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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
ゆけむりのむこう
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35 悠長

 ◯ 35 悠長


 夜は蒼史と妹の紅芭さんとを入れて皆で、一緒に食事をする事になった。部屋に戻って寛いでいる間に、色々レイに聞いてみた。今更だけど今日を入れて6日間も経ってる間、地球ではどうなってるとか色々気になる事をだ。


「あれ、言ってなかったけ? ここでの一週間は大体向こうの一日だよ。だから気にしなくていいよ。時間の流れが少し速くなってるんだ。まあ、難しい事は今は考えず、のんびりする事を優先すると良いよ」


 [うん、ありがとう。そうするよ]


 なんか僕の鈍感も、レイの説明不足のせいもちょっとあると思うんだ、その説明は初耳だぞ。今回は僕があんな事になってたってのもあるから、仕方ないところもあるけど……あんまり人任せにしてる僕も悪いのかな、気をつけよう。


 地球世界では病院の手配が済んで、意識不明で運ばれた後の検査中で面会謝絶だそうだ。後、2日間分くらいはゆっくりしても良いそうで、それって後2週間はあるって事なんだけど、僕にはどうなったら治療が終るのか分からないし、メレディーナさんにそこはお任せするしかなさそうだ。


 [異世界ってことは霊泉の他に何かあるの?]


「んー、ここは霊泉を軸に作られた世界だから、観光とかはこの周辺と変わらないと思うよ。分かりやすく言うと地球丸ごと温泉地になってる感じだよ。なんとか風とかには分かれてるけど、温泉は温泉だよ。大体ここは癒しや、治療が主だしね、テーマパークのように騒がしいと意味無いっていうか」


 [へえ、星ごと全部霊泉なんだ、すごい。何人でもお風呂に入れるってことだよね]


「ふふ、そうだね、入りにくるのは何も人だけじゃないからね。大型の動物系や龍なんかも来るし、種によっては団体で来る場合もあるみたいだしね。地球もたまに団体で来るよね、なんとかいう……慰安旅行だっけ?」


 [はあー、メレディーナさんも大変なんだね。父さんも最近は無いって言ってたな慰安旅行]


 レイが慰安旅行を知ってるのもすごいけど、ここは思ってたよりもスケールが大きいんだな。


 [そういうのを見れる見学コースって無いのかな、あーでもゆっくりしてるところを覗くのは良くないか……でも龍が入れるくらいのお風呂って見てみたいかなあ]


「見学コース?」


 [うん、こういう温泉がありますって色々見学出来る様になってるの、実体験した方がパンフレットとかで説明されるより分かりやすいし、宣伝にもなるし……そういうの無いのかな]


「さあ、それ感想に書いてみる? メレディーナもそういうのを求めてると思うし」


 [そうなの? そんなので良いのか……]


「ほら、新人とか初体験とかの方が変な目が入ってないから、新鮮な意見が聞けるっていうか、そういうもんだよ」


 [ああ、なるほど最近、工場見学とか行ったから、そんな事思ったんだけど、そっかそんな感じで良いのか]


「感想、書けそう?」


 レイがちょっと期待の入り交じった視線でこっちを見てる。


 [うん、頑張ってみるよ]


「ふうん、見学ね……新人の見学か、うちの組合もやってたかな? アキ用に組んでみますか、出来たら見学してね。で、感想レポート書いてもらうから」


 [う、ええ!? 増えた?]


「何言ってるんだ。確か新人の仕事はレポート提出なんだぞ!!」


 レイが今思い出したのか、そんな事を急に言ってくる。


 [うああ、そんな。ゆっくりして良いって言ってたのに]


「言い出したのはアキじゃないか」


 [そんなあ]


「まあ、組合の方は体も良くなってからだよ、そのままじゃさすがに無理だしね、キミって弄り甲斐あるんだもん、ボクもつい楽しんじゃうんだ。悪気は無いんだよ?」


 [うん。……弄りやすいってそれって僕のせいかな]


「何か言った?」


 [ううん、何でも無いよ]


 うーん、これは性格の問題だよね。


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