3.一時帰宅の土産話
よろしくお願いします!
「戻りました」
「おかえりなさい。どうだった?」
「えーと、妹に『わたくしも異世界に行きたい』と言われました」
「……それはまた難儀な。女性はかなり生きにくいですね」
そう、この食堂には代々王族が世話になっている。女将にはこっちの常識を家庭教師としてみっちり教えてもらった。……1年。
俺が1年で高校生だ。つまり、1年みっちりかけて妹にこっちの常識を叩きこみこっちに来れるとしよう。するとだ。向こうで婚期が遅れるのだ。
王族である以上、婚期が遅れるなど……。という事で男性王族に限りこっちの世界に来ているのだろう。
父上も絶対にこっちに来たことがある。土産にエロ本とか言う時点でおかしい。息子に頼むなよ。
「……父上に土産にエロ本をリクエストされました。直後母上のヘッドロックが決まりましたけど」
「あらあら、あの人そんなこと言ってるんですか?」
「大将!包丁が怖い!ギラギラしてる」
父上と女将さんは面識あるからなぁ。1年間拘束したし。俺が。
「やっぱこっちの方が俺は好きですね。何といっても食事が旨い!!」
ちょっと大将の耳が赤くなった。これだけで?
「向こうだと、毒見に次ぐ毒見で食事はだいたい冷たい。チーズフォンデュも毒見できないからってNOって言われました」
「料理長に頼んだんだ……」
「うまい飯食べたいじゃないですか?!」
「うむ、一理ある」
「さっすが大将わかる~」
「さ、開店の準備ですね。俺、着替えてきます!」
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