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XLILL  作者: 成瀬衣幌
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FILE:01 XLILL-01、お披露目

第二話です。

遅くなってしまいました。

 おだやかな昼下がり。休憩室。午後一時より開催されるお披露目式典にはまだ時間がある。

私は、庁舎を出たすぐ左の喫茶店に行くことにした。その喫茶店は、初老のコーヒーに詳しい紳士がやっていて、いまやほとんど目にしないサイフォン式の本格焙煎コーヒーが楽しめた。

「いらっしゃい」

ドアを開けると、マスターが出迎えてくれた。「いつもの」というと、マスターは軽く頷き、コーヒーを淹れ始めた。

 私は、この喫茶店からの風景が好きだ。地球とは程遠いが、緑が広がり、空には青空が広がっている。そして、ビルも立ち並んでいる。その様は、まだ地球があったころの新宿のようであった。

 物思いに耽っていると、マスターがコーヒーを出してくれた。香りを楽しみ、フレッシュミルクをいれ、カップを持ち、ゆっくりと口に入れた。

 持ってきた雑誌(という名の電子図書)を読み終わり、時間も小一時間ほど経ったのでお勘定を済ませ、店を後にした。


 月面研究庁に戻り、正装に着替えた後、新宿――日本では、今も地球のころの地名を使っている――に向かった。ドアを開け、外に出た。


 地下鉄の駅に向かい、早速来た電車に乗り込む。今では、すべてリニアモーター方式である。揺れはなく、車内は清潔感あふれている。

 三分ほどで、新宿に着いた。ドアから降りる。今日も新宿は人でごった返している。A1通路を出て、都庁舎へ向かった。今日は都庁舎の隣、都民広場でお披露目の式典が行われる。

 都民広場に着き、会場ゲートを抜ける。国民証と招待券をかざし、特別招待席に向かった。

 椅子には最新式の小型AOD|(Automation Order Device、自動注文装置)が設置されていて、様々な食品や飲料が注文できた。缶コーヒーを頼む、ついでに、眠気覚ましのガムを買った。

 上からロボットアームで注文した品がお盆に載せられ降りてきた。受け取り、ICカードにもなっている国民証をかざす。すると、ロボットアームは上昇した。

 缶コーヒーを一息に飲んだところで、式典が始まった。

 司会のアナウンスが流れ、月面研究庁や防衛省の対アルデント兵器が次々と登場する。昔ながらの戦車や、XLILLの後方支援を担当するAI搭載の国産無人戦闘機など多種多様の兵器が登場した後、ファンファーレが鳴り響き、いよいよ専属パイロットの橋本君が乗ったXLILL-01が登場した。会場は一気に忙しなく、うるさくなり、あまりのやかましさに顔を顰めてしまった。

 XLILL-01は様々なパフォーマンスを披露し、奥の大型ディスプレイにXLILL-01の改良点が表示された。公開できないものもあるが、基本的な改良点がムービーと同時に列挙されていた。

 そろそろ終わるな、と思い、右手首|(私は左利き)につけた腕時計をのぞく。すると、右耳につけたイヤホンからディスプレイが出てきて、右目の前に現れた。表示された文章は、アルデントの出現を示すものだった…

 思わず声を出してしまったが、平常心を心がけつつアナウンスを聞く。

「司令!大変です!アルデントが、新宿に来襲しました!」

「えっ!どうする、XIL-01|(XLILL-01の略称、クシルと発音する)を出すか!?」

「それしかないでしょう、おそらく」

「会場進行には伝えたか!?]

「別班がただいま知らせています」

「私は司令センターに帰る!少し待て!」

 先ほどのAODを使い、エアタクシーを呼ぶ。すぐに来た。AIに行き先を伝え、直行する。

 

 すぐさま、ICカードをかざしてエアタクシーを出る。ドアに走り、地下12階にある司令センターに向かった。


To Be Continued...

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