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脳の海  作者: エイジ
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私小説「峠のはじまり」



 記憶を巡る。

 怪我をした時、初めてゲームを買ってもらった時のこと、映画ドラえもんを子供の頃に見たことを思い出す。ドラビアン・ナイト、好きだったなぁ。

 おばあちゃんのしわかがった顔、理由は分からないが、怒る父親、近所の川でタニシやザリガニを追いかけ、濡れる衣服を全く気にせず、駆け回ったこと。



 最も古い記憶に辿り着くのにそう時間はかからない。私の場合はーー。


 「見ろよ、こいつケツから花生えてるぜ!」

 ズボンを下げられて、花がケツに埋め込まれる私のその様子を笑う、近所の悪ガキの顔が浮かぶ。違った。これは二番目の記憶だった。



 それは家族に抱きしめられ、頬にキスをされる場面の記憶だった。父も母も揃って笑っている。なんで忘れていたんだろう。途端に自責の念が浮かび出す。


 自責、それは自分で自分の過ちを咎めることらしい。

 ならば、私を許すものがいなければ私はこのまま自責に苦しみ続けることになってしまうだろう、と気がつく。

 そこで私は自分で自分を許すことにした。

 どこかで誰かが許してくれるならば、それもいいが、この世には、他人に対してやれ根性が足りないだのやれ甘えてるだの、偉くなった気分を持ち合わせている者の声が蔓延っている。

 自分で自分を許すことさえ許されなかったら、誰が一体自分を許してくれると言うのだろう。

 これさえも甘えなのだろうか。だが、やがて私の内、記憶さえも他人が決めつけてしまうのだろうか。


 三番目の記憶はオツキミ山を抜け出せずフシギダネがフシギバナになっていたという思い出です。

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