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27 謀反計画・現代版

「そうなったら、まず、敵方の情報を常に入手し続ける必要性があるよね~」

「うん。だから、津城さん。貴女には、今までのように、元貴族くんに従っているように見せる。それがまずは前提条件。……できる?」

「できます!」

「うんうん。なら、次は最終目的。津城さんの最終目的は家族と自分を貴族の支配から逃れること。貴女はそのために利用されたしね。でも、元貴族は?陽華ちゃんや稜華ちゃん、私を始末しようとした元貴族は、最終的にどうしたいの?」


夢華まで元貴族呼びか……。


「……私は、別に元貴族が邪魔してこなければ、いいです」

「それは困るな~。最終目的がはっきりしないと、こっちも計画を立てられないから~」

「だけど……」

「なら、私が処分を決めるけど、それでいい?」


さぁ、どうやって調理しようかな?

私、自分の手を汚さず、他人の手を汚しながら自分の思い通りにするヤツ、大っ嫌いなんだよね。


「ざっと、5個は思いつくけど」


まずは公開処刑。本人の黒歴とかを述べていけば精神的ダメージを与えられる。

次は密告。お偉いさんに企んでいることを証拠付きで渡せばいい。向こうが勝手に潰してくれる。

3つ目は実力行使。全力で叩き潰して、相手の精神を粉々にさせる。

4つ目は大声で言う。そうすれば、噂として流れていく。

5つ目は……まぁ、似たようなものかな。発信者不明の状態で、噂を流していけばいい。そうすれば、ジワジワと本人を苦しめるはずだ。


「いいの~?稜華、かなりえげつない事を考えるけど~?」

「別に、私が考えてあげてもいいんだけど?」


夢華はやめた方がいい。地獄しか見えない。


「稜華ちゃんに否定されるのはちょっとショックだな~」

「夢華より、稜華の方が、えげつないよ~!」


失礼な。


「……処分は、お任せします。多分、今のままだと、いずれ、国家反逆となってしまいますよね?だったら、早いところ片付けておいた方がいいと思うんです。そうすれば、余計な人を巻き込まなくてすみます!」


この子の方がえげつない考え方の持ち主だった……。


「どうしましたか?」

「なんでもないよ?」


夢華が笑顔で答える。


「じゃあ、トランクイリタ先生に案を聞きにいく~?」

「あ、それいいね。陽華ちゃん、ナイス名案」

「え?なんでそこで……」

「あの先生、かなりのやり手だからだけど……?」


まさか、皆さん、本性に気づいていない!?

確かに、そうかもしれない。

あの勝負の時、結構早い段階で、生徒たちの川ができていたし。

それ以来、今日のあの教師の仕事を増やすな以外、全然本性を表していないし……。


「ここだけの話だけど、多分二重人格~」






「誰が二重人格ですか?」











……え?

背後には、イイ笑顔のトランクイリタ先生。


「誰が、二重人格なのですか?……教えてくれます?」


……恐怖。ホラー。ホラーでしかない。

しかもさっさと言えという無言の圧が……。


「あのぉ……それより、なぜ先生が……?」

「プシッタコルムに呼び出されたからです」


研究者先生、タイミング悪すぎだよっ!

よりによってこんな時に来るとは……。


「で、誰が二重人格だって?」


目がっ!目が、吊り上げっている!

笑っているのに笑っていないっ!


「い、稜華さんですっ!」


……え?


「さっき、恐ろしい形相で私を問い詰めていましたしっ!あ、でも、結果的にプラスなので問題ないですっ!」

「稜華ちゃんって、大体無関心とかなのに、飛華ちゃんのことになると結構関心を持つし……」

「あ~!あと、魔法の使い方がえげつない時と、優しい時があります~!」


え……。

いくら誤魔化すためとはいえ、そんなこと言う?

特に、陽華が言っていること、関係ないよね??

あ、あと、必要なのはトドメか。


「先生、自分のことだと思ったんですか?……よっぽど自覚があるのか」


そこで、意図的に言葉を切る。


「自意識過剰なんですね」


……よし、完璧では?

先生もフリーズしている。


「で、先生がこのタイミングできたって言うことは、何かお手伝い、していただけるんですよねぇ?」


これで、協力せざる得ないようにする。


「チッ……紫月姉妹は骨が折れる……」


ひどくないですか?

呟いたつもりでしょうが、聞こえていますよ?


「お前ら相手に取り繕っても仕方ないからそのまま話すぞ」


そう前置きし、トランクイリタ先生は話し出す。


「プシッタコルムに紫月姉妹の命が狙われているから手伝ってやれって言われた。……というか、何なんだよ。プシッタコルムの時よりひでぇじゃないか」


えっと、研究者先生は退学……だっけ?

