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第十四話 不死身の魔界騎士の特技は逃走。

【一時間後、レーニング宿舎】


 ハッズーッ! 超恥ずかしいー!

 何言ってるのよ俺は!?

 『不死身の魔界騎士』だぁ?

 ハッズー、何ガラにもないこと言ってるのよ俺!


 自分で自分に二つ名付けるとか馬鹿か俺は!?

 これはアレか? 前世の中二病、もしくは黒歴史か!

 忘れよう、うん。

 あれは夢だったことにしよう俺。


「キットさんカッコ良かったです! 感動しました! 僕マジ尊敬しました!」


 兵士さんやめてー、俺の心のライフはゼロよ!

 今忘れようとしてるのに傷を抉るような事しないで!


「流石、魔界騎士ですね。今まで誰も聞き出せなかった情報をあんなに簡単に。失礼、『不死身の魔界騎士』でしたね」


 ……トドメ刺されたよ。

 マジに自殺したくなった。

 不死身だから死ねないけど。

 あー、一時間前の俺を殺してえ。


【次の日、早朝】


 ……出発だ。

 今すぐ出発するぞ。

 日が昇る前に出発するぞ。


 あの兵士め、とんでもない事に『不死身の魔界騎士』の名前をレーニングの町中に言いふらしやがった。

 しかも、たった半日も立たないうちに町中に広まるかよ!

 

 だから今すぐ人に会わないうちにレーニングを出る!

 もう『不死身の魔界騎士』の名は聞きたくない!

 行くぞ!


【一時間後、レーニング近くの平原】


 何とか誰にも会わずに町を出れたな。

 ……町出る時に塀からまた『炎呪文フレイム』で飛ぶことになったがな。


 今日は門番さんにも会いたくなかったから仕方ない。

 着地に失敗して左足折れたが仕方ない。

 どうせ復活したから気にする必要はないし。


 ……日の出だ。

 青い朝日が昇ろうとしてる。

 ふぅー、行くか。


【一時間後】


 歩くと遠いなイースト地方。

 かと言って馬車をレーニングで借りるわけには行かんしな。

 ……間違いなく『不死身の魔界騎士』の名前を聞くことになるからな。


 目的地の魔界最大の活火山、『ノーライフマウンテン』まではどんだけ掛かるんだろうか?

 まぁ直で行くわけで無いけど。


 俺はノーライフマウンテンを目指しながら人間を捕まえて新たな情報を探す。

 んで半年後の満月の夜に兵士さん達と場合によっては冒険者とも協力して人間を一網打尽にする。


 それまでに裏切り者の情報と出来たら現在の魔界に居る人間の数を調べるのが俺の役目。

 兵士さんはそれまでにスリーの言ったことが本当か調べ、半年後に俺と合流って流れだ。


 最初の頃に比べたら大分目的が絞れたな。

 ただ未だに裏切り者の情報は全く掴めないが。

 スリーもこれに関しては全く知らなかった。


 スリーが言うには次元穴を通って魔界に着いた時には誰も居なかったららしい。

 スリーが嘘ついた可能性もあるが多分本当だろう。


 ……スリーの目的は俺への復讐、その為に俺をノーライフマウンテンに向かわせる。

 半年後までに脱獄して俺を殺す為にな。

 人間らしい考えだよ。


 俺を確実に半年後にノーライフマウンテンに居させる為にあえて情報渡したんだから嘘は言うまい。

 もし嘘がバレたら俺がノーライフマウンテンに行かなくなって、俺が何処に居るか分からなくなるからな。


 一応兵士さん達には厳重に監視するようには頼んだが多分脱獄するかな。

 人間の執念は侮れないしな。


 あーメンドイ、またスリーと戦うのメンドイな。

 はぁー。


 草をかき分ける音がする。

 ……このバターンは!

 またアレか。


「ガウガウ!」


 それ、背後からサーベルウルフが出たよ。

 いい加減に慣れたぞ。

 まぁ今の俺ならサーベルウルフ一匹なら敵じゃ……


「「「「「ガウガウ!」」」」」


「「「「「ガウガウ!」」」」」


「「「「「ガウガウ!」」」」」


 ……何じゃこりゃ!?

 サーベルウルフが軽く十匹以上居るぞ!

 こんな数を相手してられるか!


 逃げるぞ!

 あぁ逃げるぞ!

 マジで逃げるぞ!


「『速度強化呪文アクセル』!」


 うぉりゃーーー!!!


 ーースキル『逃走』ーー


 ……この感覚はまさか?

 まさか新しいスキル習得したの俺!?

 しかも『逃走』!?

 すっげーカッコ悪いな。

 だけど気にしてる場合じゃない。

 今は全力で逃げるぞ!


 うぉぉりゃゃーーーーーー!!!!!! 


【一時間後】


 にっ……逃げ切ったぞ。

 あー疲れた。

 ……相棒が文句言ってるが今回は無視!

 あんな数を相手に出来るか!


 目の前にある丘が割れてく……このバターンも見覚えあるぞ!?


「ガァァァァァァ゛!!」


 やっぱりベヒーモスだよー!

 ええい! さっき覚えたばかりのスキルだが、


「『逃走』!」


 うぉりゃー!

 って、早ーーーッ!?

 もうあの巨体のベヒーモスが見えなくなった!

速度強化呪文アクセル』無しでこのスピードは凄すぎるぞ!


 まぁ何にしても助かった。

 ……もうレーニングの町は見えないが、


「あばよー、レーニング!」


 『不死身の魔界騎士』の噂が無くなったら、また来るかな。

 オマケ


 スキル『逃走』


 敵から逃げるスキル。キットは親父、エルのお仕置きから長年逃げ続けた為(だいたい捕まるけど)習得出来た。本気になった親父 (魔王) からも低確率で逃げられる。でも本気になったエルからは逃げれない。

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