7話
すいません。街につくのはまだでした、
「やったー!抜けたー!」
森を抜けて、道のような所にでる。魔導書の矢印は左に向いている。街までもうすぐだ、そう思う。
森でボルトを仲間にした後、矢印どうりに進んで行き、途中、犬や兎などの魔物に襲われたが、逆に返り討ちにし、僕もボルトもレベルが上がった。
浅井拓也 17歳 男 レベル:7
体力: 2500/2500
魔力: 30000/30000
攻撃力: 250
防御力: 250
俊敏性: 270
ボルト(ボルトスライム) レベル:4
体力: 20/20
魔力: 40/40
攻撃力: 7
防御力: 10
俊敏性: 24
レベルが上がったせいか、ボルトはスキルにあった雷魔法も使えるようになった。
倒した魔物だが、鑑定をして街で買い取れることができるものをアイテムボックスの中に入れた。
「ん?何かある」
しばらく、歩いていくと、遠くに武器を持った男達が高級そうな馬車に群がっていた。
冒険者の護衛か、と思ったが、よく見てみると鎧を纏った兵士らしき人が剣や斧、弓で襲われていることがわかった。
「盗賊!!」
僕は全速力で馬車の方に走っていく。状況は、盗賊たちに次々と兵士が倒されていく。馬車の中には、怪我をした老人と女の子がいるみたいだ。まずい!
「ボルト、雷魔法で盗賊たちの動きを止めて、一瞬でいい」
僕は、ボルトを盗賊の方に向けて投げる。
ボルトは、雷魔法で自分の体に電気を溜め込むと、そのままおもいきり電気を撒き散らした。
「なんだ?魔物か?ギャアアアア!!」
「お、おいどうしギャアアアア!!」
「なんで、こんなところに魔物か、ギャアアアア!!」
「スライム?でも、色が違ギャアアアア!!」
ボルトの電気によって盗賊の何人かが、倒れた。
動きを止めるだけでよかったのに、でも
「おかげで、数が減った」
僕は、相手がボルトに気をとられている間にすかさず、盗賊を倒す。
「ぐ、ぐわぁぁぁ!!」
「タ、タイソン、くそ、小僧いつの間に」
盗賊たちは僕に気がつくと、すぐに戦闘態勢に入った。兵士たちは、何が起こっているのかわかっていないようで動きを止めている。ここは味方だってことをわからせないと
「助太刀します」
そう言って、盗賊を次々と倒していくと、兵士たちもはっ、となり盗賊たちを倒していく。
やがて、兵士たちの勢いにおされ、盗賊たちは不利な状況と判断し、逃げていった。
「ふー、お疲れボルト」
ボルトは、拓也の肩に飛び乗ると疲れた、とあらわすかのようにぐてー、と体を伸ばしていた。
まったく、可愛いやつだ。撫でやると、嬉しそうに震えていた。
「すまない…助かった…」
兵士の一人が傷だらけの体を引きずって、僕に声をかけた。
「いえ、たまたま通りかかったので」
「そうか…ありがとう」
兵士は礼を言うと少し安心した表情を見せる。だが、握った拳を震わせていた、仲間がやれて悔しんでいるのだ。他の兵士も皆、同じように悔しそうにしていた。
「誰か!誰か光魔法を使えるものはいませんか!お爺様が……お爺様が!」
不意に響いた女の子の声、僕らは、一斉にふりかえる。馬車の扉を開けて、自分と同じような年齢の長い金髪女の子が泣きながら、叫んでいた。
「な、ルメーア公爵様が!!」
兵士が急いで、馬車に駆け寄るって様子を見るが、青い顔をしている。相当重症らしい
「やっぱり、助けたからには、最後まで見ていないと駄目だよね」
ポツリとつぶやく言葉にあたりまえだ!と、いつの間にか覚えた触手を使ってペチペチと叩かれた。
街につくのは、まだまだ先になりそうだ。