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黒白の王と闇夜の剣  作者: 獅猫
第一章 ー真夜中の幻想ー
8/91

8-風の神霊獣-

今回も少し長め。今まで出て来た相手とは一味も二味も違います。

俺たちが銃士バートと別れ、【サンセルム】を出てからもう一か月が経った。【ガーベラック】にたどり着くまでのこの一か月間。俺たちは帝国基地を潰しながらも各地で賞金首モンスターを討伐するという日々を続けていた。


その間一週間ほどゾナの村に滞在して海竜モンスターや魔獣などとも戦ってレベルもステータスや熟練度もかなり上昇した。


俺のレベルは22、片手剣熟練度B560でHP2500、MP7100。SAサポートアビリティ隠蔽ハイディング追跡チェイサー空間転移ワープ別次元格納ディメンションストレージなど。ソフィもレベル23になったようで狩りも楽になった。


だが最近不思議なことが起きた。俺のSA欄に【剣創ソードクリエイション】という謎のスキルが出現した。名前から大体どんなスキルか想像できるのだが、このスキルの使い方はあまりわからない。


この前の剣を出現させたもののことかとも思うが、アレ以来発動できていない。誰にもそのことは話していないし最近はあまり考えないようになっている。


ソフィ曰く、この世界には技であるAAアーツアビリティや補助スキル的なものであるSAサポートアビリティの他にも【固有スキル】というものがあるらしい。これはその人の生まれや家系などで決まる、先天的なスキルらしい。


俺の【剣創】もそれのことかと思ったのだが真相は分かっていない。ちなみにソフィは【神威・C】というスキルを所持しており、その人の属性に神属性が少し含まれるらしい。だがどんなものかは全然わからない。


俺たちがたどり着いたガーベラックは今までの中で最も大きな町でここ数日間の拠点にできそうだ。俺たちはいつも通りソフィの要望で有名な料理店に入った。丁度腹もすいてきたので良いタイミングだ。


俺はその店の中で奇妙な張り紙を見つけた。手配書だ。報酬金は250万。危険度レベルは10段階の中でも9。相当危険なのだろう。名前はフレースヴェルグ。どこかで聞いたことがあるような名前だったがどこで聞いたかは思い出せない。


