対に飽きると思うんだよね。

周りを見てみても、なんとなく作業になりかけているし。


「腰が痛い〜!」


陽華、頑張ってください。

それはみんな同じです。


「……休憩にする?美華」

「そうしようよ、風華」


双子は早くも休憩を選択。

みんな、続いて休憩という選択肢をとった。

適当な石とか木を椅子にして皆、雑談に耽る。


飛華と双子、3つ子、教師陣に分かれているような感じだ。まぁ、これは妥当だよね。

みんな、片手にコップを持って。

というか、私は会話を聞いて、ボーッと火を眺めているだけなんだけど。

もちろん、ずっと同じ相手と話せるほど、皆さん話題がたくさんあるわけでもなく。

いや、あるにはあるんだけど、なんか、違うっていうか。そう、脱線して行くのだ。

だから、こうなることなんて、たぶん必然だった。

その火蓋切りの役目はいつも、陽華っていうことも。

多分、わかっていたと思う。

ただ、頭からすっぽ抜けているだけで。

陽華の顔はほんの少しだけ、赤かった。











「ヘリコニア先生とトランクイリタ先生って、付き合っているんですか〜?」

爆弾投下するなっ!陽華っ!

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