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11 基礎魔法力検査、やり直し。ではなく、装置の修理。

戻ってきた研究者先生は10台ほどの装置を持っている。

今にも落としそうだ。というか、10台持てている時点で凄い。

というか、基礎魔法力検査と関係ない装置も含まれているよね?

陽華と夢華も胡散臭い目を向けている。


「これは、基礎魔法力検査で使い道具と、さらに詳細な検査をするための道具です」


さらに詳細……か。

聞いたことない装置だ。


「例えば、土属性の人がいたとしますね」


はぁ、そうですか。

それがどうかされましたか?


「範囲が1から100だったとして、その人は、果たして1から100まで、土属性なのでしょうか」


1から、100まで。

つまり、生粋の土属性か、と問いたいのだ。


「ほんの少し、100分の1でも、土属性ではないところがあるのではないでしょうか」


土属性だとしても、ほんの少しだけ、火属性かもしれない。そう、言いたいのだろう。

そんな着眼点、私にはなかった。

やっぱり、色々な人の意見を聞くのは面白い。


「属性は、属性検査装置が放った色で判断されます。青が四、黄色が六でも、緑です。もちろん、青が五、黄色が五でも。……知っていますか?属性検査装置が放つ色は、同じ属性でも、少しずつ違うのですよ」


へぇ。それは初耳だ。

是非とも調べてデータ化して、考察して、検証してみたい。


「それがとても分かりやすい結果が出るのがこの、詳細に調べる装置、通称、詳細くんです」


詳細くん……。ネーミングセンスがないな。

まぁ、属性を調べる装置のことを属性を調べる装置と言っている時点で、あまり期待するものじゃなかったかもしれないけど。


「ですが、老朽化が進んでしまって、使い物になりません。ほかの装置も、似たようなものです。……お願い、できますね?」


老朽化、か。

やっぱり、物の寿命には抗えない、と言ったところだろうか。

永久に、恒久に稼働し、使用できる物ができたら。

そうだったら、いいかもしれない。


「……やらせてください。全部、修復させてください。……そして、私にイジらせてください」

「フフッ……。いいですよ。好きなだけ、イジってください。……ただし、壊さないように」


なんか釘刺されました。

でも、研究者先生にだけは言われたくない。だって、イジった挙句に壊してそうな感じだもん。

とりあえず、詳細に調べる装置は未知数だから、通常検査の装置だけをまとめて修復する。


「……情報操作」


古い【情報】を新しい【情報】に。

私は、あらゆるものを【情報】として取り入れることができる。【情報】さえ知っていれば、大体のことは応用し、利用できる。

……逆に、【情報】として認識しなかったら、利用ができない。


「……できました。とりあえず、通常の装置です」


あとは、詳細に調べる装置。

分からないことが多いから、一台ずつやろうと思う。

まずは……属性比率、を調べる装置。

これの情報の交換をして、修復を済ませる。

その後も魔法力の基準を示す装置、現在の魔力を調べる装置、過去未来の魔力貯蓄量を現在の魔力貯蓄量と年齢から推測し、予想する装置……などなど、色々なものが出てくる。

中には2番目の適性魔法を調べる装置や、魔法力を抑えることができる装置も。

……私、魔法力とかを抑えられる装置、ほしいな。

魔法式のコピーをとっておこ。

そうすれば、再現できるはず。時間と素材さえあれば。

学園だと、素材の入手が難しいんだよね。

授業ではどこからとっているんだろう?