俺は店主にこの張り紙について聞いてみた。

「マスター、この張り紙って何だ?」


俺がそう聞くと店長は呆れ笑いを浮かべた。

「お客さん、そいつは鳥さ。異常にデカいな。最近この町に現れていつかここを襲うんじゃねぇかって言われてるんだ」

「…鳥か」

「最近討伐隊が結成されて奴の巣窟の山麗に向かったが全員返り討ちにされたよ」

「へぇ…」


俺の気持ちを読み取ったかのように苦笑した店長が言う。

「お客さん、挑むならやめときな。近くの砦から派遣された衛兵20人の兵士隊を壊滅させた相手だ」

「そ、そうだな」


心情をズバリと言い当てられた俺は苦笑いしながらそう言う。返す言葉のなかった俺は一応気になったことを店長に聞いてみる。


「デカイってどのくらいなんだ?」


すると店長は困った顔をして悩んだ末言った。

「アレを見たことがない奴は言っても信じないだろうな。とにかく異常だ。信じられないぐらいな」

「そんなにか…」


その後、レストランを出た俺たちは携帯食料けいたいしょくりょうやアイテム類を購入してから宿屋に戻った。そして宿屋で休んでいたらソフィが俺にある提案を持ちかける。


「エイト、この前砦に行って分かったんだけど…」

「…ああ、何だ?」

「やっぱり帝国は強い。私たち二人の力だけじゃどうにもならない。私の巫女としての力を使う必要があるかもしれない」

「そうだ、その巫女ってのは何の力を使えるんだ?」


俺はソフィに言った。この前のゴルテアも彼女を知っていたようだし何かあるのだろう。俺が聞くとソフィは答えた。


「私たちの里で代々受け継がれる【神霊の巫女】の力。それは【神霊獣】と対話したり力を借りたりできるの。私の固有スキル【神威】のおかげで会話できるわけ」


俺は首を傾げてソフィに聞いた。

「ソフィ、【神霊獣】ってのは?」

「えっと…エイトは【神霊獣】知らないんだ?」

「…うん、知らない」


俺が申し訳なさそうに言う。ソフィも当たり前のことを知らない人を見るような目で見てきた。

「神霊獣っていうのは、簡単に言うと神獣。もしくは神。人間とは比べ物にならない程の力を持つ最強の種族」

「そんなのが…じゃあなんでソフィはそんな奴の力を?」

「それを話すと長くなるんだけど…。じゃあまずこの世界から説明するわね。1000年以上昔、世界はまだ人間界や魔界、神霊界に別れてなくて一つの世界だったらしいの。でもある時、世界の覇権を賭けて二つの勢力が争いを始めた」


他の人が聞けば、そして彼女以外の人が語れば、ただのおとぎ話、もしくは創られた神話だと思うだろう。だが彼女が語ると、それは真実の神話と化す。


♢♦


ーその勢力が【神霊軍】と【冥界軍】。【神霊軍】は神霊獣である【神族デウス】、【天使族エンジェル】、【竜王族ドラグロード】、【幻獣族ファントムビースト】などと精霊である、【妖精族フェアリー】と【霊体族アストラル】が同盟を結んだ軍。【冥界軍】は魔族である【邪神族ヘルデウス】、【悪魔族サタニキア】、【魔獣ヘルビースト】と【巨人族ギガンテウス】が組んだ軍。その二つがこの世界を舞台に戦争…【神冥大戦】を繰り広げたらしい。


で、その大戦の最中、ごく少数の人類と神霊軍は手を組み、暴虐の限りを尽くしていた魔族を、禁忌魔法によって世界を四つに分断するという方法でこの世界から追い出すことに成功した。


神霊獣とはその時に人類と力を合わせて戦った【神族】・【天使族】・【竜王族】・【幻獣族】の総称。今は神話と同じように別の世界にいると言われている。


そしてその大戦の最中。人間と神族デウスが何らかの方法で混じり合い、その二つの種族の混血となる一族が誕生した。それが【神霊の巫女】なのだとソフィは言う。


♢♦


「…まあ神族との混血と言っても大した力は持ってないんだけど。…なんせ【竜王族ドラグロード】でもあり神霊獣全ての王でもある【黒龍】には一瞬で大陸一つ消し飛ばすほどの力があるみたい」

「…大陸一つって…!」


俺が驚いてそう言うとソフィが真剣な顔になって言う。

「で、私の旅はこの神霊獣の力を集めて修練するってものなの。で、さっきのマスターが言ってた怪鳥も神霊獣かもしれないって思って」

「…すなわち直々に会いに行くと」

「…そうなるね…」


俺たちの間に沈黙が流れた。神霊獣などというものと戦えば生きている保証はない。俺は数秒悩んだ末答えた。

「まあ行ってみようぜ。もし力を得ることができれば大きな戦力だ」

「…ありがと…エイト」



♢♦♢♦



山麗で眠っていたそれは、朝日を顔に受けて目を覚ました。最近は下にいる人間どもが討伐隊を結成してよく向かって来る。人間とは敵対したくないので極力追い払うだけにしているが、その数が多いのでさすがに疲れる。だが彼は待たなければならない。かの者たちに力を貸し、最終戦争に備えるために。

『(…この魔力は…)』


彼は下界の町(人間の言葉でガーベラックというらしい)から異様な魔力を二つ感じた。そしてその片方は彼が待ち望んでいた「かの一族」の魔力に違いない。


『(我も行くか…)』

そして彼は巨大な翼を広げてガーベラックへと飛んだ。



♢♦♢♦



俺たちは宿屋で宿泊した次の日、その怪鳥が巣窟にしているという山麗に向かう準備をした。もし戦いになったときのためにアイテム類も補充しておく。レベルも上がってスキルポイントもだいぶ溜まったので何かアビリティを習得しようとステータスカードを見る。


