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脳の海  作者: エイジ
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私小説「峠その四」

身バレ防止のため詳細は異なりますが、言動は記憶の限りほぼ同じです。




 母はおかしくなっていた。

 元々、狭い六畳あるかないかのプレバブの一室で0歳から私の育児をしていたのだ。


 そのストレスは並々ならぬものだっただろう。


 母はよく買い物をしていた。

 そのお金がどこからきていたかわからない。


「衣服を買った」と言った次の日、彼女は確かに新しい桃色のスーツのような衣服を身につけていた。


 だが、「着物を買った」といった後、彼女は着物を身につけることはなかった。




 借金をしていたのだ。

 私の養育費だろうか、交際費だろうか、それとも新興宗教への貢ぎ物だろうか、彼女はとにかく借金をしていた。

 父は私たちの暮らすプレハブに訪れて夕飯を共にしていたがその衣住は別で、九時だか十時だかには隣の祖父母の実家へと行ってしまう。




 十一時を過ぎても暗い部屋でぼんやりと四角い小さなテレビを見つめる母の顔を思い出す。


 借金をしていたことが分かった理由は通達が届いたからで、父は狭い部屋の中で怒鳴り声を上げていた。

十一歳か十二歳か覚えてはいないが私には理由がわからなかった。

 その頃丁度新居の一軒家を建てる、という話が勧められておりその状況での借金だ。

 怒るのは当然のことだろうが子供にはそんなこと知る由もない。

 ひたすら怖くてここに居たくない、と思っていた。




 私が借金のことを知ることになるのはそれから一年か経ち新居に生活を移した後のことだ。


 いわゆる「借金取り」が訪問してきたのだ。



 チャイムが何度も何度も鳴り、私は何の気なしに扉を開けた。


「なんだ、いるじゃねぇか」という男の声と慌ててドアを閉めた母の「なんで開けたのよ!」という怒鳴り声、それから家の物置へと身を隠した母は時間にして一、二時間震えたまま私を抱きしめて過ごした。



 今でも覚えているのだろうか。



 私はそのことを両親に聞かずにいるし二人も話すことはない。

 このまま聞かずに死んでしまうのだろうか、尋ねた方がいいことも悪いこともある、と悩み続ける私の心は、少しずつ重くなっていった。

某サイトの話なのですが、私の趣味に合わない書物ばかり流れてくるんですよね。


読んでいるっちゃ読んでいるんですがそういったものに評価や応援がついているところを見ると少し疲れます。


私が悪いのでしょうか、がんばりたいです。

脳内を若い女子学生に置き換えて投稿するんでした。ガハハ。


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