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第18話:クロードの生活


②クロードの生活


私の名前はクロード。リュウ殿にセブンスに連れてきてもらった。人質の様になっていた家族を取り返してくれたリュウ殿にはいくら感謝をしても足りない。

 それどころか、聞いてほしい。ここでの生活の素晴らしさを。まず、ただでさえ綺麗な川の水を精錬し、とてもおいしい飲み水に変える技術がある。最初は魔法かと思った。しかし、ゴブリンたちも使えることから、魔法では無く科学技術なるもののおかげであると知った。リュウ殿の知識は本当に収まるところを知らない。


 そしてその綺麗な飲み水が、水道という道を通じて、我が家につながっている。つまり、家に居ながらいつでもその水が手に入るのだ。わざわざ私たちの家族のために家まで建ててもらって、最高の生活を送っている。ゴブリンというと、野蛮なイメージがあったが、ここにいるゴブリンはまったくそんな気配もなく、むしろ優しく接してくれる。娘に至っては、ゴブリン達と仲良く遊んでいる。

 妻も、おおらかで天然な部分が多いので、とくに種族差別も無くゴブリンたちと会話し、楽しそうに笑っている。



そういえば最近、どんどんセブンスの居住者が増えている気がする。冒険者っぽい人達から、貴族のような人、貧しいホームレスのような人、賢そうな医者など。一番驚いたのは人魚達か。綺麗で澄んだ大きな川を眺めていたら、中から突然でてきたときは腰を抜かしそうになった。

 笑顔がとてもかわいい。マーメルっていう名前らしい。聞けば、家族で澄んでいた湖が、人間達のくだらない争いのせいで汚染され、みんなどんどん弱っていたところを、リュウ殿に助けられたらしい。

 ここまでくると、もはやリュウ殿は神様なのか?一部ではリュウ殿を神様として信仰する団体まで出来ているらしい。

 私も入ってみようか・・・。そんなことを考えていると、


 「こんにちは~クロードさん。今日もお邪魔していいですか~。」


お、この声は、猫人族のミオちゃんだな。

「もちろんだ。今日もきてくれてありがとう。」


そう、毎日の一番の楽しみは、ミオちゃんが持ってきてくれる料理だ。

王宮の高級料理でもまったく比べものにならないほどの最高においしい料理。聞けば、この料理もリュウ殿から教わったという。もちろんミオちゃんの腕前も相当なものだろうが、リュウ殿の知識は一体どこからくるのか。


「おー、今日は“かれーらいす”か。これを初めて食べたときは感動で泣いたなあ。」

「私もですよ。リュウ様に材料をもらって、教わりながら作ったんですけど、おいしすぎてテンションがおかしくなりました。」


するとにおいにつられたのか、妻と娘もリビングに入ってきた。

「やったあ-。かれーだ~。」

「まあ、ほんとにいつもありがとうね、ミオちゃん。」


こうして、家族そろって最高においしい物を食べ、日中はゴブリンたちと一緒に仕事をし、夜はのんびりと本をよんだり会話を楽しんだり・・・。


 楽園での生活がいつまでも続くことを心から祈っている。



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