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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
ゆけむりのむこう
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52 当惑

 ◯ 52 当惑


 マシュさんと会った後、午後のリハビリまで時間があったので、昨日やり損ねた霊泉の感想を書き始めた。素直にというサレーナさんのアドバイスを思い出しながら、少し進めたところで足りない物に気が付いた。

 いつもこういう文を考える時はペンを持っていて、ペン回ししたり、頭を掻いたり鼻の下に挟んでみたりあるいは落書きしたり、意味も無くリズムをとったりと……何かしていてじっと頭の中で考えるというのはあんまりなかったと。PCで文を作成するのもそういえば苦手だったと思い出した。


「意外とアナログなのかな? ……ペンも登録してみるとか」


 ペットっぽくないけど、意外と自分には必要かもしれない……どうせなら普通のペンじゃなくて、何か無いかな? ……ペンライトとか? 普通過ぎだ。……防護用にスタンガンとか無理か。というか僕が危ない人になりそうな気もしなくない。


「ほえ、出来るんだ……」


 スフォラから電気ショックの機能が追加出来る、と返って来た。んー、でもあの誘拐犯とかには効きそうかも知れない。でも、そうしょっちゅうあんな事は無いし、あっても困るから、ネタになりそうだと思い直した。

 そもそも、地球ではまだ僕の力じゃ、スフォラを体の外で実体化も動かすことも出来ない。スフォラの変化した形態の幻影は付けれるけど、自分に見えるぐらいしか出来ないから、他人から見たときに携帯に見せれないし、触ったら球体のままだ……。早く霊泉の世界と同じくらいに使えるようになりたい。


「ふうー、何が良いかな。スタンガン付けるなら、ネタに走りまくっても良いかもしれない……」


 脳内メモを活用して、色々ネタを書き出し始めた。そういえば、父さんの持ってた雑誌にペン型の釣り竿があったなぁ、あれも絶対ネタだよね。釣りは兎も角、釣り竿や指示棒みたいに伸ばせるみたいな……どうせなら如意棒とか? あ、でもマシュさんのあの蛇みたいに、巻き付かせるのも面白いかも。


「んー、段々ペンじゃなくなってきた。というか感想がまだなのに……いや、ペンが先かなやっぱ」


 アイデア降ってこい、とか思いながらペンのデザインを考えた。ペンの構造は、知らないから雛形を探したが流石に無かった。


「むむ、どうしようか……あ、ネットに無いかな」


 色々とやってる間に、リハビリの時間が来た。途中だけど仕方が無い、本来のここにいる目的だし頑張ろう。


「可愛い子猫だね。聞いてたペットかな?」


 陽護医師が僕の足の横で寝ているスフォラを見ながら、にこやかに話しかけて来た。なんだか今日は妙に表情が爽やかだ。


「あ、はいそうです。……先生は、何かいい事でもあったんですか?」


「そうだね、あったよ。目標が出来たんだ。人生は素晴らしい」


 両腕を広げて、何やら感動した顔付きで宙を見ながら悦に入っている。前とは違う意味で大丈夫だろうかと思いつつ、


「はあ、良かったですね」


 と、取り敢えず返事をした。なんだか人が変わったような……何があったんだろう? でも前よりは良いか。


「今日は温泉に入ってのリハビリになる。水の中の方が足にも負担がかからないし、両足というのは中々難しいからね……。とりあえず移動しようか」


 僕は頷いて、車椅子に乗せて貰い温水プールの様な温泉に連れて行かれた。いや、温泉で出来たプールというべきか……まあいいか、どっちでも害はないし。


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