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思い出と記憶

ピピピピ


五月蝿い目覚ましの音。その時計に近づく一つの影


ギュ


妹「ふぅー危ない、危ない。お兄ちゃん、起きて」


アルトの拳を握りながら語る妹


アルト「眠い~」


アルトはベッドの上で眠い目を擦りながら部屋を見渡す


妹「ささ、早く起きて。今日は儀式の日だよ」


アルト (あぁ、教会の人たちが来るは今日かい。なんちゃって)


アルト「そう言えば、今何時?」


妹「今は8時だよ。ご飯は出来てるから早く下りて来てね」


何気ない普段の会話。これまでも、これからも


アルト「あぁ、今日か...」


アルト (何があっても、何も変わらない。明日も今日の延長線)


アルトはベッドから立ち上がり、クローゼットを開く


アルト「あれ?服がない」


アルトは少し動揺したが、視界に映る自分の腕を見て気がついた


アルト (昨日そのまま寝たんだった。着替えは...まぁ、いいか)


アルトはやはり、 おっちょこちょいであった


安心したアルトは階段を下り、リビングへと足を進める


アルト(お、今日はシチューか。久しぶりだな)


妹「ほらほら、冷める前に早く座って」


兄を急かす妹の顔にどこか懐かしさを覚えたアルト

自分用のスプーンがおいてある席に座る


アルト・妹「いただきます」


アルトは妹の作ったシチューを食べた


アルト「あ、あぁぁぁ」


アルトは、妹の前で赤子の様に泣いた


妹「どう?苦労したんだよ」


アルトは涙を拭い、二度と味わえぬと思っていたシチューを頬張った


妹「もう、お兄ちゃんたら。シチューは逃げませんよ。」


アルトは妹の愛と懐かしさに包まれながら、食事を終えた


アルト (もう、こんな時間。そろそろ行かなきゃ)


妹「はい、これ」


アルト「ありがとう」


妹から渡されたのは、小さめのバッグ。肩からぶら下げられるシンプルデザイン


カランカラン


アルト「これは?」


アルトは、バッグの中から円形で、手のひらサイズの箱を取り出した


妹「傷薬だよ。怪我には気をつけてね」


アルト「ありがとう」


アルトは妹の気遣いに感謝をしながら家を出た


妹 (お兄ちゃん)


いつもより、少し賑わった町並み。同じ歳と思われる人が一点を目指しながら歩いていく


すると突然後ろから


「よう」


アルト「うわぁぁ」


突然の大声にびっくりするアルト


「久しぶりだな」


アルト「...」


アルトは相手の顔をじっと見た後、遠くを見た


「おいおい、もう忘れたのかよ!俺だよ俺。3年前まで同じ学校だったじゃないかよ」


アルト「あぁ、ライタ?」


ライタ「そう!いや~まさか忘れられていたなんて」


アルト「お、覚えていたよ。ほら、剣とか勉強とか凄かったじゃん」


何とか記憶を探りながらライタの情報を思い出す


ライタ「剣術はともかく、テストは万年ギリギ...」


言いかけた所で口が閉じる


ライタ (何故自分からこんなことを言わなきゃ行けないんだ)


そんなことを考えてか、ライタは話題を変える


ライタ「しっかし良いよな、王都に行った奴らは先に知れて」


アルト「?」


意味深なことを言うライタにアルトは疑問を浮かべた


ライタ「あぁ、そうか。アルトは知らないと思うけれど、殆どの奴らは王都で儀式を受けてんだぜ」


アルト「まじ?」


突然知らされた衝撃の事実にアルトは唖然とする


ライタ「早く知りたい親たちがって。こぞって王都に連れて行くんだ」


アルトは納得したが、一つ納得出来ないことが


アルト「何でライタは、行かなかったの?」


ライタ「はっ。決まってんだろ、そんな こぞって人が集まる場所、めんどくさいに決まってる。実際に3日間ぐらいかかったらしい」


などとライタは言い訳を並べているが、単に知らない人がいると緊張してしまうためである


そんなこんなで、歩いていると


「うわーん うわーん」


子供の泣き叫ぶこえが聞こえる


ライタ「ん?何があった。なあ、アルト...って、いないだと」


アルト「大丈夫かい?」


「うぅ」


アルトが質問しても泣くばかり


アルト「転んだのかい?」


首を縦にこくり、こくりと頷く子供


アルトは子供が指で指した先を見てみると擦り傷が。アルトはバッグに手を入れ、妹に渡された傷薬を子供にぬった


「うぅぅ」


少し染みる痛みを我慢しながら声を抑える子供


「ありがとう」


アルト「どういたしまして」


子供はお礼をいい、その場から立ち去った


ライタ「やっぱり、アルトらアルトだな」


アルト「何だよ急に」


またしても意味深なことを言うライタにアルトは首をかしげながら言った


ライタ「ま、そんなことをしている内に、時間そろそろだよ」


アルト「まじ?」


ライタ「まじ」


アルトとライタは急いで向かった

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