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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
えんをたどればゆめのふち
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73 階層

 ◯ 73 階層


 夢縁の説明会の日になった。制服と学生証を渡すので必ず出席をするよう通達があったので、その日はぐっすり眠る事にした。

 制服とかあるんだ……どんなのだろう。見学でも学生の姿が見れなかったから、そこは分からなかったんだよね。学校内はスフォラの扱いがどうなるのか分からなかったので、学生らしく筆記具として小さなタブレットになって貰った。見学の時の反省から防犯を意識し、勝手にタブレットを取っていこうとしたら、静電気でビリッとするくらいだけど、電気ショック機能を付けた。


「入園の説明会は、多目的ホール内の第2準備室です」


 と、受付の人に建物の外観と方向を教えて貰ったので歩いていくと、建物の前に小さく看板が出ているのを見つけ、その指示に従って進んだ。準備室前に着くと名前の確認と入学案内のメールの表示をし、間違いないと確認されたので、制服であるブレザーの箱と学生証である腕輪を渡された。学生証はその場での着用を求められたので、そのまま腕にはめた。

 すると、もう一人同じ様にブレザーの箱を持って準備室に入室しようとしている女の子がいた。へえ、これで見える様になったんだと感心した。その子の後に続いて部屋に入ると、もうマリーさんに聞いていた7人が揃っていた。


「全員揃ったので、着席して下さい。説明を始めます」


 そう言って眼鏡の職員さんが説明を始めた。

 腕輪は着けた後は学園内では外せない仕様なので、無理に外そうとしない事と言われた。転移やすべての施設の使用に必要だと説明された。支払い機能もつける事が出来るので、その際は園内の銀行システムで別途手続きをする必要があるらしい。

 ほぼ全員がその機能を付けているらしいので、僕もつけようと思う……う、大丈夫かな。異世界間管理組合での報酬ってよくわからないポイント制なんだけど、地球のお金に換金が出来たっけ? それともポイントで支払いも出来るのかな、後で調べてみよう。

 制服であるブレザーはこの後、学園内の授業を見学する際には着用をする様に言われた。

 全員、基礎クラスから初めて、半年後の実力テストで合格したら基礎は終了しその後は、各自にあったカリキュラムを、本人の資質を見ながら教職員と組んで学習を進めて下さい、との事だった。基礎の授業は無料だそうだ。

 基礎の間の半年間は授業を詰めて受けることを進められた。半年に一度、実力テストが受けられ、それの合格基準を三回連続でクリア出来なかった場合は退学になり、半年の間に一度も基礎クラスに参加しなかった場合は、学園を止めたものと見なすそうだ。基礎クラスを合格した後は、年に一回はクラスアップのテスト、もしくはレポート提出をしないといけないようだ。

 普通に大学の授業もやっていて、単位を取れれば大卒として認められるそうだ。受けるにはまず、受験をしないとダメだけど……偏差値どくらいなんだろう。


 説明会後は、2時間の休憩を挟んで授業見学だ。その間に銀行の手続きを済ますつもりだったので、スフォラに早速、調べて貰ったらやってくれる銀行は一つしか無かった。なので夢縁銀行に向かった。

 説明を受けている生徒は、皆、知り合いと一緒なのか、待っている間に交流を深めたのか分からないが、男女三人ずつに別れて話をしながら、出て行った。何故か、僕の方を見て笑っていた気がするけど、何かおかしいかな? 分からないので、気にしない事にした。

 銀行は中門と総括本部の間くらいに在った。昨日、詳しい地図をマリーさんがスフォラに送ってくれたので、すぐに場所が分かった。

 銀行に着くと待ち時間は殆どなく、すぐに案内してもらえた。僕が今日、説明会だと言ったらすぐに対応してくれた。どうやら僕の名前は異世界間管理組合の方で登録されていて、授業料は管理組合が出すことになっていた。その他の諸経費は別で自分で払うので、その手続きをして貰った。学食の分も払ってくれるとは管理組合も太っ腹だ。ちょっと胸を撫で下ろして、レイに感謝しておいた。

 夢縁での食べ物は、ここでの存在するエネルギーとして吸収されるみたいだから、食べた方が負担は少ないのだと、マリーさんが説明していたので素直に甘えておく事にする。

 銀行の手続きは思ったよりも早く終ったので、僕は散歩がてら中門の所まで歩いてみた。そうしたら横から、声をかけられた。


「おい、お前、噂の新入生だな?」


 僕がブレザーの箱を持っているのを見ながら、少し年上っぽい二人組がニヤニヤ笑っている。


「え?」


「え? じゃ無いだろ。お前だろう、石島(いしじま)家を陥れたっていうのは」


 声をかけた方が、舌打ちをしながら物騒な事を聞いてきた。


「え、陥れ、るって? 知らないよ、人違いだと思います」


 全く身に覚えがなかったので、否定しておいた。


「ちっ、違ったのか? 浦道(うらみち)家の長男じゃないのか?」


 更に名前を言ってきたので、完全に人違いだと分かった。


「あ、違います。うらみち、なんて人は知らないです」


「ふん、そんな事も知らないのか。お前、庶民かよ? こんな所をうろついてんじゃない、南門以上こっちに来るんじゃないぜ、全く」


 有名なんだろうか? この話は……あんまり穏やかじゃないけど。


「行こうぜ、向こう行けよ寄るな、バカ」


 そう言いながら、足早に去っていった。なんか変な世界に迷い込んだみたいだ。なんとか家って……いい所の坊ちゃんなんだろうか? ここはもしかしたら、セレブの集まりがあるのかもしれない……いや、セレブが通う所なんだろうか。ちょっと気を引き締めておこう。そういえば、この辺りはなんだか高級そうな店が並んでいる、僕には用事がなさそうだ。

 噴水広場まで歩いていって、木の陰でブレザーを出してみた。紺色のブレザーで、襟の縁の所に小さくシルバーの糸で刺繍がしてあり、胸ポケットの位置には紋章があった。

 さっきの人達は黒のブレザーを着ていたけど……基礎クラスとは色が違うのかもしれない。早速ブレザーに着替えてしまう事にした。箱はもう要らないので、小さく折り畳んでゴミ箱に入れた。

 学食を覗いておこうと思ったので、中門から南門まで移動して学食に入った。中々、良いメニューが揃っている。麺類が食べたかったので、きつねうどんの食券を買って給仕の人に渡した。

 一人で寂しく食べていると、また、横から声をかけられた。今度は知っている顔だった。


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