表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/51

第二十二話 友との出会いと高速皿洗い。

【五日後、ボンドの町】


 ふー、着いたぞ、ここが『ボンド』の町か。

 まさか森を抜けたら荒野をずっと歩くことになるとは思わんかった。

 ……手持ちの水が無くなる前に着けて本当に良かったよ。


 ……町の中央のデカイ建物から白い煙がモクモクと上がってるな。

 あれがジュエの村の村長さんが言ってた『ボンド大工場』か。

 魔王城並にデカイな。

 あそこで大量の金属の精製をしてるんだよな。


 ……俺の装備もボロボロだしそろそろ新調したいな。

 でも金が……。


 ラピスさんの兄弟に有り金すべて渡したしなぁ。

 後悔はしてないけど、これからの旅費どうしよう。

 次の給料日までかなり先だからなぁ。


 ……魔界騎士が給料制とかカッコ悪いよな。

 おまけに経費込だし。

 各地の兵士駐屯所ならどこでも引き出せるからまだ良いが、ユートピアしか無理だったら毎回戻るとかメンドイよな。


 ……仕方ない、少しバイトしますか。

 魔界騎士がバイト禁止って聞いてないし。


【ボンド商店街】


 さて、なんのバイトしようかな。

 俺は長期で出来ないからなぁ。

 おっ! この店の前にある張り紙は!?


『アルバイト募集。短期歓迎。簡単な調理補助と接客のお仕事です。ダイルの酒場、店主。』


 ……これ、いいな。

 よしココにするか。


「すいませーん、ココでバイトしたいんですが!」


【ダイルの酒場】


「いやー助かったのぉ、女房がぎっくり腰やってのぉ。人手が足りんかったんじゃ、 ハッハッハ」


「はぁ、それは大変ですね」


 この人が店長のダイルさんか。

 すっげー元気な鬼のお爺さんだな。

 顔がシワクシャで頭の角も途中で折れてるが背筋は真っ直ぐで姿勢が良いな。


「実はのぉ、先週からやってくれているバイト君がのぉ、居るからのぉ、二人でぇ協力してぇやってのぉ」


「はい、分かりました」


 バイトって俺一人じゃなかったんだ。

 奥から『ミノタウロス』の男が出てきた。

 ……あのミノタウロスの人がそうか?


「おーい、レンド君。こっちの子わのぉ、今日から働いてもらうキット君じゃ。仲よぉしてくれ」


「はーい、初めまして。オイラは『ミノタウロスゾンビ』のレンド。よろしくだよー!」


 あれ? ミノタウロスじゃ無くてミノタウロスゾンビだったんだ、珍しいな。


 レンドは俺よりデカイな、百九十センチ近くあるんじゃないか?

 黒髪の短髪の頭から生えた大きな角がカッコいいなぁ。

 ……すっげぇ筋肉、ムキムキマッチョだな。

 でも着てる服がボロボロだな。

 ものすごく体はゴツいけど目は優しい感じがする。


「スケルトンのキットです。こちらこそよろしく!」


 ……なんか、レンドとは仲良くなれそうな予感がする。


【一時間後】


 レンドは優しくて良い奴だな。

 年は俺より二歳上だけどタメ口で良いって言ってくれるし。


「キットー、開店までにこれを運ぶから手伝ってよー」


「分かったレンド、厨房の中に置いとけば良い?」


「レンド君、キット君。それを運び終わったらのぉ、店の掃除頼むのぉ」


「「ハイ!」」


 さぁ、もう直ぐ開店時間だ、頑張るぞ!


【五時間後】


「キットー、これ五番テーブルに持っていてねー!」


「了解レンド!」


「キット君よぉ、それ終わったらぁ三番テーブル片付けてのぉ」


「分かりました店長」


「注文良いかな?」


「はい只今! お客さん!」


 ……キッツ! 超忙しいじゃん!

