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些細な嘘から始まった  作者: 紗倉 悠里
第四章 <最後の終わり。>
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裏側の秘密事項

俺は、仕事も早めに切り上げ、家に帰ろうとしていた。俺は、赤坂 雄一。

白咲と坂本の担任をしている。

そういえば、白咲と坂本が二日も来ていない。なんということだろうか。義務教育が終わりとはいえ……ダメだろう。

坂本は、家の事情もあるだろう。金持ち、ちょっと羨ましいな。だが、問題は白咲だ。あいつは、一人暮らしで両親とも居ないらしいな。そして、不良だった時代があるとか。俺が持っている一年でも、もう合計150日くらいは休んでいるはずだ。まず、なぜ学園に入れたのかが謎だ。ありえない。学園内に、誰か悪いヤツがいる。そう考えておこう。

それは、かなりヤバイ。だが、あいつは学園を休むことを涼しい顔でやってのけている。まぁ、それを留年させずに進学させる先生らもどうかとおもう。俺もその先生の一人に含まれてしまうのが、何とも癪だ。

だが、留年して欲しくないのも事実だ。あいつは、親が居ないとばかりに勝手をして、中学の頃、三人の人を殺したらしい。警察にも話をされたらしいが、年齢と金でやり過ごしたとか。

そして、最悪の問題は、金だ。あいつは、多額の金を所持しており、その金を学園に寄付している。だから、学園も口出しできない。

(本当、嫌な一年だな)


そうこうしているうちに、家についた。家と学園は、結構近いのだ。学園からも見える。

俺の家は、ちょっとした遊び心で、煉瓦造りにしている。だから、全体的に茶色い。その上、大きい。普通の人家の四倍はあるだろう。

俺は、家にはいるとリビングへ入った。

パソコンの電源をいれる。すると、起動した時間とぴったりにメールが送られてきた。

メールの中には、写真もいれられていた。

「キャーーーー!」

俺がメールを読もうとした時、そんな叫び声が聞こえた。

なんだ、もうばれたのか。



(アイツ、もうちょっと時間をかけたらよかったのに)

俺は、写真をみた。そこには、燃え上がる家の写真があった。

そして、文面は……

『赤坂へ

元気にしてるか?俺は元気だ。もうちょっとで、終わる。とりあえず、写真に載せておいたよ。確認頼む。


T&Rより 』

と書いてあった。

少し想定外だ。本当にやるとは。

今頃、大騒ぎだろう。燃え上がる家に、二人の人間。

誰の策略か。まぁ、それもやがてわかること。

俺は、手助けをしている冗談役。犯罪者に手を染めたりはしない。そう決めている。

(二人とも、良い奴だな。俺は、絶対にできないけど。)

俺は、笑いながら、パソコンの電源を切る。

そして、居間にある青いバラのついた手紙を手にとった。

なかには、ピンクのバラの絵で縁取られている紙が入っていた。

『よぉ、赤坂。 もう時間がくるぞ。 今晩、待ってるからな。 by,寿樹』

坂本は、準備が出来ているみたいだ。もう、月が登り始めている。

家に帰ったばかりだが、俺は家からでた。

極上のパーティーへいくために。


全て、計画通りの毎日。

意味のわからない世界で、普通に生きる。

簡単そうで難しい、俺の毎日でもあった。


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