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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
ゆけむりのむこう
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38 宴

 ◯ 38 宴


 宙翔に着いて行ったら、宿の女将さんとお姉さんご主人、さっき会った弟二人(?)を改めて紹介された。

 夕飯を誘われた事と霊泉を夜に見に行く事を伝えると女将さんが、こんな息子につきあってくれてすいませんと、言葉とは裏腹に嬉しそうに言われた。


 [いいえ、こちらこそ誘って頂いて嬉しいです。あの、ありがとうございます。いきなりで大丈夫でしたか?]


 女将さんに、お礼を言った。実際部屋で一人で食べるよりはにぎやかな方が嬉しい。


「もう、宙翔ったら、お客様に敬語も使わずに……。大丈夫ですよ、うちは大所帯ですし、気にしないで下さいね。出来ればこの子達と仲良くしてやって下さい」


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


 霊泉を見るってどこか遠くに行くのかと聞いたら、裏庭の奥に源泉が湧いてるらしく、それを見るらしい。ものすごく熱いから、庭から見るだけだけどと言われた。これを宿の温泉の方に引っ張って冷ましているとのことだった。僕の入っていた温泉は一般人用に薄めた種類だそうで、神格のある人は源泉のままの方に入って貰うようだ。格に合わせて自動で温泉の方が開かれる仕様なので、事故はないみたいだ。宙翔も神格がある訳でないから、源泉のままの温泉には入った事が無いと聞いた。


「うちは三種類のお湯しか無いから……大きい宿だと十種類とか、中央神殿は百以上種類が分かれてるって聞いたな。すごいよな」


「へえ、百もあったらどれに入ったら良いか迷うね」


「神殿は一々お付きの人が案内してくれるって聞いたよ。贅沢だよな」


「そうだね」


「うちも源泉引いてるけど、入るの曾爺ちゃんくらいしか居ないな。わざわざこんな所に神格ある方が来ないってのもあるけど温泉は曾爺ちゃんの趣味だし、しょうがないよな」


 [へえ……って、宙翔の曾爺ちゃんって神様なんだ]


「恥ずかしいくらい低層だけど一応そうだな」


「えー、そんな事無いよ、すごいよ」


 宙翔が頭を掻いて照れている。


「メレディーナ様なんかと比べたら……いや、比べたら失礼だな、そのくらいだよ」


「メレディーナさん?」


「知らないのか? メレディーナ様。あの方はこの霊泉の女神様ですごく綺麗な方だって聞いてるぞ。もう、それこそ雲の上の人っていうか格の高い女神様だ。一度でいいから会ってみたいよ」


 うーん、もしかしなくてもメレディーナさんの事だろうか。そういえば神殿って言えば神殿みたいな所で会った気がする。いや、もしかしたら同じ名前の別の人かもしれない。でも、偉い人っぽかったけど……今度レイにでも聞いてみよう。


 [……女神様か]


「そう、色んな神様が居るけど、ここではメレディーナ様が一番慕われてるな」


 [へえ]


 僕は膝の上で眠っている宙翔の弟の大空(おおぞら)をなでながら、もし、女神様がメレディーナさんだったらものすごくまずいような気がして来た。やらかしまくったあれやこれやを思い出し、違ってますようにとこっそり祈っておいた。


 少し早めに皆で軽く夕食を頂いて、そのまま眠っておく事にした。夜中に起こされて眠気を振り払いながら庭に出ると宴会が始まっていた。どこからかニ十人は集まっていた。


 [え、僕の為にですか?]


 ちょっと恐縮して仕舞いそうだ。


「いや、みんな飲む機会があれば逃さないタイプだからな。今日、飲むと言ったらこれだけ集まってしまってな、迷惑だったらすまんな。気にしないでくれ」


 と宿のご主人に謝られてしまった。なるほど、飲み会になったのか。


 [いえ、大人数の方が楽しいですよね]


「そうか、よし、飲むぞ!! 皆、楽しんでくれ!」


 ご主人が嬉しそうに言うとどこからか、おーという声が聞こえて来た。見ると早くも入り乱れての騒ぎになっている。


「もう、あなた、何言ってるんですか。すいませんね、うちの人は飲むとなったらこうやって騒がしくしてしまって……息子の友達が来てると言うともう、もてなすなら宴会だと、バカな事を。許して下さいね」


 [はい、お気遣いありがとうございます。せっかくなので楽しみます。でも僕お酒は……]


「ええ、分かってます。ジュースをご用意しますね」


 [はい、ありがとうございます]


 女将さんが忙しそうに宴会の準備を進めていたが、もう勝手にみんな分かっているらしくあちこちから必要な物を持って行っている。いつもやってるんだなとその様子をみて思った。


「アキ、こっちだあそこの方がよく見えるぞ、場所取って来たから行こう」


 宙翔に連れて行かれた場所は、ちょうど霊泉の湧き出ている所から正面の位置にあった。綺麗な満月に近い月が天空に現れてて、蒸気と水面に光があたっていて揺れるたびにきらきらして綺麗だった。温泉饅頭をもらい、女将さんの入れてくれたジュースを飲んだ。集まった人達は近所の人と親戚関係で、誰かが飲むというと、どこからとも無く集まってくるのだそうでとても陽気な人達だった。色々話しかけられたが、早くも酔っぱらって何言ってるか分からない人まで居た。


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