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40 姉妹トーク!!

私達は海から上がり、泊まっているコテージに戻る。

先程までいた海から徒歩5分ほどのところにあり、近くには似たような作りのコテージが並んでいる。

中は泊まる分には十分な広さだ。


みんな、ベッドにべチョーっと倒れ込んだ。

うん、疲れよね。分かる。私も倒れ込んでいるし。

海の中って、水の抵抗もあって、動くのにかなり疲れるんだよ。きっと、魔法がなければ私、ものすごいことになっていた。

翌日筋肉痛で動けない、全身痛い、とかね。


「疲れたね〜」


私のすぐ右隣にいる陽華がいう。

腕を投げ出していて、ザ・疲れたという感じだ。


「どうする?この後、何する?」

「え?飛華、本気?流石にもう動けなくない?」

「風華の言う通り。今日はゆっくり休みたいよ……」


飛華の体力は無尽蔵なのか……?


「ちなみに、明日からの予定ってなんなの?」


左隣にいた夢華が首だけ双子の方に向け、問いかける。


「ん〜、特に決まっていないけど」

「肝試しでもする?」


無計画なんか〜い!

私、もっときっちりと予定が立っているのかと……いや、往路からして、なんとなく、テキトー感が漂っていたような……。

姉妹たちはやりたいことを言っていき、予定になんとな〜く組み込んでいく。

……案外、このテキトーさも、いいかもしれない。

いや、稜華、騙されちゃダメだよ!これはただの無計画だ!


「そういえば、稜華ちゃん、誰かと話していなかった?」


え?


「えっとね、赤系統の髪をした、お洒落なロングワンピースを着た女の人……」


あ。


「……それ、ヘリコニア先生……」

「え!?ホントっ!?」

「なんで?」

「こんなところに?」

「へ〜そうなんだ〜」

「遠目だったけど、可愛かったよね」


口々に姉妹は感想やらなんやらを言っていき、どんどん話は脱線?していく。

だけど、明らかにズレているわけでもないから、修正がしにくい。


「というか、先生って何歳なんだろうね」

「トランクイリタ先生と先輩・後輩の関係だったらしいよ〜」

「しかもなんか、恋してるって感じ!」

「冗談じゃないよね!?萌える!」

「それ、確かな情報源?」


わぁ、見事にプライバシーに突っ込んで行っているよ。

だけど、私も興味がないといったら間違いだろう。

正直、ヘリコニア先生のことはよく知らない。

情報として見ようとしたよ?もちろん。だって、研究室に出入りするもん。

だけど、ガードが思いのほか、硬くて……突破できなかった。

あと少し、というときに気づかれたり、気を逸らされたり、助手をしろと言われたり。

妨害されることが多くて、無理だった。

それに、最近はもう、先生を【情報】として、見れなくなっている。

だから、私が先生のガードを打ち破るしか、先生のことを知ることはできない。


「研究者先生って、20代前半ぐらいかなぁ」

「うんうん。30代にはなっていないだろうし、多く見積もって25ってところかなぁ」


すごい観察眼。

そんなことまで見るんだ、普通。

というか、どうやって判断しているんだろう。すごく気になる。


「とりあえず、中央値の23仮定して、在学時は5〜10年ぐらい前でしょ?その時って貴族優遇が最も横行していた時だよね」

「あ、トランクイリタ先生、低能力な貴族がいたから、魔法学園に入れるはずだった生徒が魔法学校に行っていたって、言っていたよ」

「じゃあ、やっぱりそれくらいだよね。トランクイリタ先生との年齢差は……2・3歳……いや、1歳ということもあるかなぁ」


え!?

トランクイリタ先生って、20代後半ぐらいじゃないの!?

これまでの話からすると、2人の先生の年齢差はあまりなくて、20代前半、って感じだけど。


「結局のところってどうなんだろーね」


ものすごい会話ですね。

私にはついていく気力もないね。




「はいはい、閑話休題!この後はどうするの?」


あ、話が戻った。

というか、逸れに逸れすぎたね。


「ダイビングは明日かなぁ〜」

「スイカ割とか?」

「体力メチャクチャ使うじゃん。明日明日」

「じゃあ、肝試しとか?」

「それもそれでツライ」

「ん〜、じゃあ、花火でもやる?」

「打ち上げ?それとも手持ち?あ、魔法で大々的に爆発させる?」


飛華っ!

なんていう危険な発想をしているの!

とんとん拍子で会話が進むから聞き流しそうになっちゃうけど、ないよ!

