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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
あくいのろんど
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130 造園

 ◯ 130 造園


 トシから悲しいお知らせというタイトルで、ゲームの終了の案内が来たとメールが届いた。どうやら、予定よりも早めに終了が決まったみたいだ。僕は彼女を作れという暗示だ、頑張れと送っておいた。しばらくしたら、どこかに遊びに行こうと誘いが来た。地球時間の日曜日に出かける約束をした。


 今日は庭をどうするのか考えていた。ハーブの花畑は気に入っているので、他の花も植える事にする。フリーマーケットで手に入れた種も何処に植えようか悩んだ。大きさ的にかなり迷う。買った時は知らなかったけど、成長すると三メートル以上の高さの大きな木になるみたいだった。迷ってても仕方ないので庭に出て大きさを測ってぐるりと一周回ってみた。家のメインシステムを見ながら、庭のグッズを物色し、ネットで造園のデザインを見たりして、大雑把な図を描いてイメージを膨らませてみた。

 露天風呂まで考えてしまったが、温泉がわいている訳ではなく、小さな泉が森の少し奥にあるくらいだった。庭を通っていないのが残念だ。マシュさんにお昼にその話をしたら、現物を見に行って引けるならやっても良いんじゃないかと言われた。

 神殿から専門の人を呼んでくれてその人に見て貰ったら、地下水が通っているので庭はそちらから引いたらと言われた。なるほど……それは良いかもしれない。僕が描いた図を見て、ここを通っているのでここから引いて小川をこう通して……と説明されながら、その案でいく事にした。

 マリーさんに、忍者屋敷っぽく玉砂利を家の周りに配置したいと言われた。けれど、家に合わないから却下しようとしたら、この家でしたらこんな感じは……と水の専門の人に言われた。更に川底にこの石を詰めると小魚も住処とするので離されても……とアドバイスされた。


「詳しいですね」


「ええ、庭いじり……というか造園が趣味でして」


 頭を掻きながら、ナザレさんは遠慮がちに言った。


「そうだったんですか。じゃあ、かなり詳しいんですね」


「ええ、たまに近所の人の庭までやってまして。いや、頼まれるもんですから」


 と恥ずかしそうに笑った。僕は初めての庭作りでさっぱり分からない事を伝えると、ぜひ家に来てみて下さいと家に誘われた。なので、見学に行かせてもらう事にした。

 庭は圧巻の一言で、水車まで回っていた。ナザレさんの奥さんは野菜を植えていて、ナザレさんは造園が趣味で、たまに、近所の人から相談も受けてけているみたいだった。話しは盛り上がり、奥さんに夕飯までごちそうになってしまった。

 庭は花畑状態になるのは分かっていたので、メインの通り道を作って石畳にし、小径をいくつか作り、サンルーム付きの温室まで作って本格的にして仕舞う事に……うーん、南国のフルーツを植えたい。ナザレさんのおかげで良い庭……カシガナの栽培が出来そうだ。実験的に他のカシガナも植えるべきだなと図を見て考えた。幾つかの種類を植えてみるけど、どうなるだろう。


「明日は管理組合の主催マーケットだね」


 レイが、何かをチェックしながら嬉しそうに言った。楽しみにしてる感じが伝わってくる。


「そうだね、結局あれからウエイターの練習が出来なかったから、裏方になったけど……」


「仕方ないさ。そんな印がついてちゃ、客の前には出れないからな」


 目の前の機械を確かめながらマシュさんは言った。マシュさん達も参加するみたいで、二日目に何か展示すると言っていた。


「でも、色々回れるから良いんじゃない?」


「そうだね」


 アストリューの制服じゃ首に残っている痣は余り隠れず、ウエイターはまたの機会になった。裏で試食用のジャムをお皿に取り分けて並べる役になったが、その代わり自由時間が少し取れる。それぞれ、明日に向けて早い目に部屋へと戻った。



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