中学生の恋模様
中学生2年の四月ごろ…
中学生の美亜は同じクラスの葵と付き合っている。…正確には「付き合っていた」とする方が正しいのかもしれない。
五月。ようやく新しい学年にも慣れた。
美亜は7時半に学校に着くように起きて、家を出ていた。朝礼の時間は8時半なので、およそ1時間くらい前に学校についていたことになる。勉強などするわけがなく、友達と喋っていたりした。
「美亜。美亜。おいお前ほんとに大丈夫なのか?顔色悪いぞ」
「裕翔…今日私頭痛くって…だいぶ体怠い」
「それで午後までもつのか…学校無理そうだったらいつでも言うんだぞ」
「うん…」
その頃。
「葵君。もうちょっと君はまじめに宿題を提出しなさい。宿題をしっかり提出していたらこんな朝早い時間に学校に来なくてもいいんだから…次はもうお母さん行きだよ。今まで何回補習をしたと思っているんだ」
「はい…はい」
「ちゃんと提出するんだぞ」
「はい」
連日補習に連れ出されたので体は疲れていた。そして自分の教室に戻って仮眠することにした。教室の窓から二人の人間が見えた。
(俺より早く学校に来るって…誰だよー…って美亜と裕翔じゃん!何してるんだあれ。あれ。あれ!?)
「美亜っお前何して…」
その途端に美亜の顔色が変わった。
「………! 」
「俺何度も言ってるよな。他の男と接触するなって!
それがどうして裕翔といちゃついてるんだ!!」
美亜は大きく葵に蹴飛ばされた。
「痛…」
「美亜。大丈夫か。ここの椅子座ってろ。」
「ありがと。裕翔…」
その瞬間、葵の怒りはさらに増した。
「裕翔、お前人の女に…」
「だいたい葵だって、千穂のことが好きだって言ってたじゃねーか」
「それとこれとは別だろ!偉そうなこと言って‼︎」
その瞬間、裕翔は殴り飛ばされた。
「やめて…やめて…」
その瞬間に体が重く頭に痛みが走った。立ち上がろうとしたら、体がふらついて椅子から落ちた。
「裕……翔…」
声を出すのが精一杯だった。
「美亜…美亜!!」
「美亜が裕翔と一緒になるなら俺と別れてくれ!そうしたら、もう美亜には近づかない」
「私…もう葵のこと好きじゃないし…別れたいし、いいよ、別れよう…」
「葵。もう二度と美亜に暴力振るうなよ」
「約束するよ、裕翔、美亜」
「美亜…すごく体調悪そうだぞ。ちょっと一回保健室行こう」
「わかった。一回行ってみる…」
「一人で行けるか」
「体が怠くて…歩けなくて…」
「一緒に行こう」
その後美亜は38度の熱を出して、2時間保健室のベッドで寝た後、早退することになった。
「美亜。荷物持ってきたよ」
「裕翔…ありがと。」
「一人で帰れるのか?」
「だいぶ寝たら楽になったし、家も近いし大丈夫」
「ゆっくり休むんだぞ」
新しい恋が始まった。