 ……でも楽しいかな。

 魔界騎士の戦いと違って痛くはないし……誰かが俺の前で傷つくこともないし。


 ……イカンイカン、マイナス思考したらお客さんに失礼だな。

 スマイルスマイル。


【閉店後】


 ……おっ、終わった。

 メッチャ疲れた。

 なんて言うか人間との戦闘とは違った疲労があるな。


「キットーお疲れ様だよー」


「レンド、マジでお疲れだよ……」


 レンドは割と平気そうだな。

 ……俺も魔界騎士になってから結構鍛えてる筈なのになんか悔しいな。


「二人共ぉご苦労じゃったのぉ、今何かまかない飯でも作……グキャッ! 」


「大丈夫ー、店長!?」


 何だ、何だ?

 大丈夫か店長?


「持病の肩凝りがのぉ、少し休めば大丈夫じゃがのぉ」

「店長ー、無理しないで休みなよー」


 店長がまかない作るの無理そうだな。

 かと言って腹減ったしなぁ。


 店長もレンドも腹減ってるだろうし。

 ……そうだ!


「店長、俺がまかない作りますよ」


「……すまんのぉ、任せてよいかのぉ」


【厨房】


 さてやるか。

 店長から食材は自由に使って良いって言われたが……この食材ならあれができるな。


 まず野菜と肉を細かく刻んで。


 トントントントン。


 次に刻んだ食材を油をひいたフライパンで炒めて。


 ジュー、ジュー。


 次に炊いた米と調味料を全部入れてさらに炒める。

 ……適度に混ざったら火を止めて皿に盛る。


 新しいフライパンに油をひいて強火で薄焼き卵を焼いて、さっき盛り付けたご飯に優しく乗せて。

 最後にケチャップを少しかけて。


 ……よし完成、俺の得意料理の一つ『オムライス』だ!


 あとは人数分作って……。


【五分後】


「……美味そうじゃのぉ、キット君」


「キットって料理上手だったんだー、凄いよー」


「へへへっ、さぁ冷めないうちに食べて下さい」


 せっかくだから熱いうちに食べて欲しいからね。


「ではそうするかのぉ」


「いただきまーす」


 ……どうかな?

 美味しいって言ってくれるかな?


「……美味しいよ、美味しいよー!」


「……本当じゃのぉ、ご飯に味がしっかり染みてのぉ、卵も焼き過ぎず柔らかくて旨いのぉ」


 ……良かった、喜んでくれて。


「キット君、明日からのぉワシと一緒に厨房やらんかのぉ。ワシはこの肩じゃからのぉ、手伝ってくれると助かるのぉ」


「それ良いよー キットの料理美味しいもん!」


 何か色々期待されてるけど……まあやってみるか。

 店長の手伝いならそんなに技術要らないしな。


「分かりました、やってみます」


【十五分後】


 作ったオムライスは綺麗に無くなった、三人とも空腹だったしな。

 ……さて片付けるかな。


「あっ、キットは休んでて良いよー、片付けはオイラがやっておくよー」


「いやそれは流石に悪いよ。まだお客さんが使った食器も洗ってないし」


 結構忙しかったから洗い物が溜まってるんだよね。

 あれを一人で全部洗うのはメンドイよな。


「大丈夫だよー、オイラ洗い物は得意だからね」


 そう言うと、レンドはオムライスの皿を持って厨房に行ってしまった。

 ……本当に大丈夫か?

 やっぱり手伝ったほうが良いよな、よしレンドを手伝いに行こう!


【厨房】


 ……スゲー、レンドスゲー!

 超スピードで山のようにあった食器をあっという間に洗ってるよ。


「うぉぉぉ、スキル『高速皿洗い』!」


 ……まさか『高速皿洗い』なんてスキルがあるとは思わなかったな。


 スゲー、あんな早く洗ってるのに食器がピカピカだ。

 ……新品だと言われても納得できるくらい綺麗だな。


「やぁキット、今洗い物終わったよー」


 ……あの洗い物の山をこの短時間で終わらすとは。

 本当に一人で終わらしたよレンド。

 レンド、マジでスゲーぜ。

 てかレンドって何者なんだ?


 オマケ


 『ゾンビ』


 死人の体を持つアンデッドの魔族。アンデッドの魔族の中では一番人口が多く、また亜種も多い。

 

 固有スキル『不死』を持ち、頭部以外を破壊されても修復出来る。ただし肉体を欠損すると代わりの肉体になる材料がいる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