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世界を繋ぐお仕事 〜非日常へ編〜  作者: na-ho
あくいのろんど
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122 集会

 ◯ 122 集会


「どうだったの〜? 大丈夫?」


「うん……」


 アストリューに戻って来た僕は、心配そうな二人にどうなったかを聞かれたので答えた。正直まだ混乱していて話したくなかったけれど、相談したのは僕だから説明責任はある……気がする。


「そうね〜、難しい年頃だから、今は無理に変えなくていいと思うわ〜」


「気を落とすな。普通にしてろ……一過性のもんだとメレディーナも言ってたぞ」


「うん。ありがとう」


「今日はもうゆっくり休んで、ね〜?」


「スフォラも心配してるぞ」


「そうするよ……」


 二人の勧めで僕は布団に入って眠った。変な夢を見た。灰色の影に付き纏われる夢だった。しつこくて逃げていたら、影は二、三体増えた。宙翔があれは人間だ、と言っていたのを思い出した途端に目が覚めた。

 夜中に目が覚めるなんて珍しい。水を飲みに階下に向かった。夢の中で宙翔に会えないだろうか……僕からは会いに行った事が無い、というか試した事が無かった。試すのもありかもしれない……眠るときに宙翔との夢渡りを思い出しながら目を閉じた。


「来たぞ!」


 灰色の影から、今度は声が聞こえる。


「そっちに行った」


 何処だろうここは……学校? 階段を下りて、校庭に逃げた。


「追い回せ……」


 灰色の影の奥に、はっきりと姿が見えた。池田先輩!? なんで……。訳が分からなかった。とにかく、ここを出て行かないといけない。なんだか歪んだ世界に迷い込んだみたいだ。


「もっと、怖がらせておけ」


「追いつめて、力を渡させるんだ」


 何の事だろう……。そうだ、宙翔の所に行くんだった。思った瞬間、宙翔の家の前だった。でもよく見るとなんだかおかしい。夢の中だからかな? 


「宙翔?」


 ぼんやり見える宙翔の姿に声をかけた。すると、ゆっくりと振り返った。こっちに向き終えたときには宙翔の姿ははっきりした。


「なんだ、アキ。夢を渡ったのか?」


「ちゃんと渡れてる?」


「自力で渡ったのか? 会いに来てくれたんだな」


「うん。良かった……」


 僕はハッとして後ろを振り返った。良かった、影達は付いて来てない。


「どうした?」


「うん、前に見た灰色の影が追いかけて来て、逃げて来たんだ」


「あれに捕まったのか?」


「ううん、なんか追い回すだけだったよ。力を渡させるんだとかなんか言ってたよ」


 夢での池田先輩達の事を話した。


「そ、そうか。そんな事する連中がいるんだな」


 宙翔もそこまでされてるとは思ってもいなかったみたいで、顔を強張らせていた。


「そうなんだ。ビックリしたよ」


「逃げれるんならいいさ、また追いかけられたらここに逃げてこいよ」


「分かったよ」


 宙翔と友達になれて良かったよ。


「こっちだ」


 宙翔の案内に付いて行くと、猫の集会みたいだった。聞くと仲間内で情報交換しているみたいだった。たまに猫以外も紛れる事もあるから気にしなくていいと言われた。

 そして、僕が追いかけられた話を宙翔が話して、そいつらを見かけたら何しているか情報を集めてくれるように言ってくれた。すごい、猫のネットワークだ。僕はよろしくお願いしますと言ったが、通じただろうか? いや、人語を理解している猫もいるはずだ、お福さんみたいに。

 猫の集会はいくつかあるみたいで、何カ所か回ってお願いした。時々、違う動物がいて、子供もいた。蓮華(れんか)ちゃんと言う名前だった。挨拶と自己紹介の後に少し話したが、この子は猫を飼っていてその猫の案内で来ていた。


「蓮華はね、もう少し大きくなったら夢の学校に行くの」


 女の子はパジャマ姿のスリッパ姿だった。公園のベンチらしき所で並んで座って話をした。現実なら捕まってそうな構図だ。


「もしかして夢縁学園?」


「知ってるの?」


 嬉しそうに確認して来た。


「通ってるよ」


「えー、いいなぁ。お父さんもお母さんもそこに行ったんだって。そこで出会って結婚したの」


「うわぁ、それは早く行ってみたいね」


 そんな理由なら、あこがれも強いだろうな。


「そうなの。時々そこでお仕事してるみたいなの」


「そうなんだ」


 十歳から十五歳までの英才教育クラスで、才能のある子供を集めているという。白、黒ブレザーの半分はそこ出身だと聞いた。そこ出身だと優先的に夢縁学園で働けるらしい。僕の通ってる基礎クラスは十六歳の誕生日を過ぎてからだ。宙翔は他の猫達と何か喋っている。


「まだ三年も待つの」


「それは長いね」


 宙翔達の話し合いが終ったみたいで呼ばれた。


「お兄ちゃんまた遊んでね?」


「うん、またね」


「またね」


 手を振って別れた。宙翔は灰色の影を目撃した猫と話をしてくれていたみたいだ。


「なんかその手口は人間の夢の世界ではよく見るそうだ。学校に居着いてる猫に聞いた」


 頭を掻きながら、宙翔は聞いてくれた情報を話してくれた。


「そうだったんだ」


「だから、その池田先輩とかいう奴を特定出来ないみたいだ」


「そんなに多いんだ?」


 どうやら、その猫がいる学校ではかなり多いみたいだった。組織的な感じなんだろうか?


「そうだな、昔はそんな事無かったみたいだけど、あれはずっと増えて来てるって聞いたぞ」


「そっか、何か理由があるのかな……起きたら誰かに聞いてみるよ」


 嫌だな……他にもあんな風に追い回されてる人がいるんだ。


「人間の夢の世界に詳しい奴に聞いた方が良いぞ」


「うん。今日はありがとう。また遊びにくるよ、宙翔も遊びに来てよ」


「そうだな、また夢案内するぞ。この前は途中でお姫様に攫われたからな」


「ぶっ、確かに」


「じゃあまたな」


「じゃあまた」


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