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第二十三話 オムライスと速度強化呪文。

【一時間後】


 いやー助かった! 店長が、


「泊まるところがのぉ無いんならのぉ、ワシの家に泊まりなぁよ」


 って言ってくれるて助かった!

 金ないから宿にも泊まれない、だから野宿するつもりだったからな。

 

 最近野宿に慣れてきたがやっぱ布団で寝れる方が嬉しいし。

 レンドも店長の家で下宿してるからレンドとたっぷり話せるのも嬉しいしな。

 本当に店長に感謝だ。


「キット君、こっちがぁ家内だぁよ」


「初めましてだねぇ、スケルトンの坊や」


「初めましてキットです。お世話になります」


 店長の奥さんは天狗か。

 店長と違って腰が曲がってるな。

 だから腰が弱いのかな?

 でも温和そうなお婆さんだな。


「キット君はぁ、レンド君と一緒に昔ワシらの息子達が使ってたぁ部屋を使ってくれぇよ」


「布団も用意出来てるよぉ、坊や」


 ……息子さん達は同居してないのか。

 夫婦二人だけで寂しくないのかな?


【元ダイルの息子達の部屋】


 久し振りのフカフカの布団だー!

 気持ち良いなぁ。


 ……旅の間は野宿ばっかだったからなぁ。

 寝袋で寝るのも悪くはないが、やっぱフカフカの布団が最高だよな。


「キットー、疲れたー?」


「疲れたけど、まだまだ大丈夫だぜ」


 まだレンドと話したいからな。

 眠いけど頑張って起きてるぜ。


【一時間後】


「キットは、あの魔界騎士なんだ。しかも魔王様の息子で。本当凄いよーキット」


「別に大したことないよ、レンドだって『モンク』なんだろ? 俺はそっちのほうが凄いと思うよ」


 俺はただ流されてるだけしな。

 たまたま魔王の息子に生まれて、その魔王の親父に魔界騎士に無理矢理任命されて人間退治と裏切り者を探す旅をしてる。

 ……本当俺って主体性ないな。


 それに比べてレンドは自分の意志でモンクになった、本当凄いよな。


 モンクは厳しい戒律と厳しい寺での修行で有名だからな……俺には絶対無理だと思う。

 その厳しい戒律と修行で鍛えた肉体のみで魔獣と戦うのは凄いよな……本当俺には絶対無理だな。


「……キット、実はオイラは修行してた寺を破門されてるんだよー」


「えっ! なんで? 」


 レンドとは今日会ったばかりだけど、レンドは真面目だし良い奴だし、とても破門されるようには見えないぞ?


「モンクはさぁ……戒律で結婚出来ないんだよ。オイラはそれがどうしても納得できなくてね」


 ……結婚出来ないんだモンクは。

 それは確かに嫌だな。

 俺は絶対美人で優しい奥さん貰いたいし。


「モンクだって恋をして、結婚して、子供を授かって良いと思うんよ。モンクだって魔族なんだしそれは自然な事だと思うんよ」


「確かにな」


 確かに自然の摂理に反するのはどうかと俺も思うよ。

 ……モンクって大変な職種だな。


「だからそれを師匠に言ったんよ。そしたら口論になってね。で、怒った師匠に破門されたんよ。だからオイラは旅をしながら自分で修行してるんよ。……そうだね、今のオイラは『自称』モンクだね」


 ……そう言ったレンドは少し悲しい顔をした。

 ひょっとしたら後悔してるのかな、レンド?

 ……これ以上は俺が聞くのは……ダメだよな。


「ちなみにダイルの酒場で働いてるのは旅費を稼ぐ為だよー」


「それは俺と一緒だな、レンド」


 でも良いよな、こうやって誰かと喋ってるのは楽しいよな。

 最近は一人で旅してたからこうゆうのは久し振りだな、俺。


「さぁキット、そろそろ寝ようよ。明日も仕事だからね」


「そうだな、おやすみレンド」


「おやすみーキット」


【次の日、ダイルの酒場】


「キットー、三番テーブルにオムライスが五つ入ったよー。店長ー、二番テーブルに特製カクテル三つ入ったよー」


「ちょい待て! なんでそんなにオムライスばっかり入るんだよ! 」


 おかしいだろ! ここは酒場だろ!?


「それはオイラがお客さんに勧めたからだよー、キットの作るオムライスは美味しいって」


「犯人はお前かレンド!?」


 だからオムライスばっかり注文が入るんかよ!


「ふぉっふぉっふぉっ、今日はキット君とレンド君のおかげで大繁盛じゃのぉ」


「笑ってないで手伝って下さい店長!」


 マジでキツイんですから!


「ワシ肩凝りが酷くてのぉ、特製カクテルも作らないといけないしのぉ」


「酷っ!」


 店長め、俺一人にオムライス作らせる気かよ!


「キットー、オムライス追加で三つ入ったよー」


「チクショー、ヤケだ! 『速度強化呪文アクセル』!」


 ……まさかオムライス作る為に『速度強化呪文アクセル』使う事になるとはな。

 多分、サージョさんが知ったら怒られる気がする。


「キットー、さらにオムライス二つ追加だよー」


「マジかよ!?」


 ……俺の体力と魔力は閉店まで持つのか?


 オマケ


 『高速皿洗い』


 通常の十倍の速さで皿や食器を洗う。しかも、むちゃくちゃ綺麗に洗える。実は洗ったものの呪いや魔法効果も洗い落とす効果がある。ちなみに皿や食器以外にも使用可能。

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