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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
えんをたどればゆめのふち
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77 菜園

 ◯ 77 菜園


「外に植えてるのは野菜かな?」


 そう言いながら、陽護医師が庭の方に向かった。それに釣られて僕達もそっちに向かった。


「うん、カシガナとハーブを植えてあるんだ」


 僕は外に出て説明した。


「そういえば、菜園の方で働いてらしたのでしたね」


「はい、こっちに来てからですけど、何となく気になって……」


「ふうん、植物か。アキには合ってそうだね」


「う、うん。そうかも……」


「「「…………」」」


 三人が固まってこっちを見ている。


「ど、どうしたの急に皆?」


 何かそんなに注目されると、変な事してるのか緊張しちゃうんだけど。


「アキ? 首に付いてる赤い跡は気が付いてるよね?」


「え? あー、何か虫に刺されたみたいなんだけど。どうかしたの?」


 何だそんな事か、と思って聞き直した。


「カシガナ? だったけ。今、それに刺されてるけど……」


「え? あ、え?」


 レイにそう言われて首筋に手をやると確かに刺されていて、振り返ると花の後のガクの所に付いてた棘がが伸びてきてそれに刺されていた。しばらくして、それはゆっくり元に戻った。


「……」


 その現象にちょっと驚いたが、嫌な感じは無かった。でも棘を自分で刺してくる植物って、あるんだろうか? いや、食虫植物とか? でも刺された所は全然痛くないし……。


「今度、研究班の人に聞いて……」


 僕がこんな種類のカシガナかあるのか、菜園班の人に聞いてみようと口を開いたら、僕の言う事は聞いてもなかった。


「んー、どう? メレディーナ?」


 レイがメレディーナさんに聞いていた。


「珍しいですわ、吸血してたのを見た気がするのですが?」


「確かに吸ってましたね。本人は嫌悪感は無いようですが……。一応調べた方がよいかと」


「そうですわね、ちなみに他の人だとどうなのかしら……」


 そう言って陽護医師の方を見た。明らかに試してこいといった感じだ。


「……わかりました。アキ君の為ですから」


 何か決心したようで陽護医師がスケープゴートになって、ゆっくりとカシガナに近寄っていった。だが何も起こらなかった。ホッとした表情で陽護医師はカシガナから離れ、額の汗を拭った。


「何も起きませんでしたわね」


 メレディーナさんが真剣にカシガナを見ている。


「とりあえず、専門の者を呼びましょう」


 陽護医師が提案して、二人は頷いた。


「うーん、血を吸うという事は何か契約かな?」


 レイが首を傾げている。


「そうね、そっち関係も疑ってみないといけませんわね」


 メレディーナさんも手を口元に当てながら首を傾げていた。


「そんなに悩んでも我々ではわかりませんし、一旦、部屋へ戻りましょう」


 そんな感じで、吸血カシガナと僕は調べられる事になった。あのまったりとした休日はどこかに行ったようだ。ザハーダさんとルカード班長、磯田部長にマシュさん、後は知らない面々が狭い家に押し掛けて、何やら機械を広げて調べていた。


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