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第二十九話 振り向くと女の子が!

【ルークス、冒険者ギルド】


「では、コチラの魔獣の買い取りでよろしいでしょうか?」


「はーい、お願いするよー」


 俺達は今、冒険者ギルドで魔獣の買取手続きをしてる。

 つってもレンドが全部やってくれて、俺は見てるだけだけどね。


 レンドは何年も旅してるだけあって慣れてるよな。

 こうやって見るとレンドって、年上らしい先輩冒険者って感じだよな。


「キットー、終わったよー」


「早っ!」


「だって、大きな町のギルドだもん。職員の人数が多いからねー。田舎だともっと時間掛かるよー」


 そんなもんなんか?


「じゃあ、武具屋に行こうよー。ルークスなら結構良い防具が買えるよー」


「そうだな行こう」


【ルークス、とある武具屋】


「鎧って結構高いなー」


「そうだねー、特に最高級品のプラチナメタル製だと小さい家と同じ位の値段するんだねー」


「そんなん絶対買えねー」


 俺達は武具屋で新しい防具を選んでる。

 レンドは道着だけだから直ぐに決まった。


 問題は俺、俺は鎧と盾を新調しないといけないが、これがメチャ高い。


 プラチナメタル製なんて贅沢は言わないが、出来たら今の装備と同じミスリル製が良いよな。


 だがミスリル製だと予算が厳しい。

 妥協して鋼鉄製にするか?


「やっぱ鋼鉄で妥協するか……」


「えー、それだとキットの素早さが下がるよー。鋼鉄はミスリルより重いし」


「問題はそれなんだよね、いっそ俺もレンドみたいな道着するかな?」


「お客さん、よろしいですか?」


 レンドと、あーだこーだ言ってたらサイクロプスの店員さんが話しかけてきた。


「お客さん、もし良かったら今装備してる装備を修理しましょうか? ウチは親父が鍛冶出来るんで。それなら新調するよりはお安くなりますよ」


「マジですか!? お願いします」


「良かったねーキット」


「おう、レンド。 じゃあ店員さん、防具の修理とミスリルの小盾を購入で」


「毎度あり、修理は夕方までには終わりますよ」


 よっしゃー、何とか予算内に収まった。


【ルークス、商店街】


 あれから俺達は、俺の防具一式を武具屋に預けてこの商店街にいる。


「キットー、食料以外に何かいるものあるー?」


「んー、解毒剤とかは?」


「それはまだオイラが在庫持ってるよー」


 で、修理を待ってる間に食料などの買い物。


 ちなみに俺は防具が無いから裸……って事は無い、ちゃんとシャツとズボンを着てる。

 男の裸なんぞ誰も見たくないだろ?


「なら買うものはもう無いかな、まだ時間あるけどどうする?」


「なら人間の情報集めないキットー?」


 情報か、クーゴさん達に貰った書類もこの辺りまでは書いてなかったからな。

 情報収集も必要か。


「そうするかレンド、なら俺は兵士署にでも行くか」


 兵士署なら兵士さん達が何か知ってるかもしれないしな。


「ならオイラはメイジザード学園に行ってくるよー」


「あっ、ズル!」


 それが目的か!


「だってキットが兵士署に行くって言ったんだよー、第一オイラは魔界騎士じゃないから兵士署だと門前払いされるよー」


「門前払いされるのは学園も一緒だろ!」


「フフッ、残念だったねキットー。冒険者ギルド経由で既にアボは取ってあるんよ」


 いつの間に? 抜かりねぇなレンド。

 そんなに学園の女の子達に会いたいかよ。


「じゃあ兵士署の方はよろしくねー」


 そう言うとレンドは風の如く走り去った。

 ……もうレンドが見えなくなったし、レンドってこんなに足早かったか?


 ……仕方ない、俺は兵士署に行くか。

 メンドクセー。


「どいて、どいてー! どきなさいよー!」


 後ろから女の子の声がする。

 ……嫌な予感が。


 振り向くとハーピーの女の子が目の前に!!


「「痛っっっ!!!」」


 俺達は当然ゴツンと鈍い音を出してぶつかった、しかも頭で。

 マジで痛いぞ。


 頭をさすりながら女の子を確認する。

 セーラー服を着た女の子は頭を抱えて悶てた。

 随分小さい子だな。


「ごめん。大丈夫だったおチビちゃん?」


 ブチッ!!


 何か久しぶりにこの音を聞いたような……


「誰かチビですって!? 炎弾呪文バレット!!」


「アッチーーッッ!」


 このチビ、いきなり真っ平らな胸から火の玉を俺にぶっ放しやがった。


「何するんだチビガキ!」


「アンタが失礼な事言うからでしょ、アホ骸骨!」


「俺はスケルトンだ! 町で魔法使ってる方が失礼だろがチビガキ! 公共の場での魔法は禁止されてるのを知らんのか!」


「チビガキ言うな! レディーあるアタシに失礼でしょ! 寧ろその程度で済ましてあげたんだから感謝しなさいよ」


「はぁ? お前見たいな常識知らずのチビガキの何処がレディーだって? 」


「またチビガキ言ったわねアホ骸骨! アタシは十六才よ!」


 マジで!? どう見ても八才位だろ?


「嘘付いてんじゃねぇ、チビガキ。お前見たいなペチャパイチビの何処が十六だってんだよ!」


「誰がペチャパイよ!! もう頭キター!」


 そう言うと、チビガキは両腕の白い翼を羽ばたいて飛び上がる……何をする気だ?


「百回死んどけアホ骸骨!」


 チビガキは足の鉤爪で俺をひっかく気か。

 だか遅い、この程度なら。


 俺は頭の上でチビガキの足を掴んだ。


 ……目の前に赤いレースの布が見える。

 チビガキの足は俺の頭の上。

 

 つまりこの布は!?


「…………」


「…………」


 お互い時間が止まったみたいに動かない。

 いやチビガキの顔が真っ赤に染まってくるから止まってはないな。


「キャーッ! このスケべ! 変態! エッチ! 下着覗き魔! 」


 チビガキは大声で喚き散らしだした。

 マズイ、こんな道のど真ん中で騒がれたら!


「騒ぐなチビガキ! 大体お前が……」


 トントンっと誰かが俺の肩を叩く。

 ゆっくり後ろを見るとそこには兵士さんが居た。


「キミ、ちょっと署まで来てくれるかな?」


 なんでタイミングよく兵士さんが居るんだよ!?


 それもこれも、このクソガキが……って居ない!?

 あーっ、あんな離れた位置に!


「べーっ」


 クソガキは俺に向かって舌を見せた後、金色の長い髪を揺らしながら飛び去った。

 俺を囮に逃げやがったな。


「さて行こうか」


「いや、これには色々事情が……」


「はいはい、その事情は署で聞くからね」


 チクショー、これじゃ俺が犯罪者みたいじゃないか!

 あのチビガキ、今度会ったら覚えてろよ。

 絶対この恨み忘れないからな。


 オマケ


 『ハーピー』


 両手が鳥の翼で両足が鳥の足の魔族。その翼で空を飛び固有スキル『鳥目』で遠くまで見渡す。

 が、その『鳥目』のせいで暗い所は苦手。

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