第5話 僕らと遊び場☆
この話は、後に繋がる話の伏線だったりします。
「どうしよう。このまま帰っても暇だなぁ……」
放課後、僕は今からの活動内容について悩んでいた。
「うーん…。帰りにどっかによって行こうかな……」
「どうしたんだ、遊?」
「あ、佐藤。いやさ、これからどうしようかなぁと思って。真っ直ぐ家に帰っても暇だし」
「そうゆうことなら、今からどっかに遊びに行こうぜ」
「いいね」
「あ、マイケルも一緒でいいか?」
あのヤードラット星人を連れてくると言うのか……。
「いいよ」
悪いやつじゃないと思うし。
「じゃあ、一回帰ってから駅前集合な」
「分かった」
「ただいまー」
自宅に着くと、帰ったときのお決まり文句を言いつつ、自分の部屋へと向かった。
「ふぅ」
ガチャ。
疲れからでた溜め息を吐き出し。部屋のドアを開けた。
すると
「おかえり〜」
「うん、ただいま」
鞄を机の上に置き、出かける準備を始める。
「さてと……………ん?」
僕の部屋ってひとり部屋だったよな?
……………誰だ?おかえりって言ったの?
振り返ると、そこには頭でっかちの短足青狸がいた。
「おかえり。の〇太くん」
「………………」
宇宙人の次はロボットか……。
「の〇太くん、またジャ〇アンにいじめられたのかい?」
いや……まだ何も言ってないし……。
それに、ジャ〇アンなんて人知らないし……。
「違うよ。てか、誰?」
「僕、ドラ〇もんです」
やっぱりか……。
「じゃあ、何でここにいるのさ。この世界にはの〇太くんはいないよ?」
「何言ってんだよ、の〇太くん。君がの〇太くんだろ?」
「いや、違うから。あんな顔キモくないから」
「の〇太くん、テストの結果どうだった?」
「いや、だからの〇太じゃないって……」
「どうだったの?の〇太くん」
「………………」
もういいや……。
そうインプットされてるんなら仕方ない……。
「ねぇ。の〇太くぅん」
うっさいな……。
「良かったよ」
「何点だったの?」
そう聞かれたので、僕は鞄からテスト用紙を取り出す。
「ん……」
そして、ドラ〇もんに手渡した。
「どれどれ……。お!すごいじゃないか、の〇太くん!90点なんて!いつも0点ばっかりとってたのに」
「0点なんて一度もとったことないよ……」
「ところでの〇太くん……」
「ちょっとまった!」
「何だい?の〇太くん」
「その……の〇太くんって呼ぶのやめてくれないかなぁ」
「何でだい?」
「いや、いろいろと」
これドラ〇もんのファンフィクションじゃないし……。
それに、いちいち名前のとこ自主規制するのめんどくさいって作者からの要望が……。
「僕の名前は遊」
「遊太くんだね」
「何でそうなるんだ……まぁいいや」
「あと、君の名前も変えてよ」
「それは、無理だよ」
「なんとかならないかなぁ……」
「……やってみる」
「……え?」
次の瞬間、ドラ〇もんなる物体からいろいろ機械音が聞こえてきた。
『ブゥイーーン………。メインコンピューターにアクセスします。…………メインコンピューターにアクセスしました。……名前変更を行います…………』
うわぁぁ……。
なんか、聞いちゃいけないものを聞いちゃったような……。
しばらくして、ドラ〇もんのメインコンピューターへのアクセスは終わったようだった。
「ふぅ…。やっぱり無理だったよ。遊太くん」
「そうか……」
どうやら、自分の名前を変えるのは流石に無理なようだ。
「じゃあ、元の名前は変えなくていいから、全部漢字表記にするってのはどうかな?」
「例えば?」
「うーん……。そうだなぁ…………………………奴裸餌悶とか!」
かなりふざけて考え出した名前だった……が。
「いいねー!流石に遊太くん!」
気に入ってしまった。
「あ、あはは。で、でしょ!」
奴は裸で、餌に悶える……。
直訳するとこうなる…………キモいな。
「奴裸餌悶か……。フフ…フフフフフ…フフフ……」
キ、キモい……!
