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遠い約束

作者: 洛神

電車が小さくゆれて停止しまばらな人影と供に改札口を出ると、乗車するときに降っていた雨は上がり

晴れかけたの空の下、所々に残っている空が映りこんだ水溜りをよけながら、父の待つレストランへ歩いています。

 今年で21歳になります、父とは月に数える程しか会いませんが、親と会ってると言うより年の離れた幼馴染と会っていると表現した方が近いかもしれません、父は父で色々な本を読んでいる割には堅苦しい所がなく、くだけている割には周りに気を使うところがあります、今の私(娘)とは大人同士の付き合いってとこでしょうかね、でも親から見ればいくつになっても子供は子供だそうですが・・・。

 待ち合わせのレストラン横の歩道を歩きながら白い窓枠越しに父とテ-ブル越に向かい会う取引先らしい三十位の男性の姿も確認し父も私に気づいて柔らかい目線と口元で私にシグナルを送ってきます、にぶく金色に光るドアノブを回しお店の中へ入ると、軽く会釈し受付をしているウェイトレスの女性に「待ち合わせです。・・・」

告げながらテーブルの順番を待つ数組の男女の横を抜け窓際にある父のテーブルに立ち止まり会釈をすると、取引先らしき男性も私に気づき会話をやめて、知らない女性が自分を見て微笑みかけてるのが不思議なのか、私と何所かで会った記憶を思い出そうとするのか私を見入っています、沈黙を破るように私が「こんにちは、合席させて頂いてよろしいでしょうか」

話しかけると、父が隣のイスの背もたれを動かしながら、「紹介します、娘のともみです」を合図に

父の隣に座ると、予想外の人物が現れたので顔の表情から隠せない驚きの表情が伝わってきますその男性三沢さんとおっしゃるのですがやはり父の仲のよい取引先の方で、私との約束もあったのですが急にお昼を一緒にと誘われたので、私の事をお話しすると相手の方が遠慮しそうなのと、砕けた会話もできる方なのでお話はしなかったようです。

 食後のコーヒーを飲みながらお聞きしたのですが、三沢さんをはじめ父の仕事関係の方は、父が独身だとは知っていたみたいですが、娘がいるとは知らなかった様で、三沢さんに再度本当の親子か確認をされると、笑いながら

「家内ににそっくりですね、本当の親子です、聞かれなかったのでお話していませんでね」

聞かれなかったらからお話しなかった、このあたりの受け答えは隣で聞いていて、父らしい会話だとは思います、逆に父方の祖母は躾に厳しく人前で飲み物は空いている片手を軽く添えて飲まないと注意を受けます、私がやはり小さなティーカップに軽く手を添えて飲んでいると、三沢さんが冗談半分に、

「お父さんには気をつけてくださいね、綺麗な女の人は大好きですから」

私も両手で持っているティーカップを口から離しながら、笑顔で

「お父さんでしたら、OKです」 隣に座っている父の驚いた顔が目に浮かびます、このあたりの性格は母親ゆずりでしょうかね?

お店の前で父と三沢さんが会社へ歩いていく後姿を見送ってから、駅に向かって歩きだすと、乾いた道に残っている水溜りが今は、あたたかい風にゆれながら何か言いたげに柔らかく金色に光っています。 

 


拙い文章ですが、すこしづつ書き足していきます、お付き合い下さい。

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