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第十一話 初めての人間退治。

【次の日、レーニングから東にある山】


 あれ? 確かにこの辺の筈だが?

 クーゴさん達に貰った書類によるとこの辺りで人間達が最後に発見された……よな?


 そもそも人間達も最近はイースト地方で見かけるようになって、セントラル地方での発見はめっきり減った。

 大体俺がレーニングに来た頃位からからな?

 

 だから俺は今まで人間退治してない、ラッキーだったんだな。

 だがごく最近にこの辺りで人間による強盗殺人が起こった。

 だから俺の出番ってワケだ。

 

 ……本当はクーゴさん達から一人前になった証にこの強盗殺人を解決しろって言われたんだけどな。

 ……なんだけど人間の居た痕跡が無い。

 もう逃げてこの辺には居ないのか?


 ……何か踏んで、カチッと嫌な音が、


「いっ……!!! 」


 イキナリ地面が爆発して俺は吹き飛ばされた。


 …………っ痛!

 ……何なんだよ!?

 って声が出ない!???

 あーっアゴが無い!

 体は……バラバラじゃんか!

 頭蓋骨が無事だから気は失わなかったがこれじゃ復活が終わるまで動けないぞ。

 何なんだったんだ今の爆発は!?


「ミネちゃん見たかい? 大成功だぜ。流石オレっち特製の爆弾だぜ。……おやおやコイツはせっかちなモンスターだな。既に白骨化してるじゃねぇか 」


「スリー馬鹿言わないで、このモンスターはアンデッド。元々から骨でしょ」


 だっ、誰だ!?

 ってアゴないから喋れないし。

 幸い兜に仕込んだ『翻訳クリスタル』で言ってることは分かるが。

 ……サージョさんのアドバイス聞いといて良かったよ。


「ミネちゃんカッカしなさんなよ。ただのジョークじゃん」


 視界に入ってきたのは……人間……の男。


「スリー、下らない事言ってるぐらいなら早く戦利品回収したら? 」


 その後ろから来たのは人間の女。

 こいつらがさっきの爆発を。


「つれないなミネちゃんは。おっと、こいつは上等な鎧だぜ。モンスターの癖に全身ミスリル製だ」


「あら凄い。モンスターが高級品のミスリルの防具を使ってるなんて」


 こいつら俺の防具を狙ってるのか?

 今の俺に出来るのは……観察だけか、クソ。


「大当たりだな、コレを人間界で売れば大儲けだ」


「そうねぇ、分かったから早くモンスターから剥いで頂戴」


 こいつらが強盗殺人の犯人か。


「おいおいミネちゃんよ、手伝ってくれないのかい?」


「嫌よ! モンスターに触るなんて汚いじゃない!」


 ……男は黒髪短髪、無精髭、軽装備で腰にナイフ。

 ……女は茶髪長髪、化粧が濃いな、露出が多い服に腰にムチ。


「やれやれ、人使い荒いんだからミネちゃんは。お? 変わった形の剣だな。これも頂戴しとくか」


「早く回収終わらせて行くわよ。このモンスターの群れが近くにいるかもしれないでしょ? 」


 よくも相棒を……。

 お前達の顔は覚えたからな。

 絶対に相棒を取り返してやるからな。

 待ってろ相棒。


【三時間後】


 ……復活完了。

 持って行かれたのは防具一式と相棒。

 魔法袋は無事だな。

 なんで魔法袋を置いてったかは分からんが今はどうでもいい。


 ……青白い月が出てるな、てことは夜か。

 だいぶ時間が経ったがまだ追えるだろう。

 確かあっちの方に行ったな。

 ……今度は俺が不意打ちしてやるかな人間。

 夜襲だ!


【一時間後】


 見つけた!

 人間達は焚き火で暖をとりながら休んでるな。

 女は寝てる、男が見張りか。

 まずは予備の翻訳クリスタルに魔力流して。


 ……よしこの木の上から様子を見るか。


「ふぁーああ、ねっみぃ」


 ……油断してるな。

 今ならやれるか?


「……! ミネちゃん、ミネちゃん!」


 気付かれた!

 いや、違うな。

 あの様子じゃ俺の位置まではバレてない。

 もう少し様子を見るか。


「ミネちゃん起きろ!」


「……何よ、もう交代なの? 」


「違う! 何かの気配がする。とにかく起きて戦闘態勢をとれ!」


 ……気配でバレたか。

 俺はクーゴさん達には気配の消し方は習わなかったからな。

 いつか気配の消し方覚えないとな。


「スリー何処にその気配の主は居るのよ? 」


「分かんねえよ、こんなけ暗いと焚き火の周り以外が真っ暗で何も見えねぇ。俺は気配だけで位置まで分かる訳じゃねぇんでね」


 なるほど人間には月が出てても真っ暗に感じるのか。

 魔界の月は青白く前世の月より暗い。

 人間の視力では辛いか。


 ……だが俺はスケルトン。

 スケルトンは本来闇に生きる魔族。

 月明かりで充分すぎる過ぎるほど人間が見えてる。

 なら最初に狙うのは焚き火か。


 まずは焚き火を消し、それから相棒を取り戻す。

 その後に人間を。

 相棒は多分……あの袋の中。


 確か魔法袋に瓶に入れた飲料水が……あった。

 この距離な投げても届くな。


 ……ふぅっ、よし。

 覚悟は決まった。

 やるぞ!


 俺は全力で瓶を焚き火に向かって投げた。


「火が!」


「チッ! ミネちゃん気を付けろ!」


 よし上手く焚き火を消せた。

 そのまま木から飛び降りて!


