2人の生活
元日の日はだらだらと2人で過ごした。
2人でソファーに腰をかけ、特に元日らしいことはせずに、映画を見たり、バラエティを見たりと、トイレと食事以外で動いていないのでは無いだろうか。
でも正月らしい事はしなくても2人で居られる事がとても幸せに感じていた。
2日目以降は2人とも帰省で特に会うことはなく、すぐに大学の登校日の朝を迎えた。
久しぶりで少し準備に手こずりつつ、大学へ行く準備を完了させた。
いつもどうり、優花よりすこし先に出発する。
もし一緒に出ている所を見られたら只事では済まないからだ。
家を出発してから大学までは、今日の時間割と予定などをぼんやり考えながら登校している。
家はかなり大学まで近いので少し考え事をしているだけですぐについてしまう。
大学に到着し、1限がある教室に向かう。
1限に必修単位を入れられているので毎回この時間に大学に着いている。
教室に入ると久しぶりの光景に少しだけ胸が高まった。
机にカバンを置いて、講義で使う教材と筆記用具を、鞄から探し当てる。
そうして探し当てた教材を机に出していると、2人用に作られている机の空いている側にカバンが置かれる。
「よう!涼、久しぶりだな。元気にしてたか?」
「まぁぼちぼちだな。そっちも元気そうで何よりだ」
話しかけてきたのは、大学の同級生の、入川蓮だ。
アイドル並みのイケメンまでは行かないものの、かなり整った顔をしている。
これでファッションセンスもいいときた。
ここまで要素があってモテないわけがないが、彼女はいないらしい。
「なぁ涼、この授業あの人が受けてるらしいんだよ」
「あの人?」
「惚けるなよ、そんなの決まってるだろ?」
本当はわから無かったわけじゃない。
十中八九、九分九厘で、優花のことだろう。
蓮は大学に入学して間もない頃に知り合ったので、僕が優花と付き合っている。という事は伝えていない。
「お、来たぞ」
ドアがガラガラと音を立てて開かれると、優花が一歩ずつ教室の奥に歩いてゆく。
優花は涼の5つほど前の席に腰を下ろした。
周りからは、やっぱめちゃくちゃ可愛いな、スタイルやば!お近づきになりてーなぁ、バカ日下部さんはアイドルなんだから付き合ってくれるわけないだろ。
そんな声が聞こえてくる。
優花が教室に入ってきてから、数分は優花の話題で教室は満たされていた。
「やっぱり日下部さん可愛いよなぁ」
「それは同意だ。アイドルの日下部さんを無料で生で見られるなんてすごい事だしな」
「眼福だよなぁ」
大学ではほとんど優花と話す事はない。
特に接点もないし、話す理由もない。
本音は大学でも他愛のない話をしたいが、叶わぬ願いなので、心の中に留めておく。
いつか、人の前で堂々と一緒に会ったり、話したりしてみたいなぁ。
そんな事を考えて以来うちに、教授がやってきて授業が始まって行った。