魔法を爆発させて花火だなんて!

下手したら燃え広がるっ!


「ダメっ!」

「断固反対!」

「やめて〜!」

「飛華ちゃんがやると洒落にならないっ!」


うん、みんな同じ意見だね。

やっぱ、そうだよね。飛華が火とか炎系の魔法を使ったらもう死を覚悟した方がいいよね。

ただでさえ高火力なのに、属性の火系の魔法を使ったら終わりだよね。


「普通に!普通に花火しよう!そうしよう!?ね?」

「美華の言う通り!飛華はDランク魔法しか使っちゃダメだよ!」

「え〜」


え〜じゃないよ、え〜じゃ!

飛華はただでさえ攻撃魔法の適性が高いのに火を使ったら!

花畑が見えるよ!

そう、一瞬暗くなって、目を開いたらそこは天使が舞う花畑……ってそれはもう危険だよ!

危ないどころじゃない!

もう、三途の川を渡りかけているよっ!


「じゃあ、この後は7時に夕ご飯、片付け終わり次第、花火!それまでは自由!」

「だけど、休憩はしっかりしてよね?寝たとか、悲しすぎるから。いい?」



了解。

じゃあ、私は仮眠をとって夏休みの宿題という物に取り組みますか。

ホント、夏休みの宿題ってのが出ているんだよ。

各教科、それなりの量の宿題が出ている。

普通にやっていけば夏休みの半分が潰れそうなほどの量だ。

やってらんないよね。

しかも、夏休み明けは確認テストがあるらしいし。

先生って、テスト好きだよね〜。好きじゃないかもしれないけど。


私はノロノロと別のベッドに移る。

流石に5人で1つのベッドは狭すぎるし、寝返り打ったら転げ落ちそうだし。

目を閉じて、すぐ。

私の意識は暗闇に落ちた──。




**




『私』はとあることを思い出していた。

それは、ここに来たばかりの時のこと。

目の前には、豪華絢爛な城がそびえ建っていた。

キズ1つなく、キラキラと光っているようだ。城の近くにある海も、また綺麗だった。

鮮やかな青が、波となって満ち引きをしている。

……『私』、これからここで生活していくんだ……。

決意と不安が、混じり合っていた。多分、不安の方が大きかっただろう。



『私』の生まれた家は    の家系だった。

しかし、    は公に知られている存在ではない。なぜなら、一族でその技術を隠し通し、利益を独占してきたからだ。

決して表に出ず、   を使うことを知られず、   を継承していく。

家訓の1番最初に、    を漏洩するな、というものがある。

一族と言っても、本家から分家まであって、かなりの人数になる。だからこそ、なのだろう。

うっかり   のことを漏らしてしまわないように。

まずそのことが徹底された。

表向きは普通の家族。

しかし、実態は秘密主義の家系だった。

なぜ、そこまで   を隠そうとするのか。それは、『私』には分からなかった。


    を養成するため、生まれた時から    教育を始める。一族に子供が生まれたら、すぐに、始めるのだ。

ずっとずっと、耳にタコができるほど    を漏洩するな、と言い聞かせる。

そして、もう逃げられない、ということ刷り込ませるのだ。

だから、『私』は、『私達』は逃げられない。

   という枷に、一生嵌っていくのだ。

『私』だけじゃない。親も、その親も、そのまた親も。ずっと前の祖先も。


しかし、この時点でも、    教育は始まったばかり。本格的な訓練は、最低でも5歳からだ。

『私』達は知っている。だから、逃げられない。

そのことは、幼い心に、呪いのように染み付いている。それは、一種の通過点、だろう。

このことが染み付いていないと、先には進まないから。いや、進ませないから。

だって、信用に値できないから。


     のことを漏洩するべからず──


これは、当然のことで、常識だ。

このことが確認できると、本格的な    教育が始まる。

家訓だったり、家のルールだったり、   の歴史だったり、操る方法だったり、世の中を生き抜く術だったり。

とにかく、色々なことを、詰め込まれる。必要なことから、雑多なことまで。

その過程が全て終了するのが15歳ぐらい。一族から成人と認められたら、街に溶け込み、全くの赤の他人として過ごす。ある者は商人。ある者は市民。ある者は役人。ある者は……。

とにかく、様々な所に散り、   を継承していくことを、第一目的としていた。

しかし、   としての活動は続けていく。時々、情報共有もする。

それが、ルールだった。

まさに、カモフラージュをする一族。


それが、『私達』、    一族だった──

なんで人は他人の年齢を気にするのでしょうね?

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