「ミネちゃんあっちだ! 」


「分かってるわよ、『下位氷呪文アイス』!」


 女は指から氷の塊を俺に放った。

 ……遅いな、これくらいなら。


 『速度強化呪文アクセル』!


 これくらいなら強化した俺のスピードにはカスリもしないぞ。


 俺はそのまま女の横に置いてあったデカイ袋を奪う。

 相棒は何処に入ってる?

 

 ……あった!

 やっぱりこの袋の中にあったな相棒。

 おかえり相棒。

 ……ただいまって相棒が言ってる気がする。


「スリー私の戦利品が奪われたわ!」


「俺達の戦利品だろ! ミネちゃん! 」


 鎧を着てる余裕は無いか。

 なら相棒だけでいい。

 当たらなければ何とやらだ!


「ミネちゃんその辺に予備の枯れ木が転がってるから魔法で火を! 」


「コレね『下位火呪文ファイヤー』!」


 ……辺が火で照らされてた。

 これで視界のアドバンテージは無くなったな。

 少し俺が不利か。


「……骸骨のモンスターっ! おいミネちゃん、この骸骨は昼間の奴の同族か?」


「私に分かるわけ無いでしょう!」


 俺が復活出来るって分かってないのか?

 って、そんな細かい事は気にしてる場合じゃ無いな。

 それより……


 こいつらを始末するのが先だ。


「コノヤロ! 」


 男がナイフで俺の斬撃を受け止めたか。


「スリー退きなさい! 」


 そう言うと女はムチを使って攻撃してきた。

 だから遅いんだよ。

 これくらいバックステップで。


「まだまだぁ」


 ムチが蛇みたいに追いかけてきた。

 だが俺のスピードには付いて来れない。

 そのまま俺は避けきって人間達をを牽制する。


「……素早いモンスターね」


「ミネちゃん俺が骸骨の気を引く。その隙に魔法を頼む」


「了解したわ」


 それなら俺は女を狙うまで。


「愛しのミネちゃんに汚い手で触れるなよ骸骨! 」


 男が邪魔だ!


「ウラァッ!」


 ナイフで突いてきたな。

 それくらいなら……


「ウラァッウラァウラウラウラウラウラウラッ!」


 連続で突いてきた!

 何とか相棒で防いだが少し当たったか。

 ……致命傷は無いな、これくらいならすぐに復活出来る


 『疾風斬り』!


 そしてそのまま連撃だ。


 男は避けきれず左腕から血を流す。

 これで少しは有利になったか?


「……クソ! 」


「スリー下がりなさい『中位氷呪文メガアイス』!」


 さっきよりデカイ氷の塊を!?

 だけどな、それぐらいならサージョさんの『氷結呪文フリージング』の方が凄かったぞ?


 『炎呪文フレイム』!


 鍛え上げた俺の炎が氷の塊を飲み込む。

 訓練した『炎呪文フレイム』は前のより強力だ。

 俺の炎が勢いを落とさずそのまま女を襲う。

 そのまま焼かれろ!


「なっ! 私の……」


 それが女の最後の言葉になったか。

 女は炎に包まれて丸焦げになった。

 あたりに肉が焼ける匂いが満ちる


 ……次は男だ。


「……ミネちゃんが! よくも殺りやがったな!」

「それはコッチのセリフだ!」


 被害者ヅラしてるんじゃねぇよ。

 先に仕掛けたのはそっちだろうが。


「このモンスター人間の言葉を喋るのか!? 」


「失礼な奴だな『疾風斬り』!」


 男はナイフで防いだが体勢を崩した。

 さっきのお返しだ。

 俺は何度も男を斬りつける。

 左腕を怪我して防ぎ切れるか?


「チッ! 」


 やはり防ぎ切れてないな。

 ならこのまま押し切る。

 俺は男の体に傷をドンドン刻み込む。


「調子に乗るなよ骸骨! 」


 そう言うと男は傷だらけの左手を懐に入れた。

 何を考えてる?


「へっへっへ、コイツはお前の同族を葬った爆弾だ。お前にもくれてやるよ! 」


 男は丸いボールみたいな物を俺に投げてそのまま後ろに下がった。

 って爆弾!?

 ヤバッ! 鎧も盾も無いのに!

 ちくしょうめ仕方ない、やりたくないが……!

 次の瞬間、俺の目の前で爆弾は爆発した。


「へっ、やったぜ。……ミネちゃんの仇は取ってやったぞ」


 ……甘いんだよ。


 『疾風斬り』だ!


「……ッ、馬鹿……な! 」


「クッソ痛かったぞ人間! 」


 痛てぇーよ本当に。

 俺は爆発の瞬間に自分の左腕を盾にして後ろに全力で飛んだんだ。

 だからなんとか戦闘不能だけは避けれた、が危なかったぞ。

 代償に左手から左の肋骨まで全部吹き飛とんだしな。

 だがおかげで男のスキを作れた。

 おかげで男の胴を思いっきり斬ってやったからな。


 ……男はそのまま地面に倒れて動かなくなった。


 ……クーゴさん、サージョさん、チョーハさん、やりました。

 俺は人間を退治しましたよ!

 ……相棒も喜んでくれてる。

 あぁ本当にやったんだ俺……

 って……気が……抜けたら……何だか……眠く……。

 オマケ


 『翻訳クリスタル』

 

 相手の言ったことが分かるクリスタル。ただしある程度の知性が相手にないと使えない。クリスタルがあれば簡単に作れる為に結構安い。

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