俺が何を獲得すべきか迷っているとそこの店で色々と買い物をしていたソフィが出てきた。

「準備できたね、行こうか」

「おう。そうだな」


そして俺たちは山麗に向かうべく町中を歩き始めた。これからは今まででも最大最強のモンスターを相手にする。穏便に済めばそれが一番だが神獣から力を借りる時は力を示すというのがRPGの定番だ。


俺がそんな神獣を相手にするなど思ってもみなかったが、それ以前にソフィがそんな凄い力を持っていたことにも驚きだ。


俺は無意識に、天を仰ぐようにして顔を上げて空を見る。


すると町に向かって飛んでくる巨大な黒い影が見えた。一瞬それが何かわからなかったが、すぐに超巨大な鳥だと気づいた。ソフィもそれに気付いたらしく驚いて声を上げる。町の人々も悲鳴を上げている。


そしてその巨大な影はどんどんこちらに向かって降下し、町の俺たちがいる場所から少し離れた場所、恐らく中央広場のあたりへと着陸した。


「ソフィ…!」

「うん!急ごう!」

俺たちは中央広場への約100mの距離を走り抜けた。中央広場からは逃げ惑う人々の声や応戦する兵士たちの声が聞こえる。俺たちは走るスピードを速めて中央広場へと向かった。

そして俺は中央広場に飛来した「それ」を見た瞬間息を飲んだ。


「…ッ!おいおい…コイツ…!」


俺が見たのは全長35~40mはあろうかという漆黒しっこくたかだった。だがただの鷹ではない。尻尾は爬虫類のようで先端には翼がある。顔にも耳のように小さい翼が生えている。顔も鷹とドラゴンが混ざったようで翼にはかぎづめも生えている。


その怪鳥は俺たちの姿に気付くと人鳴きして翼を広げた。そして大きく羽ばたく。俺もソフィもその風圧に思わず手で顔を覆う。凄まじい風圧で飛ばされないのに必死な状況だ。


だが次の瞬間、驚くべきことが起こった。

怪鳥は俺たちの方に低空飛行で飛来し、

俺とソフィを足で捕らえると空へと舞いあがった。


「おい!放せ!」

俺の投げたダガーも翼の風圧で吹き飛ばされる。そして怪鳥は俺たちを掴んだまま大空へと飛び立った。

「うわああぁぁぁ!」

「きゃあああぁぁ!」


俺とソフィの悲鳴が大空へと響き渡る。俺は風圧に耐えて怪鳥が向かう方向を見た。それは俺が店長から聞いたここらで最も高い山麗だった。


「無事かソフィ!」

風圧に遮られそうだったので大声で叫ぶ。すると隣の足から大声で返事が返って来た。

「私は大丈夫!」

俺たちは何もできずに怪鳥に連れ去られた。


そして怪鳥は山麗に到着するとゆっくりと下降し、俺たちを山麗にある大きなスペースへと落とした。俺たちはどうにか着地する。おそらくここがこいつの巣窟だろう。怪鳥はその巣窟の俺たちとは反対側に着陸した。どうやら食べるつもりではないらしい。


「ソフィ、こいつが…」

「この魔力…間違いないね…。風の神霊獣フレースヴェルグ」


俺はそこで、そこでこの名前を聞いたのか思い出した。確か神話だ。北欧神話だった気がする。鷹もしくはわしの姿をした神。この世界にも神話はあるらしい。まあ元の世界と違うのはその神話の生物が実在することだが。



