第4話:それぞれの役目
マジョールには、ダンジョン守護総括をやってもらう。一番頭がキレる守護者であり、ダンジョンに仕掛ける罠や、魔物達の効率の良い配置などを安心して任せることが出来る。もしダンジョンコアを破壊されたら、俺はもちろん、守護者たちも全員死んでしまう。だからダンジョンの守護はある意味最も重要な役職と言える。マジョールならきっと上手くこなしてくれるだろう。
イザベルには、アイテムの実験などを担当してもらう。この世界には様々なアイテムや、魔法の呪文などが有るらしい。だが、俺たちはそれらを余り知らない。だから、それらを収集し、実験を行っていく必要がある。悪魔は器用であり、研究に向いていると思ったので任命した。
エンジュには、回復アイテム作成と、冒険者役をやってもらう。天使は、回復などの光魔法が得意だ。体力回復ポーションや魔力回復ポーションを作成してもらう。冒険者役とは、その言葉通り、冒険者になってもらうということである。俺とエンジュの二人組パーティーとしてギルドに登録し、冒険者になるのだ。冒険者になってランクをあげていけば、様々な情報を入手出来るようになる。そのサポートにぴったりだと考えたのである。
ブロークには、情報収集全般を担当してもらう。理由は二つある。一つは、ブロークだけで無く、眷属であるドラゴニュートも人化できること。もう一つは、念話が使えることである。念話は、脳内で直接会話をすることが出来るという能力で、離れた場所でも使用できる。情報伝達にもってこいである。
スノーグには、ダンジョン拡張と魔物捕獲を担当してもらう。ダンジョンは俺が転生したときにはすでに出来上がっていたが、拡張してはいけないというルールはない。残念ながらダンジョンコアの位置は動かせないようだが、ほかの階層を広げたりすることは意味がある。地面を掘り進めるのが得意な大蛇にこの作業を一任する。また、強そうな野生の魔物をこちらの味方に引き込むのも重要な仕事である。捕獲した魔物は、マジョールの契約魔法で完全な味方に変える予定である。なお、強制的な捕獲を行うのは、知能や感情を持たない魔物のみとする。
メータイルには、情報収集のサポートや、防具作成、その他の雑用を任せる。大量の眷属の中には、透明なスライムや、防御力に特化したスライムや、変身が得意なスライムなど、様々な種類がいる。透明なスライムは、情報収集のサポートに向いている。防御力に特化したスライムは、それ自身を防具へと加工して、守護者たちに装備させる。きっとどんな高級防具よりも強力である。
フェンリーには、魔物捕獲のサポートと、アイテム収集をしてもらう。フェンリルの一番の長所は素早さである。【神速】という固有スキルを所持していることも大きい。魔物を捕獲するのにスピードは重要である。また、フェンリルの感覚はとても優れており、物を探すことが得意である。故にアイテム収集を任命した。
今のところはこのくらいだろう。
とりあえずは、一週間に一度ダンジョンの第8階層に集合して、途中経過を報告することにした。もちろん必要があれば随時連絡をとりあうのだ。