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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
いきなりですか
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17 呪

 ◯ 17 呪


 次の日、家にお見舞いに来たトシが、ギブスに覆われた足をツンツン突つきながら、縁起でもない事を言った。


「何か呪われてるな。厄払い、行ったら?」


「何を根拠に、縁起でもない……ってそれ止めて、響く」


 トシの突ついてる手を指差して言った。


「そうか、悪い。背が伸びないとか散々言ってたし、よく風邪も引いてたよな? で、トドメにこれだ」


「う、確かに。行った方が良いかな」


「治ってから一緒に行こう。オレもよく一緒にいるから厄払いしといた方が良いだろ?」


「そうだな、失恋もしてたしな。ついてないなぁ、はぁー」


「ため息付くなよ、幸せが逃げるぞ」


 今度は軽く頭を小突かれた。


「これ以上減ったら困るよ」


「まあ、これでも読んで暇をつぶしとけ」


 と言って、トシの所蔵する本や漫画を貸してくれた。何故かお菓子作りの本まである。もう作る気無いのかな、結構美味しかったのに。


「ありがとう、助かるよ」


「じゃあ、部活行ってくるわ」


「ああ、今日は昼から? もうじき大会だよな、頑張れよ」


「ぐっ、思い出させるな。部長のしごきが酷いんだ」


 泣きそうな顔で、そんなことを言ってくるのでよっぽどらしい。


「そ、そっか、大変だな。また」


「じゃあまたな」


 トシが出て行った後しばらく本を読んでいたら、トイレに行きたくなったのでベッドから降りて立ち上がろうとした。が、慣れないギブスでバランスを崩して倒れた。


「いてて」


 良かった誰もいなくて、恥ずかしい。


「あれ?」


 椅子の下に変なシールが貼ってある。なんだろう? 剥がしてよく見ようと手を伸ばしたら突然、指先に熱を感じた。


「あっつっ! 何これ? ……無い」


 確かにシールが在ったはずだ。消えた? まさか、トシの言ってた呪とかじゃないよな。見ると指先が赤くなってる。


「嫌だぞ呪とかそんなの、どうしろって言うんだ」


 他にも無いかと探したら、ベッドの下にも在った。母さん達の寝室、キッチン、リビングには無かった。妹の部屋は、入りたくない。と言うか部屋にいるみたいだ。いつものあのアイドルの曲がかかっている。

 何か嫌だな、歌唱(呪)を思い出すじゃないか。でもあれは呪われてるとは書いてなかったような? こういう知識はさっぱりだ。ベッド下のシールは後で写メにしてトシにでも送っておこう。動きすぎたからか身体が痛いのでちょっと休む事にした。


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