第22話 ゴブリン精鋭部隊
ーーーーー
俺の名前はイー。
リュウさまに直々に付けていただいた名前だ。精鋭部隊として認められた時にこの名を授かった。
精鋭部隊の人気は凄まじく、この座を勝ち取るのがいかに大変だったことか。
しかし、血にまみれた争いとかは一切なかった。ご主人さまであり、このダンジョン【セブンス】の総支配人であるリュウさまの方針は、『みんな仲良く』であった。
それを聞いたとき、心から感動したのを覚えている。
とにかく、そんな心優しいリュウさまのお陰で、俺は幸せなゴブリン生を送っている。
今日もいつも通り訓練を、、、。
そんなことを思っていると、マジョールさまから指令が届いた。
ついに、出番が来たようだ。
どうやら、人間たちがセブンスに攻めてくるらしい。
人間どもめ。今の俺たちに勝てると思うなよ、、、。ああ、楽しみだ。
そして俺は、精鋭部隊を呼び出す。
「リャン、サー、スー、ウー。集合だ。」
「「「「あいあいさー隊長!」」」」
こいつらは信頼している精鋭部隊の部下たち。実は俺、隊長なんだよね。
リュウさまの期待に応えるため、いつもより気合が入っている。心なしか、手が震えている気がする。でも、楽しみなのは確かだ。俺たちは見違えるほど強くなった。
そして精鋭部隊だけに与えられた、最強の防具もある。もちろん、武器も強力だ。
俺たちの部隊を紹介するとしようか。
・イー。
俺な。隊長をやっている。
部隊の指揮役かつオールラウンダー。武器は片手剣。属性魔法は使えないが、無属性魔法は俺の自慢だ。片手剣の威力を最大まで高める、ため技が得意。
・リャン
精鋭部隊が身につけている防具は、ただでさえリュウさまにもらった最強装備である。それに加えてリャンは、巨大な盾を持っている。完全なタンク役である。その盾の効果により、敵の攻撃を引き寄せることが可能。
・サー
弓の達人。生まれた時から訓練を積んできており、弓のこととなると目がない。セブンスにやってきてからもその才能をかわれ、ドライ様(マジョールの眷属の1人)の直々の指導の元、風属性の魔法を獲得。これによりさらに精度と飛距離が増した。ちなみに女性である。
・スー
槍使い。武器は槍とレイピアで迷っていた。とりあえず突き技が得意な模様。スーの強みは素早さだ。その代わり、叩き斬るという力技は苦手。だからこそ、力が無くても大ダメージを与えることの出来る突き技を極めたのである。
・ウー
ゴブリンの中でダントツで珍しい魔法使い。生まれた時から魔力の適正が高く、魔法使いとして育てられた。しかし、周りに師匠となる者がいるはずもなく、独学では限界が来ていた。セブンスに来てからというもの、ウーの目は輝いてばかりだ。自分の知らない魔法をたくさん教わることが出来て楽しいのだろう。使命感ではなく、楽しく魔法を学んでいるため、習得も早い。ちなみに女性である。
さて、示しにいこうか。俺たちが、どれほど強くなったのかということを。