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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
えんをたどればゆめのふち
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82 約束

 ◯ 82 約束


 どうやら、神界は時間の流れが独自なようで、詳しくは分からなかったけどさっきの事は一分くらいに縮める事が出来るらしく、気にしなくて良いと言われた。そんなもんなんだと納得するしか無い、実際そうなので……。


「やあ、レイカちゃん、屋敷に籠ってばかりじゃダメだよ?」


 レイが挨拶をすると、


「あら、レイ……来たの」


 と、気のなさそうな返事が返ってきた。


「来ては悪かったかい?」


「そうね、そんな事も無いわね」


 少し考えてから、怜佳さんはそんな風に答えた。


「なら、良いんだね」


「ええ、いいわ。そう言えば、マリーとお出かけだったわね?」


「そうなんだ、ちょっとお借りしてるよ?」


「この後、夢縁内部を案内してあげるのぉ、観光した事無いみたいだから〜」


「あら、そうだったの、ゆっくりして行ってね」


「うん、そうするよ。一緒に回っても良いんだけど、どうする?」


「あら、良いわね、たまにはお出かけも」


「じゃあ、そうしようか。あ、その前にアキに用事があったんだよね? 連れてきたよ」


「ああ、そうなのよ。渡す物があるの……シシリーお願い」


「はい、畏まりました」


 うわ、本物のメイドさんだ……。さすがに落ち着いた雰囲気で、派手さは無い変わりに有能そうな感じを醸し出していた。


「それで猫ちゃんは何時来てくれるのかしら……」


「えと、今は、来年用の試作品を作る為の仕込みをやってるから忙しいみたいで……試作品が完成してからになるみたいです。来週ぐらいには終ると思うから、その後で良いかな? 宙翔にもそう伝えるけど……怜佳さんの予定は大丈夫ですか?」


「そう、そのくらいなら大丈夫よ……そのくらいになったら日にちを決めましょうね」


「はい。じゃあ、来週くらいにまた」


「ええ、待ってるわ」


「お持ちいたしました」


 メイドさんがタイミングよく入ってきて、怜佳さんに何かを渡していた。


「ありがとう」


「それで、これを渡しておくわ。お茶会のメンバーの印なの夢縁にいる間は付けておいてね」


 そう言って、怜佳さんは小さなピンバッジをくれた。薔薇と猫がリボンに囲まれて彫られていて、猫の目に明るい緑の石が嵌っていた。


「可愛いですね。ありがとうございます」


 早速制服のポケットの上に付けたら、マリーさんに襟の位置に付け直された。


「じゃあ、レイカちゃんの準備が出来たら僕達は出発しようか。アキは講義だね? 後で合流して何か食べよう」


「うん、ありがとう。じゃあ、行ってくるよ」


「あ、アキちゃんこっちよ……」


 勢い良く歩き出したけど、方向が違ったらしい。


「えっ、あれ?」


「なにげに方向音痴だよね」


 う、メイドさんにも笑われてるよ恥ずかしい……。いや、屋敷が大きすぎるから。


「いいわ、連れて行ったげる〜」


「レイはちょっと待っててね」


「いいよー」


 こうしてやっと、初講義に向かった。その途中でトレーニング用の専用のウェアの事を聞いたら、オーダーで作る物らしかった……何それ、聞いてないよ。どうやら、自分にあった物を用意するらしく、分からない場合は普通のジャージで良いみたいだった。なんだ、ジャージで良いならそう書いて欲しかった。


「でもアキちゃんはそのトレーニングは出なくても良いのよ? 見学してれば良いわ」


「え、そうなんだ」


「そうよ、闘気を纏って戦う訓練なんて、アキちゃんに出来るとは思えないもの〜」


「そんなのあるんだ……」


「そうよ〜、闘気、瘴気、妖気、霊気何でも良いのよ、取り合えず気を動かす事をマスターすれば良いの、アキちゃんは霊気ね〜、全部扱えれば良いとか言ってるけど、そうでもないわ。向き不向きも考えないとね……ふふ、あたしの訓練メニューも受けるなら、ウェアもそろえなくっちゃねっ、あたしが手作りするから着てね〜」


 両手を握り合わせて、嬉しそうに体をくねらせていた。スカート姿で蒼史と戦ってるくらいだから、どんなのが出来るか不安だった。


「普通にジャージで良いですよ?」


「大丈夫よ〜、ちゃんとスポーツ用に作るから、安心して〜。じゃあまた後でね〜」


 マリーさんが手を振ってくれたので、振り返して授業へと向かった。


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