裏側の秘密事項
俺は、仕事も早めに切り上げ、家に帰ろうとしていた。俺は、赤坂 雄一。
白咲と坂本の担任をしている。
そういえば、白咲と坂本が二日も来ていない。なんということだろうか。義務教育が終わりとはいえ……ダメだろう。
坂本は、家の事情もあるだろう。金持ち、ちょっと羨ましいな。だが、問題は白咲だ。あいつは、一人暮らしで両親とも居ないらしいな。そして、不良だった時代があるとか。俺が持っている一年でも、もう合計150日くらいは休んでいるはずだ。まず、なぜ学園に入れたのかが謎だ。ありえない。学園内に、誰か悪いヤツがいる。そう考えておこう。
それは、かなりヤバイ。だが、あいつは学園を休むことを涼しい顔でやってのけている。まぁ、それを留年させずに進学させる先生らもどうかとおもう。俺もその先生の一人に含まれてしまうのが、何とも癪だ。
だが、留年して欲しくないのも事実だ。あいつは、親が居ないとばかりに勝手をして、中学の頃、三人の人を殺したらしい。警察にも話をされたらしいが、年齢と金でやり過ごしたとか。
そして、最悪の問題は、金だ。あいつは、多額の金を所持しており、その金を学園に寄付している。だから、学園も口出しできない。
(本当、嫌な一年だな)
そうこうしているうちに、家についた。家と学園は、結構近いのだ。学園からも見える。
俺の家は、ちょっとした遊び心で、煉瓦造りにしている。だから、全体的に茶色い。その上、大きい。普通の人家の四倍はあるだろう。
俺は、家にはいるとリビングへ入った。
パソコンの電源をいれる。すると、起動した時間とぴったりにメールが送られてきた。
メールの中には、写真もいれられていた。
「キャーーーー!」
俺がメールを読もうとした時、そんな叫び声が聞こえた。
なんだ、もうばれたのか。
(アイツ、もうちょっと時間をかけたらよかったのに)
俺は、写真をみた。そこには、燃え上がる家の写真があった。
そして、文面は……
『赤坂へ
元気にしてるか?俺は元気だ。もうちょっとで、終わる。とりあえず、写真に載せておいたよ。確認頼む。
T&Rより 』
と書いてあった。
少し想定外だ。本当にやるとは。
今頃、大騒ぎだろう。燃え上がる家に、二人の人間。
誰の策略か。まぁ、それもやがてわかること。
俺は、手助けをしている冗談役。犯罪者に手を染めたりはしない。そう決めている。
(二人とも、良い奴だな。俺は、絶対にできないけど。)
俺は、笑いながら、パソコンの電源を切る。
そして、居間にある青いバラのついた手紙を手にとった。
なかには、ピンクのバラの絵で縁取られている紙が入っていた。
『よぉ、赤坂。 もう時間がくるぞ。 今晩、待ってるからな。 by,寿樹』
坂本は、準備が出来ているみたいだ。もう、月が登り始めている。
家に帰ったばかりだが、俺は家からでた。
極上のパーティーへいくために。
全て、計画通りの毎日。
意味のわからない世界で、普通に生きる。
簡単そうで難しい、俺の毎日でもあった。




