世界観、用語説明
少女篇1までに説明された本小説の世界観と用語の復習です。
湖国
主要な登場人物が暮らす国。首都は開陽、ここに宮城や珪己らの住まいがある。湖や川が多くあることが特徴。現在、第三皇帝の御世となり、前皇帝までの施策の成果もあって、湖国は繁栄のピークに達している。特に首都・開陽は平和で活気あふれ、享楽的な雰囲気すらある。
各皇帝の著名な施策については少女篇1の最終話など参照。
文官・武官
文官は政治、武官は武を担う官吏。文官は科挙、武官は武挙に合格すると就くことができる。どちらも国が認める正式な官吏であるが、平和な今の世では文官が重宝され武官は冷遇される傾向がある。
文官は袍衣を身に着けており、その色で位が分かる。詳しくは少女篇2でも適宜説明するが、紫が上級、緋色が中級、緑が低級を意味する。
対する武官は位によらず茶一色の地味なものを身に着ける。
文官、武官ともに、職場に応じた色の玉を腰帯につけている。
文官には男女ともいるが、武官にはこれまで男しかいなかった。それは武芸は男のものであるという固定概念によるもので規則等で制限されるものではない。
このたび主人公の楊珪己は正式に武官となることを認められた初の女人となった。
枢密院
政治のうち、武に関することを担う。武官の管理もその業務の一つであるため、武官は全て枢密院に従属する形をとる。枢密院の特に高位には文官でないと着任できない。以上のことが武官を文官の格下とみなす傾向を助長している。
長官は枢密使、その副官を枢密副使という。枢密使は一人で、現在は主人公の父である楊玄徳が担う。枢密副使は複数おり、現在登場しているのは李侑生のみ。
昇龍殿
政治の内、文政に関することは全てこの殿で行なわれる。皇帝の執務室もここにある。
楊珪己も少女篇1で戸部の官吏に文を運ぶために立ち入ったことがある。組織構成は少女篇1ではまだ記載されていない。
武殿
枢密院の執務する殿、かつ武官の居する殿。武殿に囲まれた中央に武官の稽古場がある。
この稽古場で楊珪己は出会ったばかりの袁仁威と対決し、かつ新人の周定莉と体術の稽古をした。
楊珪己は女官姿でこの殿を訪れたこともある。
後述する楊武襲撃事変がここで起こった。
華殿
宮城内にある三殿の最後の一つ。外壁に囲まれた宮城の中で、さらに内壁に囲まれた閉鎖された殿である。資格のある者だけが玉門からこの殿内に入ることができる。
殿内には三つの宮がある。皇帝の住む東宮、皇帝の妃と子が住む後宮、それ以外の皇族が住む西宮である。
楊珪己は少女篇1では主にこの華殿で活躍した。
楊武襲撃事変
今から八年前、貴青二年、当時の枢密副使・楊玄徳の家が襲撃され家人が惨殺され、かつ武殿が占拠された事変。当時の第一隊隊長を中心に、武官の地位低下を嘆く武官によって実行された。当時の近衛軍将軍・鄭古亥による実行者の抹殺によって、事変は一夜で解決したものと公にはみなされている。
この事変をきっかけに、楊玄徳はさらなる施策を打ち出していく。