♢♦♢♦



ソフィリアはフレースヴェルグに念話で語り掛けた。

『(私は神霊の巫女ソフィリア。【白の巫女】と呼ばれています。)』

『(やはりそうか。大いなる魔力を感じて下界に降りてみたが…。)』


ソフィリアは対話が成功したことに内心ほっとしながらも再び語り掛ける。

『(あなたは何故私たちをここに?)』

『(決まっているだろう。…我の力を得たくば力を示せ…!)』



♢♦♢♦



何やら怪鳥と対話していた様子のソフィが俺の方を向いて言う。

「エイト、武器を構えて。最初の儀式みたい」

「やっぱりな…どうせ力を示せとか言われたんだろ?」


俺がそう言うとソフィが「なんでわかったの?」というような顔をしてこちらを見る。

「まあ今はともかくあいつを倒すことに集中するんだ」

「…そうね」


俺たちのやり取りが終わると、フレースヴェルグは翼を広げて咆哮ほうこうした。すると俺とソフィの間に小さなつむじ風が出現する。それを見た途端ソフィが叫んだ。

「エイト!横に跳んで!」

「おう!」


俺はそのつむじ風とは反対方向に大きくジャンプして回避する。そして次の瞬間そのつむじ風が巨大な竜巻になって俺たちがさっきまでいた場所がえぐられる。俺は改めて神霊獣の強さを実感した。


「今度はこっちから行くぜ…!」

俺はそう言うと剣を持ったまま全速でフレースヴェルグに向かう。時折足元にフレースヴェルグの引き起こした竜巻が出現するがそれを回避しながらダッシュする。ソフィも同じようにフレースヴェルグに向かっている。


俺はフレースヴェルグの眼前で大きくジャンプした。するとフレースヴェルグが翼の羽ばたきで引き起こした風の刃、すなわち鎌鼬かまいたちが俺に向かって来る。俺はフレースヴェルグの方向にワープしてそれを回避して相手の胸部に二刀で攻撃する。


そしてもう一度ワープして滞空を維持。今度はAAアーツアビリティ【クロスブレイク】で再び攻撃する。そして俺は着地してフレースヴェルグの踏み付け攻撃を剣で弾く。そしてソフィと入れ替わるように後ろに下がった。

「ハアアァッ!」


ソフィはレイピアの突き系AA【ピアース】で攻撃し、凄まじい速さで連続攻撃を加える。クロスに斬り裂いた後縦に二連撃、そして最後に突きを放つAA【ソニックスラッシュ】。そしてソフィも後ろに下がった。

「来るぞ!」


俺はフレースヴェルグの放つ鎌鼬と竜巻をいなし続けた。ソフィは更に後ろに交代する。俺はソフィに向かって放たれる攻撃をどうにか全て弾く。なぜなら彼女は今、攻撃魔法を詠唱しているからだ。


「喰らいなさい!」

ソフィの詠唱えいしょうが終わり、聖属性の光球が無数に出現する。そしてソフィはそれを放った。その光球から光の筋のような光線が放たれる。


フレースヴェルグもそれを翼でガードするがやはり無傷ではないようだ。翼に裂傷が無数にできている。


だがフレースヴェルグはそれを気にせず、再び咆哮ほうこうすると風属性の魔力を出現させた。そして自身の目の前に魔法陣を出現させるとそこから先程の鎌鼬よりもさらに大きく、鋭利えいりな刃が次々と放たれる。


俺とソフィはそれをどうにか防ごうと試みるが完全には防ぎぎれずに体に切り傷を負う。

「【エリアルスライサー】…風属性の上位魔法ね…」

「へぇ…上等!」


俺は再びフレースヴェルグに向かった。今度もワープで眼前に行って二刀で思い切り攻撃する。そして【スティンガースラスト】を放つ。その剣はフレースヴェルグを貫くもさしてダメージはない。


やはり威力が足りない。ソフィが再び魔法を放つもやはりフレースヴェルグに阻まれる。今度は先ほどのエリアルスライサーでソフィの聖属性魔法を完全に相殺した。


「これが神霊獣の力か…!」


俺はどうにかフレースヴェルグの放つ刃を弾き続ける。だがやはり俺の二刀の剣だけでは手数が足りない。先程ソフィの聖魔法を防いだフレースヴェルグのエリアルスライサーのように、数には数で対抗しないといけない。


