大学生編
勉強の甲斐あって、無事に家から通える、地元の大学に合格できた。大学で彼女がいることを早々にカミングアウトしたのだが、とたんにモテなくなった笑。
真帆羅は女子大に通っている。他の男に興味がないとはいえ、何となく不安だったので俺が進めた。ちゃんと通っているかは不明だ。
天女は、チート能力があるから勉強する必要がないよなと思ったら、
「ちゃんと授業には出てます。人間生活を過ごすのはとても新鮮です」
真帆羅は真面目だった…
俺はルールその2、仕事を持つ、をクリアするために、大学生活も勉強に捧げることにした。
新しい友達も出来た。友達とカフェテリアのテラス席で休憩中。
「いいよな、お前ら彼女がいて」
勉は彼女無し、背もそれほど高くない。中学時代の俺を見ているような、ちょっと卑屈なところがある。
(あのまま成長したら、こんな仕上がりになったのかな?)失礼な
「でも俺、付き合ってるらしいことは何もしてないな。金ないし、いつも勉強に付いて行くので必死だし」ずっと、追われてる俺の人生。
「それは、しょうがないよな。でも、誕生日のプレゼントとかはしてるんだろ」
「いや、してない。旅行、行った時のお土産を渡すくらい」真帆羅はなんでも喜んでくれた。星の砂、和小物の巾着など。
「は? 誕生日祝わないの!? ありんえけど」
実は、天女には誕生日を祝う習慣がない。神様には生誕祭はある。
「記念日は?」
「覚えてない」
「それでいいなんて、女神か」
ドキ 天女だが。
「でもそれってさ、お前が搾取してるだけになるんじゃないのか? セフレとか」
「え!?」
ものすごくドキッとした。そんなつもりはなかったけど…
「記念日、聞いてくる」多分覚えてるはずだから
「裕人はこんなやつでもモテるのは分かる。でも博久に彼女がいるのは分からん」
博久は、眼鏡で丸顎、水色チェックのシャツを着たいかにもオタク風な風貌で、おっとりした感じ。
「え、僕? 趣味のゲームで知り合ったから。ゲームは人間性出るからね。気が合ったんだよね」
「俺は博久が、いい奴なの分かるよ」話してて安心する穏やかなキャラ。
「ありがとう」「勉君は、気が利くからいい彼氏になると思うよ」
「いないのに言われてもうれしくない!」
「身長伸ばすには、文句や卑屈な態度はよくないって、母さんが言ってた」
「お前ケンカ売ってるのか?」
「勉は、俺より頭がいい」
「もっと俺をほめろ。ほめて伸ばせ」
俺は学校が終わった後、真帆羅に二人が出会った記念日を聞いて、お祝いすることに決めた。真帆羅はまた喜んでくれた。
大学の食堂で、昼ご飯を3人で食べていた。
「別れた!?」勉が驚いて大声を出した。
「うん」
意外にも、上手くいってると思った博久が、彼女とあっさり別れた。
「彼女さ、推しグッズを使う用と保管用で、2個ずつ買うんだよね。僕は割と倹約家だから、理解できなくて」もったいないなーって
「それって、ファン活にはよくある事だろ。ちょっと違うけど、俺はずっと使いたいものなら予備でもう1つ欲しいとは思うぞ」
「え~!! そうなの!? わわ、どうしよ。やり直した方がいいのかな」
「やめとけ、また他の事で問題になるだろ。お互い、その程度だったんだよ」
「え~ん涙。でも、そうかもな。いい勉強になった」
向かいに座る二人の話を聞いていて、意外と簡単な事で別れるんだなと思った。
でも、真帆羅は何も言わないだけで、俺に合わせてくれるから上手くいってるだけかな? 天女は人間のような欲がないからな。
その後、俺は大学を卒業して、インターンシップで働いた大手企業のグループ会社に、無事就職することが出来た。これで、その2はクリアできた。