2人の日々④
帰ってきて、手を洗を洗うために洗面所に向かう。
手を洗って洗面台を後にして、リビングに向かう。
うちの家の構造は、ドアと靴おきから、一直線に廊下が伸びており、枝分かれするように部屋があり、その一番奥にリビングがある。
リビングに着き、フッと視界が開けるとソファーに座りながらカップを口に運んでいる、優花の姿があった。
「涼、紅茶入れたから一緒に飲もうよ」
「うん、ありがたく頂こうかな」
「冷蔵庫にケーキあるから取ってー」
「りょーかい」
ケーキを片手にソファーに向かい、腰を深く下ろす。
少し静寂が落ち着かなかったので、おもむろにテレビのリモコンをつける。
ちょうどつけたテレビはバラエティ番組で、いくつかのグループに分かれて問題を解いていく、と言うものだった。
少し驚いたのはそこのグループの一つに優花の所属しているカラフルパレッツが出演していたことだ。
「これ、優花じゃないか?」
「本当だ!これ今日放送だったんだー」
たまにテレビで優花が映っていることを目にする。
その瞬間誇らしい気持ちと同時に少し落ち着かない気持ちになる。
こんな可愛い人が自分の彼女でいいのかとか、世間にいる優花のファンにこの関係がバレたらどうなるんだろうとか、優花は人気アイドルなんだなとか。
色々考えてしまってなかなか落ち着かない。
テレビで活躍している優花を見るのは嫌いではないが、あまり率先して見ることはあまりなかった。
「ねー番組変えていい?」
隣から耳元をくすぐるような声がする。
「ダメに決まってでしょ。カラフルパレッツの出番が終わるまでダメ」
「えーだって私が出てる番組を見ると、運動会で撮られたビデオを家族の前で見てるようななんとも言えない気持ちになるんだよー」
「見てるこっちは可愛いから大丈夫。ちょっとの間だからさね?」
「涼がそこまで言うなら」
テレビでは優花達が問題に悪戦苦闘している様子が映されている。
でもテレビではわからない、優花の肌も、髪の毛も、存在も、全て隣にいるので感じ取れる。
2人で優花ががテレビに出ているのを観ると言う事はあまりなかったが、1人で見るよりもずっと心地がよかった。
ちょうどカラフルパレッツが問題を間違えて真紅のランプと煙の中に包まれていく。
それと同時に2人ともケーキと紅茶を完食した。
「そろそろ寝ようか」
「うん」
2人揃って廊下に行き、各々、寝る前の準備を済ませてから眠りについた。
このようにして2人の日常は過ぎていくのだった。
お読みくださりありがとうございました。




