家で!
家族構成って難しい。
ボコボコになった後何とかオレは家に着いた。それにしても連絡先交換しただけでアレはキツイ。今度からは気を付けないとな。
「ただいま!」
転勤族のオレはマンション暮らしだ。ちなみに両親は離婚していて、オレと妹は母さんに引き取られて生活している。母さんは会社でそれなりの業績があるバリバリのキャリアウーマンだったりする。転勤族な理由も支店の業績回復請負人が原因だ。いつも帰りは遅く午後11時までに帰る事はめったにない。朝は9時に出るくらいだから、少しは余裕があるのだがそれでも忙しい。
なので基本は妹の小春と生活している。
「おかえり!学校どうだった?」
小春か。ってお前はオレのおかんか!中学2年生に心配はされるのは流石に気が引ける。
「普通に友達出来たし、順調かな。小春はどうだったんだよ?」
「私はお兄ちゃんとは違って、コミュ症じゃないからね。それより、夕食食べよ!お兄ちゃん帰ってくるの遅いから腹ペコだし。」
うぅ。コミュ症じゃないよな?オレ…いや違う違うはずだ。初日から友達出来たし!自己紹介は自己ベストの出来だったし!
「もういいから食べよーコミュ症はほっといてさ。」
「お前が言うからだろ!まあ腹減ったし食べるか」
ったく相変わらずマイペースだ。小春はオレと違ってすぐ友達と仲良くなる。だからその分転校するたびに落ち込んでるんだが元気になってて一安心だ。
「そういえば、お兄ちゃん今日学校終わってからどこいってたの?」
「普通に友達とショッピングモール行ってただけだよ。」
うん。友達と行ってて白河に巻き込まれだけだから嘘は言ってないな。
「ふーん?てっきり女の子とデートに行ったのかと思った。残念だなー。で、今日はなんで保健室に居たの?」
え?なんでそれを…あっ石見高校は中高一貫校で保健室一つしかないんだった…てか一つってケチんなよ!
「ちょっと変な奴に絡まれてな。それで保健室に居たんだよ。お前こそなんでオレが保健室に居たのを知ってるんだ?」
「私は保健室を案内された時にたまたま見つけただけですけど?誰かさんを!!後、どれだけトラブルに巻き込まれるのが好きなんだか。」
小春は呆れた顔をしている。アレは無理だから仕方ないだろ…うん仕方ない。
「ご馳走様。」
こう言う時は逃げるに限る。
「あっ!まだ私の説教タイム終わってないんだから!」
「はいはい。じゃあオレ自分の部屋戻るからな。」
妹に説教受けるとか、立場ねえな…妹は母の血を良く引き継いでるせいか成績もいい。見た目も可愛いと思う。それでいて努力家であるんだから、オレの立場がないし説教を言い返しても言い負かされた事しかない。ってネガティブになりそうだ。こういう時は早く風呂入って寝るに限るな。そうと決まれば早く風呂入ろっと!
「小春ー?先風呂入るからなー」
「私もう入ったからいいよ。後もう先に寝てるから、リビングの電気消しといてね。おやすみ。」
「リョーカイ。おやすみ。」
風呂に入ったオレは今日の事を振り返っていた。まあ色々あったけど何とかやってけそうだな。殴られたり、叩きつけられたりしたけど…まあ明日から楽しみの部分も多いし頑張るか!
パジャマに着替えたオレは自分の部屋に戻る。やっぱり寝る時は真っ暗が1番だ。豆電球は邪道だ。寝付きにくい!まあ人それぞれだが。それにしても眠い。身体が痛いし。
ベットに入ろうとした時、何かにぶつかる。うん?何だ?って小春か…相変わらず家が変わるたびにたびたびこいつは部屋間違えて人のベットで寝るからな…寝顔見てるだけなら可愛いんだけどな。仕方ないから床で寝るか
掛け布団を小春の肩の位置に戻してオレはそれから、床に布団を敷いて寝た。
★★★★
朝か。昨日早めに寝たお陰で朝から気分いいな。いい一日になりそうだ。何か身体重いな?何でだろう…って小春ベットから落ちて来てるじゃん。あいつ半端なく寝相が悪いの忘れてた。マズイ…この状況で小春が起きたら大変な事になる。早くベット位置に戻さないと。
抱きかかて戻そうとした。しかし…
「お兄ちゃんおはよ〜!って何で抱きかかえてるのかな?」
小春が怒りで顔を赤くする。これが照れ隠しなら可愛げあるのだが…とにかくこの状況を打破しないと下手したら殴られるの間違いないだろう。
「昨日お前がオレのベットで勝手に寝てて、オレは床で寝てたんだけど、お前の寝相の悪さでベットから落ちて来たんだ。それでお兄ちゃんは気を使ってベットに戻そうとしただけだから!」
完璧な説明だ。これなら誤解を招く事もないはずだ。
「問答無用!!」
ゴフッ。オレの完璧な説明意味なしですか…ってかオレ毎日殴られてるような気がする…
バタッ
オレが目を覚ましたのはそれから5分後の事だった。