「じ、じゃあね奴裸餌悶!僕遊びに行ってくるから!」
「遊太くんが行くなら、僕も行くよ………フフフ」
着いてくんなぁあぁ……!
時と場所は変わり、駅前。
「おーーい!遊、こっちだぁ」
佐藤が無駄にデカい声で僕を呼んでいた。
「あの短髪でアホそうなのがジャ〇アンだね?」
後ろで、なぜか付いてきた奴裸餌悶がそう呟いた。
てか、妙に毒舌だな。奴裸餌悶。
「……そうだよ」
いちいち否定するのめんどくさいから、もうそれでいいや……。
「あ!例のとおり、ジャ〇アンの名前もかえてよ?」
「何て言えばいいんだい?遊太くん」
「…………………………………………ジャ〇アン…Mk.2………」
「ジャ〇アン……何?」
「……ジャ〇アンMk.2。通称Mk.2」
我ながらアホな名前を考えてしまった。
「分かったよ。遊太くん」
ごめん。佐藤、お前の名前今日からMk.2だわ。
とりあえず、佐藤たちのいる場所まで行くことにする。
「遅かったじゃねぇか、遊!何してたんだ?」
「ごめんごめん。まぁいろいろと……ね」
「なんだそりゃ?まぁいいや。さっそくどっか行くとしようぜ!」
「うん。そだね」
異様な存在感を放っていたマイケルは、あえて無視する。
すると、佐藤が奴裸餌悶に気付いた。
「お?悠、誰だそいつ?」
「えーと…こいつは…奴裸餌悶…」
「おぉ!ドラえもんか!マジか!俺、昔から空を自由に飛びたかったんだよー!」
「いや…ドラえもんじゃない。奴裸餌悶…ね」
「どこが違うんだ?」
「表記」
「?……まぁいいけどよ」
「よろしくな!奴裸餌悶!」
「よろしく。Mk.2」
「Mk.2?何だそれ?」
佐藤がこっちを向いた。
僕はすかさず視線を逸らす。
じーっと見てくる佐藤。
「………………」
「………………」
長い沈黙の末、佐藤が言った。
「俺の下の名前はMk.2だったのか!」
何か勘違いしてくれた!
てか、自分の下の名前知らなかったのか!?
「そ、そうなんじゃない?てか、そうだよ。きっと」
「そうかそうか!俺の名前は佐藤Mk.2だったのか!」
あ、佐藤は下の名前最初からなかったのか。
てか、作者が決めてなかっただけか。
「遊!今日から俺のことをMk.2と呼んでくれ!」
「いや、普通に佐藤って呼ぶことにするよ。それより早く行こうよ。遊ぶ時間がなくなる」
「そうだね。遊太くん」
「θεθ」
「おう」
一通り挨拶を終えたので、街へ向かうとする。
向かう先は、電車で10分程行った場所にある街だ。
ゲーセンやカラオケなどの娯楽が多いため、学生の遊び場としてよく利用されている。
「着いたぁぁ!」
「小学生じゃないんだから、そんなこと大声で言わなくていいよ」
街に着いた僕たちは、とりあえずゲーセンに行くことになった。
「さて、何しようかな」
「遊!こっちだ、こっち!」
「どうしたの、佐藤?」
「クレーンゲームがあるぞ!」
ゲーセンなんだからあるに決まってるだろ……。
「うぉ!このぬいぐるみ欲しっ!」
お前は少女か……。
「遊ぅ~!取ってぇ」
お前は僕の彼女か……。
そして、気持ち悪い……。
「べ、別にいいけどお金は佐藤が出してよ?」
「おう!頼んだぞ、遊!」
そう言いならがら、佐藤は僕に100円玉を渡した。
「よぉし……!」
佐藤にもらった100円を入れ、ゲームを始める。
狙うは、手前の左側にあるクマのぬいぐるみだ。
ちなみに、取るための穴は手前の右側にある。
早速始めるとする。