そして、全ての修復が終わったころには、陽華と夢華は通常検査を終えたらしい。

属性と適性魔法とかは当然ながら変わらないが、魔力貯蓄量は少しだけ増えていた。

ちなみに研究者先生が記録してくれている。

ありがとうございます。


「先生、私、そっちの詳細検査の装置もやってもみたいです。……稜華ちゃん、修復、終わったんでしょ?」

「あ、うん」

「私も~。折角稜華が直したのに先生のところでお蔵入りとか、ホントやりきれないです~」


……陽華。いったい、どういうことだ。その場合やりきれないのは私だと思うが。

いや、やりきれないわけじゃない。

別に、魔法式のコピーができただけでもう十分な収穫だし。


「修復できたのでしたら、さっさと通常検査を受けてください。私、研究を中断しているんですよ」


あ、なんか、すみません。

確かにそうですね。研究の邪魔をしていることは明らかです。

それにしても、と研究者先生が切り出す。


「分かりにくいですね。名前は憶えているのですが、見分けがつきません。顔と名前が結び付きません」


一応、名前を憶えてくれる気にはなったんだ。嬉しいかもしれない。

いや、でも期待しすぎても、よくない。大体の人は覚えるとか言っておきながら、覚えられないのだ。

……私達も見分けてもらえるように、髪型とか変えているんだけどね。

双子同士、3つ子同士は当然ながらそっくりだけど、6姉妹でもかなり似ていると言われる。飛華も双子も3つ子も、そっくりなのだ。それでこそ、知らない人から見れば6つ子と間違えられるほどに。

実際は飛華と双子と3つ子で、違いはあるけどね。


「そういえば~、自己紹介まだでした〜」


今更!?

今更感が半端ないんですけどっ!?


「紫月陽華です~、紫月姉妹の四女です~」


なんか、急にはじまったんですけど……。

ここは一言、コメントをしておきますか。


「……陽華は、語尾を伸ばすことが多いです」

「ホワホワしていて、髪がゆるふわ~って感じです」


あと、陽華はよく、というか、いつも前髪を編みこんでいる。女子力も抜群だ。

あ、ちなみに髪の色は3つ子が藤紫ね。

ちなみに飛華は藤色、双子は楝色、だ。

順番的に、次は私か。


「紫月稜華、五女です」

「あまり口数は多くないけど、周りのことをよく見てます~」

「髪が私達姉妹の中で一番長くて、寝ぐせがついてて前髪が左目にかかっています」


ちなみに私は本来、ウェーブが少し、ほんのすこ~しかかっているっぽい。

前、飛華に言われた。だけど、寝癖であんまりよくわからないんだよね。


「紫月夢華です。六女、末っ子です」

「姉妹に、ちゃんづけで呼んでいます~」

「髪は柔らかそうで、サイドテール……?とかいう髪型にしているらしいです」


私も詳しいことは知らないんだけど。

前に、尻尾……って言ったらメチャクチャ起こられた。尻尾じゃない、サイドテールだ!って。

だって、しょうがないじゃん。私、引きこもりだったし。柔らかいから、余計に尻尾に見えたんだよね。

ふわふわの、小動物の尻尾みたいだなぁって思った。


「……なるほど。忘れるかもしれませんが、覚えておきましょう」


忘れるのか、覚えるのかどちらかにしてください。

そういえば、だけど……。


『ニッポン』には数の数え方が何種類かあった。

その一つに、『ヒ、フウ、ミ、ヨウ、イツ、ム……。』って数える物があった気がする。

そう考えると……不思議だ。

それぞれに飛華が『ヒ』、風華が『フウ』、美華が『ミ』、陽華が『ヨウ』、私が『イツ』、夢華が『ム』と、順番に当てはめて。

最後に、『華』を付けると、名前になる。

ヒ華、フウ華、ミ華、ヨウ華、イツ華、ム華……と。

飛華、風華、美華、陽華、稜華、夢華……と。

不思議だ。

偶然なのか、誰かが考えたのか。私にはわからないけど。


「……稜華さん。検査、しないんですか?」

「あ、はい。します、検査……」


私は検査装置に手を伸ばす。

属性を調べる装置が白銀に光る。

……研究者先生が名前、憶えてくれた。明日、忘れるかもしれないけど。


「陽華さんも夢華さんも、そっちの装置は通常のより繊細ですから、私の監督下でしか、使用を認めませんよ。離れください」


私の……私達の名前を憶えてくれる人がいても。

私の……私達の顔と名前が、結び付けられない人がたくさんいて。

結果的に、私達を見分けてくれて、一人ひとりだって、認識してくれたのは。

……研究者先生が、初めてかもしれない。

3つ子としても、6姉妹としても苦労が多い稜華。

6姉妹の1番辛いことは識別してもらえないことです。

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