フレースヴェルグが再び魔法を放つべく魔力を溜める。俺はあの時使った剣を再びイメージした。剣の形、感触、大きさ、重さ、全てを頭の中でイメージする。そして魔力を集中させる。


「うおお…おおぉぉ!」

そしてフレースヴェルグは再び無数の風の刃を放つ。それと同時に俺も魔力を解放する。その途端、俺の周囲に漆黒しっこくの剣が数本出現した。集中力と魔力を保ってその剣をコントロールし、一斉に射出しゃしゅつする。ソフィとフレースヴェルグにまでも驚きの表情が浮かぶ。


俺の剣たちはフレースヴェルグの刃とぶつかり合い、相殺そうさいした。俺は残り少なくなった風の刃を全て弾くと、再びフレースヴェルグに向けてダッシュした。風の刃を弾きながらフレースヴェルグの方へ向かう。そして相手の前で高くジャンプしてワープで眼前がんぜんに行く。そしてフレースヴェルグは空中の無防備むぼうびな俺に再び風の刃を放った。


封魔剣スペルブレイカー…!」

俺は両手を通じて二本の剣に魔力を集中させる。そしてその魔力をまとった剣で風の刃を斬り払う。全武器共通AAアーツアビリティである封魔剣スペルブレイカーは武器で攻撃した自身の魔力値よりも低いレベルの魔力を無効化するというものだ。俺の剣によってフレースヴェルグの風の刃は全て消え去る。


俺はワープで相手の眼前に行くと剣に魔力を込めた。そしてX印、十印に斬り裂く。そしてそのクロスと十字の中心に魔力を込めた全力の突きを放つ。【ザ・アルタイル】。そしてすかさず左手で【スティンガースラスト】を放った。


フレースヴェルグも初めて苦しそうな素振りを見せるが再び風魔法を放とうとする。だが後ろから聖属性の魔法が放たれてフレースヴェルグの風魔法を相殺そうさいする。ソフィの魔法だ。俺は再びワープで真上に飛んで滞空を維持すると、右手の剣を思い切り引いた。


ほとんどのAAアーツアビリティには進化系が存在し、その技を放ちAA熟練度を上げることで進化する。そして先程のスティンガースラストを放った時に、俺のスティンガースラスト熟練度が上がり、上位技へと進化した。

「うおおおあぁぁ!」


俺は咆哮ほうこうしながら全力の突きを放つ。上位スラストAA【アクセルスラスト】。今までよりも断然速く、強烈な突きを喰らい、さすがのフレースヴェルグもノックバックした。


俺は地面に着地すると次の攻撃に備えて後退した。だが、フレースヴェルグはいつまでたっても攻撃してこない。俺は戦闘態勢を解除した。



♢♦♢♦



ソフィリアは戦う意志のないフレースヴェルグからの念話を待った。そして頭の中に言葉が流れ込む。

『お主等の力、しかと見た。我が力を授ける。』

そう言うとフレースヴェルグは翼を広げ、ソフィリアに向かってなにやら風の魔力の光球を差し出した。ソフィリアが手をかざすとそれは彼女の体の中に流れ込む。


『では巫女よ、必ずや悪を打ち払うのだ。そこの剣士にもよろしく頼む。』

『はい。…ありがとう、フレースヴェルグ。』

フレースヴェルグは翼を広げて咆哮ほうこう|すると、空へと舞い上がった。やがてその姿は見えなくなる。その姿を見つめていたエイトもソフィリアの方へ向かって来る。

「帰ろう、ソフィ。」

「…うん。」


エイトとソフィリアは熾烈な戦いを終えてガーベラックへ戻った。だがこの山麗から下山するのも一苦労で、町に帰ったころには日が暮れ始めていた。



どうだったでしょうか。この【神霊獣】、これからの物語の鍵である存在です。この風のタカさんでも強いほうではありません(笑)。まあ規格外な奴らばかりです。

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