まずは横にクレーンを動かしぬいぐるみのところまで持っていく。
「……っよし!良い感じだ!」
次に、縦にクレーンを動かす。
ぬいぐるみが一番手前にあるため、縦に動かすボタンはちょっと押すだけでよかったのだが……。
「あっ!ミスった!」
長く押しすぎてしまった。
案の定、クレーンは目標のクマのぬいぐるみを取るコースから外れてしまった。
「おい、遊!どうすんだよ!」
「ごめんごめん。……あ、でも違うの取れそうだよ!」
目標のクマのぬいぐるみの奥にあった、別のものにクレーンが引っ掛かった。
「よし!取れる取れる!」
しかし、取れたものはぬいぐるみではなかった。
「…………………」
「…………………佐藤……いる?これ」
「…………いらん………」
「…………………」
取れたものは、なぜクレーンゲームの中に入っているのか分からないほどボロボロの洋人形だった。
てか、何か怖いんですけど……この人形……。
何か口から赤いもの垂れてるんですけど……。
今にも「わたしメリー」とか言い出しそうで怖いんだけど……。
まさに呪いの人形だった。
「…………佐藤……これは、君のものだ」
「仕方ない。言い出しっぺは俺だしな!俺が処分してきてやるよ」
「……うん……」
呪われても知らないけど……。
次に僕らはレースゲームをした。
結果は、マイケルが1位、僕が2位で奴裸餌悶が3位、佐藤がビリだった。
てか、マイケルズルしてなかったか?なんかマイケルの車両空飛んでたけど……。
宇宙人にはそんなことも可能なのか?
奴裸餌悶は、なかなかのドライブテクニックで、僕と激戦を繰り広げた。
佐藤は……口ほどにもなかった。
そのあともいろいろなことをした。
太鼓の達人したり、鉄拳したり。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎ、日が暮れたあたりで解散となった。
「じゃあなー遊!」
「θεθ」
「うん、じゃあねー佐藤、マイケル」
僕も家へと帰るとする。
「今日は楽しかったね、遊太くん」
まだいたのか……奴裸餌悶……。
「そういや、奴裸餌悶。君、どこに帰るつもり?」
「my houseだよ」
「……my houseってまさか……」
「遊太くんの家だよ」
「やっぱりか……。」
どうやら奴裸餌悶は僕の家に居候する気らしい……。
「はぁ……」
そして、僕の家に家族が1人増えたのであった。
その頃、佐藤とマイケルは帰路が同じだったため、一緒に帰っていた。
「今日は楽しかったな、マイケル!」
「ηεη」
「そうだな!」
「μνλτφχ?」
「え?そうなのか?俺はいいと思うぞ?」
「ΥΦΥ……」
「そうだって!落ち込むな!」
「σφπρρο!」
「そうだぞ!」
「ηДη!」
「はっはっはっ!」
常人には、意味不明な会話をしていると、帰路か分かれ道に差し掛かった。
「じゃあ、俺こっちだから。じゃあなー、マイケル!」
「ιδεδ」
マイケルと別れてしばらく歩いていると、佐藤はクレーンゲームで取った洋人形のことを思い出した。
「あ、そういやこれどうすっかなぁ……」
すると、ふとゴミ置き場が目に入った。
「じゃあここに置いとくか。……よし。さて、今日の夕飯は何かなぁ~♪」
佐藤は、口笛を吹きながら歩き出した。
このとき、佐藤は知らなかった。
ゴミ置き場に捨てた洋人形が、佐藤のことを見つめていたことを。
その洋人形の名前が「メリー」だということを。
はっはっはっ、書くことないww