2.一時帰宅
よろしくお願いします!
今日は定休日。よって王宮に一時的に戻る。昼食ないしね。あぁ、夕食もないか。こないだ買った化粧品とかも持って帰んなきゃだし。
ガラッと押入れを開けると帰れる。仕組みはわからん。俺はベッドが良かったからなぁ。狭いけど二段ベッドみたいに寝れたのに…。
「お兄様ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドスッと背中にどつくものがあった。
「先週ぶりか、ソフィ。相変わらず元気だな。そして、お前が男で力士ならさぞかし相撲界で名を馳せるツッパリだろうよ」
「リキシ?スモウカイ?ツッパリ?」
「はははっ帰って来たか、ルイ」
「一時帰国ですよ、陛下」
「あぁ、この化粧品の類は母上とソフィに。後は王宮で働く者たちにと土産だ」
「父にはないのか?」
「陛下は昔向こうを満喫居ているでしょう?何かご所望があったのですか?」
「ふむ、話せば長くなるのだが…。エロ本を…」
母上のヘッドロックが決まった。
「何を息子に頼んでいるんですか!!」
全くだよ…。長い話じゃないし。そりゃあ、こっちには写真技術とか印刷技術ないけどさ。
「ルイが買ってきてくれる化粧品、こっちにはないから社交界じゃ独壇場よ。助かっているわ」
「ありがたきお言葉」
こういうリアクションが正しいリアクションだよ。父上はおかしい。
「お兄様!ソフィも異世界に行きたいです!」
「まず父上が許可しないだろう。あとなぁ、こっちの常識とあっちの常識は全然違う。そんな中で突然お前が行くのは無理だ。適応できないな。俺でも1年みっちり向こうについて勉強して、それからだからな。ソフィが今から1年みっちり勉強してたら婚期を逃すことになる」
最後の婚期を逃すってのは効いたか…。でも実際そうなんだよな。だから王族男子限定の制度なのか?
「ルイ、今日は夕食食べてくの?」
「そうしようかなぁ?温かいといいんだけど。ピザとかチーズフォンデュできないの?」
「ピザ?チーズフォンデュ?よくわからないから料理長に聞いてみて」
「まぁ、そうするよ」
俺は料理長にピザとかチーズフォンデュの説明に行った。傅かれた。忘れてた。俺は第一皇子。王位継承1位の王太子だった……。
「ピザを焼くなら、石窯がイイかと思います。土魔法でちゃっちゃとできますよね?」
脅迫だった……。料理長は料理はできるが魔法はさっぱりだった。言ってくれればこっちで手配するのに。
「チーズフォンデュはこんなのー」
俺には絵画の才能がなかった。
「流れるようなチーズに串で刺した具材をつけて食べるの!熱々!!」
「それは……毒見の観点から許可しかねます」
なんてことだ。美食と毒見を天秤にかけると毒見に軍配があがるんだな。
「お兄様!わたくしも異世界に行きたいです」
「父上に聞いたのか?そもそもだなぁ?お前、四則演算できるか?基本中の基本だぞ?」
「シソクエンザン?」
「お前ならお嬢様学校が似合うが、向こうの一般常識が圧倒的にない。向こうの世界には魔法がないんだぞ?お前は生きていけるか?」
「何ですって?魔法がない?お兄様はどうやって生き抜いて。それはだなぁ。向こうはこっちと違って科学技術ってのが発達してるんだよ。代わりに自然破壊とかしてるけどな。馬車ではなく自動車だ。ろうそくではなく電灯だ」
「え?仕組みはどうなっているのですか?」
「まずは四則演算をマスターしてからだな。詳しくは俺も知らん」
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