確かにかなりレベルが違うな。


「とりあえず、津城をあっち側に置いて置くのは正解だ。ただ、個人的に処分するのは反対だ」


……え?

なんで、だろう。

先生は首を傾げる私達を見て、呆れたように話した。


「お前ら、そんなことも分かんねぇのか?元貴族の子供のバックには元貴族がいる。ソイツらは正真正銘、長い間権力を奮ってきた、貴族どもだ。ソイツらに目ぇつけられたら終わりっつってんだ」


なるほどぉ。

それは思いつかなかった。

津城さんが何かを考えついたように、口に出す。


「なら、王様に言えば問題ないですかね?」

「現実的じゃない。ここは学園長、もしくは宰相に報告するのが1番だろうな」

「学園長ですか~?でも、学園長も、潰されちゃうんじゃないんですか~?」

「バカが。この学園の学園長は筆頭魔法師。国の首脳陣にも入るぞ」


へぇ。

筆頭魔法師なんですか、学園長。凄いですねぇ。


「宰相、ですか。裏の権力者っぽいですね」

「裏だけでなく、表でも権力者だ」


夢華、なんか、『チュウニビョウ』っぽいよ。


「証拠があれば、ラクだ。……津城、出せるか?」

「契約魔法により、口外できません」

「はっ。詰めが甘かったな。子供の考えそうなことだ。口に出さなければ、というな。口に出せないなら、何かに書くし、態度でどうにかできるだろうに」


確かに。

……私は【情報】を探ることで分かったんだけど。

多分、これはイレギュラーだよね。


「さて……どうする?俺はあくまでも方法の1つを提示したに過ぎない。最終的に判断するのはお前らだ。国に報告するしないも、自由だ」


それ、言っちゃう?

でも、先生に言ったらそのまま学園の上部まで行って、そこから王城に行きそうな気がするんだけど。


「できるだけ、物事を大きくしない方がいいですか?」

「それは場合によるな。平和に、と思うなら秘密裏に処理すればいい。大々的にやり込めたいなら、大胆にやればいい。その違いだ」


夢華の問いに先生が答える。

なるほど。


「……相手を懲りさせ、2度と手出しをしたくないと思わせるには、どっちの手段が有効ですか?」

「稜華ちゃん、怖いこと言わないで……」

「……ソイツの心理にもよるな。紫月稜華。お前、自分の周りが静かならいいと思っているだろう?」


う。図星だ。

でも、自分の周りが静かで、相手が手出ししてこなければ、問題ないじゃない。


「周りからの奇異、興味の視線を集めたくなければ秘密裏にやればいい」

「ありがとうございます」


やっぱり、そうなるか。


「目立つことは避けたいよね~」

「バックの親も気にしないといけないって、めんどくさいよ、陽華ちゃん」


親も存在、か。

面倒だな。


「……親も一緒に脅す?」

「稜華さん?」


そうすれば。


「親も懲りなくなる。元貴族くんの家は上位に属している。下位の元貴族は、上位の貴族が動かないと、動かない。つまり、上部に位置していた貴族を全員脅せばいい」

「ハッ。恐ろしいことを考えるな。まぁ、それもいいんじゃないか?だが、どうする?どうやって、コンタクトを取る?どう脅す?」


どう、するか。


「……寝込みを襲う?」

「稜華ちゃん、それ、完璧に犯罪になっちゃう!」


え~。

そんな。


「なら、国の上部から警告を出してもらうのは~?」

「内密にやるのだろう?」


陽華の提案も即座に叩き切られる。

……ホントに、どうしたらいいんだろう。


「あの、内密に、というのは変わらないんですよね?」

「そうらしいが」

「なら、周りで摩訶不思議なことが起きれば、不安になってそれどころでは無いのでは……?」


なるほど。

津城さんナイスアイデア。


「予告状と言うか、警告状を出したあと、周りで摩訶不思議なことを起こせばいいって言うことか」

「具体的に稜華、どうやるの~?」


具体的に。


「物が勝手に動いたり、飛んできたり、階段の数が増えていたり、人形とかに話しかけたら返事が返ってきたり……?」

「お前、恐ろしいことを考えるな。ナイフが飛んできたら終わるぞ」


確かに。

だけど、それだけ有効って言うことになるはず。


「まぁ、内容はそれでいいだろう。方法は?」

「魔法一択……ですよね?」

「だが、ただ魔法を使うだけだと、魔法だとバレてしまう。恐怖の前に通報されるだろう」

「私が魔法を使います」
















「私、魔法で物を動かすこともでき、尚且つ魔法を悟らせないのには、自信がありますから」

10話ぶりの謀反計画(現代版)

果たして、津城つむぎの謀反は成功するのか!?

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