優花の日常
ベットから起きて、軽く伸びをする。
横に目を向けると、可愛く丸くなって寝ている涼がいる。
高校時代は見れなかった光景だ。
優花が先に起きた時は5分ほど涼の寝顔観察をすると言うのが日課になっていた。
寝顔観察が終わると、1日の準備をする。
服を着替えて、大学に行く準備をしていると、涼が起きてくる。
今日は2人とも1限からなので一緒に行きたいところだが、大学の人にこの関係がバレてしまうと大変なので別々で出発する。
大学では、ある程度友達はできた。
でも全員女子の友達。
男子はよく話しかけてくるけど、顔を見て話してくれない。
体を舐め回すように視線を向けてくるので苦手だ。
たまに顔を見て話してくれる人もいるけど、結局下心丸出しで、友達になろうなんて気は起こらなかった。
大学は午前までだったので、その後に、友達と大学の学食でご飯を食べ、友達は次の授業に向かうと言うので別れると、私は私で午後は予定があるので、大学を出て予定のある場所に向かう。
外を出歩く時は、だいたいマスクとサングラスをつけている。
友達や、涼に身バレ対策。と言われて付けさせれられてから、習慣になった。
少し自意識過剰な気もするが、一応アイドルなのでいいか、と思う事にしている。
大学から目的の地はそこそこ遠いので、最寄りの駅に向かい、電車に乗って移動する。
目的の駅で電車を降りて、歩いて10分くらいだろうか、目的の場所に到着する。
そこは5階建ての何の変哲もないビルだった。
特に周りと比べて高いわけでもなく、色も灰色と周りと同化している。
何故こんなところにから予定が気になると思う。
それはここにカラフルパレッツの練習用スタジオがあるからである。
毎回ここでやると言うわけではないが、変則的な予定でない限りここのビルの、4,5階のスタジオを貸し切って練習を行う。
私は大学との両立があるので、週一参加だけれど、他のメンバーは週3回もレッスンに来ている人もいる。土日や他の日にもライブだったりラジオだったり、たまにテレビ出演などもある中で3回も来れるというのはとても凄い事だと思う。
そんな事を考えながら、エレベーターに乗り込んで4階のボタンを押す。
そして扉が閉まって上の階へと上昇していく。
チンという音と共に、エレベーターの扉が開く。
更衣室の前に到着し、更衣室の扉を開けると、メンバーの子達から歓迎の声が飛ぶ。
「優花ぁー久しぶりー寂しかったヨォ」
今話しかけると同時に私の足に両手を回して額をぐりぐりと押し付けてきているのは、赤色担当の浅井七海。
この娘は17歳で現役高校生なので妹みたいな感覚で可愛がってしまう。
「七海は今日学校午前だけ?」
「うん。レッスンあるから早退してきたー。芸能学科だからみんなこんな感じだけどねー」
膝に押し付けられている七瀬の頭をよしよししていると後ろから声をかけられる。
「優花ちゃんも午前大学だったんでしょ?やっぱり両立大変じゃない?」
今話しかけてきたのは紫担当の大野沙羅。
グループ最年長でいつもポワポワとした雰囲気のお母さん的なポジションである。
「まぁ辛い時はあるけど、ファン(涼)のことを思えばへっちゃらです」
「優花ちゃんえらいわねぇ」
そう言いながら後ろから優しく腕で包まれた。
今私の状況は、膝に七瀬の顔を埋められながら後ろから沙羅に抱きしめられている。
身動きは取れなくて少し苦しいが、何故か全く嫌ではなく、いや逆に心地よく感じてしばらくそのままの状態でいてしまった。
この画をレッスンの時間で呼びにきたマネージャーに撮影され、ネットで大バズりしたのはまた別の話。
お読みくださらありがとうございます。




