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第三十五話 救出作戦開始!

 作戦開始だ!


「よーし、まずはオイラからだ!」


 レンドはやる気充分に首を数回ひねって姿勢を低くした。


「アホ牛、アタシの魔法に巻き込まれないでよ!」


「チビガキ、暴れても良いが『攻撃強化呪文アタック』の為の魔力は残せよ! あとレンドに絶対当てるな!」


 俺はチビガキを注意する。

攻撃強化呪文アタック』がこの作戦のキモ、だから他の魔法に魔力使い過ぎては作戦そのものが成立しなくなるからな。


「分かってるわよアホ骸骨!」


 本当に分かっといてくれよ、マジで。


「私の特製魔道具の威力、見せてあげるんだからね!」


 ……ひょっとしてミキさんの魔道具ってミキさんの手作りなの?

 魔道具科の生徒だから大丈夫……だよね?


「ふー」


 レンドは大きく息を吐きながら地面を二回足で蹴る。


「『突進』!!」


 そして頭の角を前に突き出しながら人間達に突っ込む。


「※※※※※!?」


 翻訳クリスタルを使ってないから言ってる意味は分からないが上手く混乱出来たみたいだ。

 男三人は避けられたがルポンは角が脇腹をかすってるな。

 直撃ではないがこれでルポンは当分戦えまい。


「次はアタシ!『氷結呪文フリージング』!」


「私も! 魔道具『呪文砲』!」


 チビガキは冷気を放ち、ミキさんは……何だあれは?

 前世のピストル? みたいな魔道具から火の玉を打ち出した。


「※※※、『※※※※※※』!」


 二人の攻撃はゾマの魔法で防がれたか。

 ゾマの呪文が分からないが爆発したから爆発呪文を使ったのだろう。


 レンドを見ると剣士のデロールと戦士のロヘロの二人を相手に奮闘してる。


 ルポンはレンドの『突進』で受けたダメージを自分の魔法で回復してる。


 そしてゾマのジジィは俺達に杖を向けて牽制してる。

 ……当然、カナさんを捉えてる籠を抱えながら。


 次は俺の番だ。

 必ず、必ずカナさんを助けるぞ!


 まだ効果は残ってるが念のために。


「『速度強化呪文アクセル』!」


 そして、そのままゾマに向かって走り出す。


「※※※※! 『※※※※※※』!」


 また爆発呪文か!?

 だがこのまま突っ切る!


 俺の盾に魔法は当たり爆発した。

 爆風に巻き込まれながらも俺は走る。


 この程度の爆発、さんざん親父に食らった『究極爆発呪文アルティメットノヴァ』に比べたら火の粉以下だ。


 若干体の表面をチリチリと焼かれながらも俺はゾマに迫る。


「※※※!?」


「『疾風斬り』!」


 俺はゾマの籠を持ってる腕を切り落とす。

 そして地面に落ちる前に籠を受け止めた。


「カナさん、助けに来ました。怪我は無いですか?」


 カナさんは小さな体を丸めて涙を浮かべてた。

 怖い思いをしたから泣いてるのは仕方ないな。


「は、はい。怪我は、な、いとおも、います」


 良かった、本当に良かった。

 カナさんが無事で良かった。


「もう少しだけ我慢して下さい」


 俺はチラッとゾマを見る。

 ゾマは腕を切り飛ばされた痛みで悶てる。

 ……本当はトドメを刺したいが今はカナさんの安全が優先だ。


 俺は籠を抱えながらチビガキ達の元に戻る。


「「カナ!!」」


「ふぇ〜、ルフレちゃ〜ん、ミキちゃ〜ん! こわかったよ〜!」


 俺は相棒で籠を斬りカナさんを籠から開放する。

 三人とも泣きながら抱き合い再会を喜んでる。

 三人を見てると俺まで涙が出そうだ

 おっと感動してる場合じゃない。


「レンド、カナさんを救出したぞ!」


「おっけー、『旋風脚』!」


 レンドは『旋風脚』で人間達をぶっ飛ばし俺達の方に走ってくる。


「チビガキ ミキさん、頼んだぞ!」


「チビガキ言うなって何回言ったたら分かるのよ! 『攻撃強化呪文アタック』!」


「まっかせなさい! カナを怖がらせた人間達に一泡吹かせてやるからね!」


 チビガキが俺に『攻撃強化呪文アタック』を掛け、ミキさんは腰のポーチから手の平サイズのボールを出した。


 俺は右腕でチビガキを、左腕でミキさん抱え、更にチビガキがカナさんを抱きかかえる。


「ふぇ!?」


「カナ、少し我慢しなさい!」


 カナさんはビックリしてるが説明してる時間は無い。


「キットー!」


 ここでレンドが俺達に合流し、レンドは俺の背中に抱き着く。


 人間達は俺達に攻撃しようとしてるな。


「ミキさん!」


「よっしゃー! 魔道具『光爆球弾(仮)』よ!」


 そう言いながらミキさんは魔道具を人間達に投げつける。

 ……(仮)って言った気がするのは気のせいだと信じたい。


 魔道具はとんでもない量の光を放ちながら爆発した。


 俺達はあらかじめ分かってたから目を閉じて光を見ないようにする。


 これで最後だ。


「みんな、しっかり捕まってろ! 『逃走』!」


 俺はみんなを抱えながら『逃走』を使う。

 普段の俺だとこれだけの人数を抱えながらでは動けないが『攻撃強化呪文アタック』の効果があれば動けた。


攻撃強化呪文アタック』は力を上げて攻撃力を強化する魔法だからこんな使い方も出来るんだよ。


 作戦成功!

 俺はみんなを抱えながら走り、成功した喜びを噛み締めた。

 もう人間達に追いつかれる心配は無い。


 今回は、今回は人質を無事に救出できた!

 やった、やったぞーーっっっ!!!


 オマケ


人間界と魔界では言語が違う。

翻訳クリスタルでキット達は人間と会話するが翻訳クリスタルが無いと今回みたいになる。


翻訳クリスタルは元々は声帯があまり発達してない魔族の為に開発された魔道具。

人間に使う為に開発された訳ではない。

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